【サランスク(ロシア)大谷津統一】雪辱の白星だ。サッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会で19日、日本はコロンビアを2−1で破った。初戦を制し、2大会ぶりの決勝トーナメント進出も現実味を帯びてきた。日本にとってコロンビアは前回2014年ブラジル大会で、1−4で敗れた強敵。大会前は低調な試合が続き、前評判の低かった選手たちが反骨心で躍動した。

 試合開始早々にシュートで相手のハンドを誘い、獲得したPKを自ら決めたのはMF香川真司(29)=ドルトムント。ハリルホジッチ前監督の下では出場機会が減り、W杯代表入りも危ぶまれていた。だが4月に西野朗監督が就任してからは得点力を評価され、代表に生き残った。

 後半の2点目は、途中出場のMF本田圭佑(32)=パチューカ=の左CKを、FW大迫勇也(28)=ブレーメン=が押し込んだ。香川と同じくハリルホジッチ体制で冷遇されていた本田。大会前の国際親善試合でもスピード不足が露呈したが、左足の正確なキックは健在だ。「与えられた時間はわずかだったが、決勝点に絡めた」と率直に喜ぶ。

 5月31日に発表された23人のW杯日本代表からはポルトガルで活躍するFW中島翔哉(23)=ポルティモネンセ=ら期待株が外れ西野監督に対する批判が高まった。ハリルホジッチ前監督を「選手との信頼関係の不足」というあいまいな理由で解任した日本協会への不満も下地にある。

 最近のプレーに陰りが見えながらもロシア行きの便に滑り込んだ本田、香川、FW岡崎慎司(32)=レスター=は経験、実績、影響力があるだけに「ビッグスリー」と皮肉交じりに呼ばれ、ベテラン優遇と見られた人選は「年功序列ジャパン」「忖度(そんたく)ジャパン」なる表現まで生み出した。DF長友佑都(31)=ガラタサライ=は「おっさん、おっさん、とたたかれ、見返したい気持ちがあった」。

 ファンによる「手のひらがえし」は10年南アフリカ大会を思い起こさせる。大会前に不振を極めたチームを岡田武史監督が戦術変更と世代交代で刺激し、16強に躍進した大会だ。

 好発進はしたが、まだ1勝。主将のMF長谷部誠(34)=アイントラハト・フランクフルト=は「みんなの意識は次の試合に向かっている。それはいいこと」と油断を戒めた。

毎日新聞 6/20(水) 11:53配信
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