“逆ギレ司会者”にも一分の理…アナウンサーは取材者なのか出演者なのか
2018年5月26日11時0分 スポーツ報知
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日大広報部・米倉久邦氏
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いつの頃からだろうか。大型会見のたび、テレビ各局のニュース番組、ワイドショーが自らの番組のキャスターやアナウンサーの質問する様子を競うように流すようになったのは―。

本来の主役である会見者の答える映像の前にセットで流されるマイクを持って質問する“番組の看板たち”の顔、また顔。ふと、その会見の主役が誰だったのかを忘れそうになる。

そう思ったのは、25日に行われた日大の大塚吉兵衛学長(74)の緊急会見を取材した時のことだった。
アメリカンフットボール部の選手が悪質な反則を犯した問題で約300人の取材陣の前に現れた大塚学長は一連の騒動について謝罪。後手後手に回った同大の対応についても頭を下げた。

大塚学長は、23日の内田正人前監督と井上奨コーチの会見で司会を務めた同大広報部顧問の米倉久邦氏の司会とは思えぬ不遜な態度についての質問にも回答。
同氏の取材陣に対する「しつこいですよ」「(会見を)見ていても見てなくてもいいんです」「監督、話さないでください」などの“暴言”への率直な感想を求められると、まず「難しい」。そうポツリとつぶやいた。

同氏の暴走の理由を「想像でしか言えませんけど、番組ごとに同じ会社(放送局)が別の画(映像)を撮りたがっている。同じ局なのに、3つ4つクルーが分かれていて(同じような質問を繰り返して)イラッとしたのかな」と推測。
その上で問題の会見後、米倉氏と話したことを明かし、「『なんで、あんな声が出たんですか』と聞いたら、『番組ごとに画を撮ってるんだ。テレビ局は別の画が欲しいんだよ』という答えでした。そういうことで、ああいう対応が出たんではないかなと」と続けた。

「危機管理の面から(米倉氏の)司会ぶりはまずかったのでは?」と聞かれると、「ご指摘されているように、マスコミ側から見たら、無責任だということになるけど、なかなか難しいんで。白黒つけるのは難しい。
態度としては良くなかったけど、内田監督の体調とかを気遣って、ああいう態度が出てしまったのではと感じているところです」と淡々と答えた。

謝罪するために日大側から呼びかけて集めた取材陣に対する米倉氏の態度は決してほめられたものではないし、会見でも指摘された通り、守るべき日大の「ブランド」を大きく傷つけたことは間違いない。

ただ、大塚学長の「同じ局なのに、3つ4つクルーが分かれていて、イラッとしたのでは」という言葉に納得してしまう自分がいたのも確かだ。

>>2に続きます。