この春、フジテレビが「直撃!シンソウ坂上」「林修のニッポンドリル」「世界!極タウンに住んでみる」「梅沢富美男のズバッと聞きます!」「石橋貴明のたいむとんねる」をスタートさせました。

 これらの新番組は「世界!極タウンに住んでみる」以外、タレントの冠番組であることからわかるように、MCのキャラクターやスキルを生かしたものですが、コンセプトは“ドキュメント=記録”で共通しています。

■テレ東の人気と、長年培った下地

「シンソウ坂上」は事件と人物、「林修のニッポンドリル」は日本にまつわるもの、「世界!極タウンに住んでみる」は世界の地域、「梅沢冨美男のズバッと聞きます!」はタレントの人生、「石橋貴明のたいむとんねる」は懐かしのカルチャー。それぞれをドキュメントとして捉えて、じっくり掘り下げるタイプの番組です。

 3月で終了した「とんねるずのみなさんのおかげでした」「めちゃ×2イケてるッ!」のような笑いを作り出し、全面に押し出すタイプの番組とは正反対のベクトルと言っていいでしょう。

 フジテレビは今春の番組改編スローガンに、「変わる、フジ 変える、テレビ」を掲げました。これをバラエティー番組に当てはめると、「笑いを作り出し、全面に押し出すタイプから、ドキュメントを掘り下げるタイプに変えた」のです。

 周知のとおり、近年フジテレビの視聴率は下がり続け、浮上のきっかけをつかめないまま、年月を重ねてきました。そんな苦境の中、テレビ東京の「家、ついて行ってイイですか?」「緊急SOS 池の水ぜんぶ抜く大作戦」や、NHKの「ドキュメント72時間」「ノーナレ」などのドキュメント系番組が人気を集めていることに着目したとしても不思議ではありません。

 もともとフジテレビは、「ザ・ノンフィクション」「NONFIXS」などの社会派ドキュメンタリーや、「奇跡体験!アンビリバボー」などのドキュメントバラエティーを長期にわたって放送してきました。また、民放各局が力を注ぐ日曜夜に放送されている「ニチファミ!」は、週替わり企画の2時間枠ですが、ほぼ毎週ドキュメント系のテーマが採用されているなど、変化の下地があったのです。

 バラエティー番組以外では、今春に報道番組を「プライムニュース」にブランド統一したことも含め、「局全体が硬派路線を打ち出している」という戦略が見えます。

つづく

オトナンサー 5/19(土) 6:10配信
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180519-00014553-otonans-ent

写真https://amd.c.yimg.jp/amd/20180519-00014553-otonans-000-2-view.jpg