「Jリーガーが試合を見て、昌子ができるなら俺たちもできると思ってくれたら嬉しい」

コロンビア戦、スタメンはずらりと海外組の選手が並んだ。
 
 そのなかで唯一、国内組としてスタメンに名を連ねたのが鹿島アントラーズの昌子源だった。
 
「麻也(吉田)さん以外、センターバックは槙(槙野)くんが出てもナオ(植田直通)が出ても国内組なんで、そこはそんなに意識しなかった」
 
 昌子は、表情を変えず、淡々とそう言った。
 
 海外組、国内組など、特に意識することなくプレーできているのは、長く日本代表チームに入り、試合を重ね、海外組の選手とコミュニケーションを取ってきているからだろう。
 
「海外とか国内とかの意識はないですね。スタメンで自分がJリーグで唯一の選手ということは考えなかったですし、俺がJリーグを背負っているとか思わなかった。正直、Jリーグの皆さんを代表して出たつもりはないし、そこまで考えていない。それよりもJリーガーがどう思ってくれたかのほうが大事。俺自身のプレーはまだまだ満足いくものじゃないですけど、Jリーガーがその試合(コロンビア戦)を見て、昌子ができるなら俺たちもできると思ってくれたら嬉しい」
 
 Jリーグにも質の高い、可能性があるセンターバックが多数いる。
 
 昌子のプレーを見て、刺激を受け、個々の選手の質が上がればリーグ全体の質も上がる。それが代表強化にもつながっていく。
 
 昌子の活躍を見ていると国内でプレーしていても世界と十分に対峙できるのではないかと感じてしまう。コロンビア戦、エースのファルカオを封じ、失点はセットプレーからの1点のみ。相手がひとり少ない状況とはいえ、世界的なストライカーを封じたのはそれなりに自信になったはずだが、海外でプレーせずとも世界に通用する選手になれる手応えは感じられたのだろうか。
 
「それは正直、いろんなストライカーと戦ってみないとまだ分からない」
 
 昌子は、冷静にそう答えた。
 
 昨年はクラブ・ワールドカップでレアル・マドリ―と戦い、クリスチアーノ・ロナウドら世界的な選手と対峙した。今回のロシア・ワールドカップでは初戦のコロンビア戦でファルカノ、途中からはハメス・ロドリゲスも出て来た。そして次戦のセネガルにはマネ(リバプール)という強力なストライカーがいる。そういうストライカーを封じて勝利する。昌子にとっては、自信を膨らませる大きなチャンスだ。