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サッカー日本代表の西野朗監督(63)が8日午後、12日間に及ぶ欧州視察から帰国。W杯ロシア大会(6月14日開幕)直前の指揮官交代で、誰が笑い、誰が泣くことになるのか。

若手ではFW宇佐美貴史(25)=デュッセルドルフ、MF井手口陽介=(21)=レオネサ=がW杯メンバー入りへ急浮上している。

一方“ビッグ3”では、FW本田圭佑(31)=パチューカ=が当確。FW岡崎慎司(32)=レスター=の代表復帰も有力だが、MF香川真司(29)=ドルトムント=は崖っぷちに追い込まれ、明暗を分けている。

 4月27日に日本を発ち、ゴールデンウイーク返上で欧州組視察行脚を敢行した西野監督。8日の帰国後、14日はW杯ロシア大会の予備登録(35人)の提出期限。18日にはW杯前国内最終戦のキリンチャレンジ杯・ガーナ戦(30日=日産ス)のメンバー発表を行わなければならず、休んでいる暇はない。

 指揮官は「どの選手もコンディショニングが大事」と強調。その点、西野戦術の核になるとみられる本田は申し分ない。好調のままメキシコリーグ全日程を終え、3日に帰国。コンディショニングなどを担当する複数の専属コーチのもと、国内で調整を進めている。

 岡崎とは欧州視察中に面談し、現在抱えている左足首痛が重症でないことを確認した。

 大きな期待をかけていることがうかがえるのは、ドイツ・ブンデスリーガ2部でプレーする宇佐美である。もともとG大阪監督時代に手塩にかけた“西野チルドレン”で、6日にホームのキール戦を視察。「守備の意識も高くなった」と評価し、日本代表スタッフには「貴史(宇佐美)はトップ下でも使える」と漏らしているという。

 井手口に対する評価も高い。スペイン2部のチームでほとんど出番がなく、事実上の飼い殺し状態。G大阪出身といっても、西野監督退任後の2014年にトップチームに昇格しており直接指導を受けたことはない。それでも西野監督が予定を変更してわざわざ練習を見に行ったところに、並々ならぬ思い入れをうかがわせる。

 対照的に、一気に土俵際に追い込まれたのは香川だ。2月に左足首を負傷したのをきっかけに、出場機会が激減。本人は代表入りを逃した3月のベルギー遠征をわざわざドイツから見学に出かけ、W杯出場に意欲を示したが、ハリルホジッチ監督(当時)との面会はかなわず。

西野監督は視察行脚中に香川と面談し、ハリルホジッチ電撃解任の経緯だけは説明したが、本人のコンディションは悪化の一途。ポジションも本田、宇佐美とかぶるだけに、厳しい状況といえる。

 仮に香川が代表から外れた場合、背番号4を付けてきた本田に念願のエースナンバー「10」が転がり込む可能性もある。

 ハリル前監督に引き立てられたFW久保裕也(24)=ヘント、前線への長い縦パスを多用するハリル戦術のキーマンだったMF山口蛍(27)=C大阪=も、その座を危ぶまれている。
 
ハリルジャパンに何度か招集されたMF乾貴士(29)は、今季限りでスペイン1部・エイバルを退団する意向を表明。競争率の高いトップ下タイプだけに、こちらも厳しい立場だ。

 W杯ロシア大会の最終メンバー23人の発表は、ガーナ戦翌日の31日。西野ジャパンの参謀役で、東京五輪代表監督も務める森保一コーチ(49)は「みなさん(報道陣)はサプライズ選出を期待すると思いますが、まずは普通にコンディションのいい選手を報告するようにしています」とした上で、「最後は西野さんのフィーリングで選ぶことになると思います」と断言した。

 西野監督は本田を軸に、宇佐美&井手口の“ガンバ人脈”を絡ませることによって、自分のフィーリングを示すことになりそうだ。

夕刊フジ 5/9(水) 16:56配信
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