▽昨日2日、スイスで開催されたIOC(国際オリンピック委員会)の理事会で、20年東京五輪のサッカー会場が承認されたと3日付けの新聞が伝えた。立候補した7会場についてFIFA(国際サッカー連盟)が芝の状態など技術的な要件を確認したことで、正式に承認されたとのことだった。

▽7会場は、以下の通り。新国立競技場、札幌ドーム、宮城スタジアム、カシマスタジアム、埼玉スタジアム2002、東京スタジアム(味の素スタジアム)、横浜国際総合競技場(日産スタジアム)。

▽さてここで、「19年問題」があることを知っている読者はいるだろうか。東京都は昨年、19年のラグビーW杯や20年の東京五輪で使用する東京スタジアムの改修整備計画を明らかにした。

それによると、18年度に改修工事に着工し、19年度の4~6月に完成を目指す。ラグビーW杯の開幕までに、昇降機の増設、車いす対応トイレの増設、和式トイレの洋式化、競技用照明のLED化、特別観覧席の更新、既存観客席の一部更新、受変電設備の一部更新、フリーWi-Fiの導入、インゴールの芝拡張、高さ17mのゴールポスト設置などを施工する予定だ。

▽もしも6月まで工事がずれ込んだ場合、昨シーズンのJ1のカレンダーを参考にすると(今年はW杯のため過密&中断期間があるため)、東京スタジアムをホームとするFC東京は16試合もホームで開催できないことになる。

さらに、9月にはラグビーW杯が控えていて、東京スタジアムは予選プール5試合と、準々決勝2試合に3位決定戦の計8試合が行われるため、9月20日から11月1日までの金曜から日曜までは使用できない。週末にサッカーの試合を入れられるのは10月26、27日だけである。

▽Jリーグはホームスタジアムで80%以上の試合開催を定めているが、FC東京はこの問題をいかにしてクリアするのか、頭を痛めていることだろう。同じようなことは横浜国際総合競技場にも当てはまるが、FC東京の関係者は「マリノスには三ツ沢(ニッパツ三ツ沢球技場)がある」と羨む。

▽FC東京U-23はJ3を味の素フィールド西が丘や夢の島競技場で開催しているものの、こちらはJ1規格ではない。駒沢競技場もあるが、病院と隣接しているためナイトゲームができない。6月までは駒沢で代替開催し、ラグビーW杯の期間中は平日開催にするか。いずれにせよ集客に影響が出るのは避けられないだろう。

▽さらに問題はまだある。東京五輪の開催時、東京スタジアムではサッカーと7人制ラグビー、近代5種の各試合が開かれる。ラグビーW杯の終了後、五輪対応の追加工事として、車いす席から試合をより観戦しやくするための改修を別途行う計画があるからだ。こちらは部分改修になればスタジアムの使用に支障はないが、果たしてどのような結論に落ち着くのか。

▽この問題は当該クラブだけで解決するのは難しいだけに、Jリーグや他チームの協力を仰ぎながら最善の方法を模索するべきだろう。

来シーズンの日程作りは喫緊の問題でもある。

2018年5月4日 12時0分超ワールドサッカー
http://news.livedoor.com/lite/article_detail/14668615/