SBには深い位置まで行ったらCKを獲ってくれと要求

 ワールドカップが開幕し、いよいよグループリーグ初戦・コロンビア戦に向けたカウントダウンが始まった。ロシア・カザン入りしてから初めての練習を終えた6月14日、MF柴崎岳はワールドカップに向かう心境を口にした。
「意外とね、時間がそんなにないので。試合まで、あと4日5日。いつも通りに準備していこうかなと思いますけど」
 西野監督就任後初勝利を演出した余韻はまったく感じられなかった。

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 ワールドカップ前最後の親善試合となったパラグアイ戦では、ダブルボランチの一角で先発を務めた。40分に狙った直接FKはクロスバーに嫌われたが、77分に蹴った右FKがオウンゴールを誘発した。8日のスイス戦でも右CKを蹴り、吉田の頭にどんぴしゃに当ててチャンスを演出。柴崎のセットプレーは、現在最も得点の匂いが漂うシチュエーションのひとつだ。実は自身でも、コロンビア戦に向けてセットプレーがひとつのカギを握ると感じている。
 
「(コロンビア戦では)いろんなシチュエーションが考えられますよね。うまくいけば、パラグアイ戦のように自分たちがボールを保持できる時間帯があるとは思いますし、逆にうまくいかなくてボールを持たせる展開になることもあり得る。さまざまなシチュエーションを想定はしています。どんな状況においても、個人的にはセットプレーのところはより意識してやっていきたいなと思っています。前の試合(パラグアイ戦)でも、サイドバックの選手とかに、深い位置まで行ったら相手に当ててCK獲ってくれというふうなことも要求していました。なるべくそういったシーンを作ってほしいなと思うので、そうなった時に、大きいチャンスが生まれるようにしたいなとは思います」

プレースキックの質の高さは、鹿島に在籍していたころから光っていた。ただ、スペインでのプレー経験を経た今、最近の日本代表ではさらに磨きがかかっているように見える。

「プレースキック(の精度向上)に関しては、スペインに渡ったからというわけではない」と否定しながら、変化の理由を説明した。
「蹴り方というか、蹴るボールのイメージを変えたというのはあります。そんなに練習はしていないんですけど、頭の中のイメージ通りに蹴ると、いいボールが行っているという印象はあります」
 
「普通に入れるだけではないパターンも考えようかなとは思っています」

 波に乗っているそんな柴崎の武器は、コロンビアのディフェンスにも風穴を開けられる可能性は大いにある。連係には多少の課題を残す一方で、身体能力はめっぽう高い敵の守備陣。体格もスピードも日本人とは違い、セットプレーの攻防ではなおさら、単純な1対1での勝算が少ない。

「相当(身長の)高いセンターバックだったり、そういう選手がいると思うので、(蹴るボールを)工夫しないと、なかなか入れるだけでは(決まらない)。(クロスに対応する)中の選手とか、監督のアイディアももしかしたらあるかもしれない。普通に入れるだけではないパターンも考えようかなとは思っています」
 
 西野監督からは、まだトリックプレーについての具体的な指示はないという。ただ、「僕としては凝り固まった部分はないので、そのアイディアにしっかりと対応していきたい」と要求があった場合は応える意向を示した。

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