人気グループ「TOKIO」の元メンバー山口達也(46)の強制わいせつ事件により打ち切りが決まったテレビ番組「Rの法則」(Eテレ)を放送していたNHKは10日、司会の山口が所属していたジャニーズ事務所に対する損害賠償請求を検討していることを明らかにした。

一方、山口出演番組の再編集などを強いられる民放各局は請求しないとみられる。民放ドラマには多くのジャニーズタレントがキャスティングされているため、泣き寝入りするしかないのが現状だという。

 NHKの上田良一会長は10日の定例会見で、「Rの法則」を打ち切ったことについて「司会者(山口)がこのようになり大変遺憾。総合的に検討して続けるのは困難と判断した。ご理解いただきたい」と述べた。NHKはジャニーズ事務所に対する損害賠償請求も含めて、今後の対応を検討していることを明らかにした。 

 女子高生への強制わいせつ容疑で警視庁に書類送検された山口は、1日に起訴猶予処分となり6日にジャニーズから契約を解除された。NHKは7日、「Rの法則」の放送打ち切りを発表した。

 NHKがジャニーズに厳しい姿勢を見せた一方、民放局は相変わらず“逃げ腰”の姿勢だ。本紙でも既報した通り、「ザ!鉄腕!DASH!!」など山口の出演番組を計3本放送していた日本テレビは、この事件により1億円近い赤字を出す見込みにもかかわらず、違約金を請求しない方針だというのだ。

 山口が起こした事件により、明らかに損害を被っているのに、民放テレビ局側がここまで弱腰にならざるを得ないのは、今後のドラマのためだ。

「情けない話ですが、ドラマのキャスティングが“人質”に取られているんです。日テレは7月スタートのドラマ『ゼロ 一獲千金ゲーム』(日曜午後10時30分)で『NEWS』の加藤シゲアキが初主演する。しかも他の『NEWS』のメンバー3人も友情出演することが決まった。もし日テレが山口の件で違約金を請求しようものなら、この企画は流されてしまう。その結果、ジャニーズに対し何も言えないんです」(テレビ局関係者)

 これは日テレに限った話ではない。フジテレビは、もっとひどい目に遭ったと言われている。

 フジは4月26日、夕方放送の「プライムニュース イブニング」で事件当日、「山口の自宅には、山口と女子高生とその友人の他にもう1人、男性がいたことが分かった」と報じた。しかし同日午後11時40分スタートの「FNNプライムニュース α」で「その事実はなかった」と謝罪したのだ。

 本紙でも報じたが、この謝罪については疑問の声が多い。情報を取ってきたのはフジの警視庁エース記者。自信を持って報じたにもかかわらず、すぐに謝罪するのは「異例中の異例」というのだ。

 芸能プロ関係者は「実際に誤報かどうかはともかく、その日のうちに謝罪するなんて、それまでのフジの姿勢からするとありえない」と指摘。というのも4月5日放送の情報番組「直撃LIVE グッディ!」で、オフィス北野の現役社員という男性のインタビューを報じた。しかしこれはニセ社員で完全な誤報だった。

「『グッディ』は、オフィス北野から抗議を受けたが、すぐには謝らなかった。それどころか『顔も映ってないのに、何でニセ社員と確認できるんですか?』と開き直った対応をしたんです。もちろん、その日のうちには謝らなかった」(同)

 結局、翌日の放送で訂正、謝罪したが、謝罪文を三田友梨佳アナが読み上げただけだった。

「民放ドラマのキャスティングは、1〜2年先まで決まっている。各局ともジャニーズのタレントをドラマにキャスティングしているため『違約金なんて請求したら、ドラマから降板するよ』と言われたら何も言えませんよ。仮にジャニーズ側からそういう発言が出なかったとしてもテレビ局側が“忖度”しちゃいますからね」(前出のテレビ局関係者)

 所属タレントが不祥事を起こしても、民放テレビ局がジャニーズに頭が上がらない構図は全く変わらないようだ。

東スポ 2018年5月12日 11時0分
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