23日開幕の選抜大会に全国で唯一3校が出場するのが滋賀県勢だ。
昨秋の近畿大会でベスト4の近江、同大会ベスト8の彦根東、21世紀枠で膳所(ぜぜ)が選ばれた。
これまでにない「春」に応援にも力が入る。

22日の開会式リハーサルで行進した膳所の石川唯斗(ゆいと)主将(3年)は「滋賀から初の3校で甲子園を歩けることは名誉あることだと感じた」とうれしそうに話した。
膳所は県内屈指の進学校で、野球部は「文武連動」を掲げる。
データを活用し、効率よく練習していることが選出理由になった。

春は59年ぶりの出場で、前回出場時のエース礒田勝夫さん(76)は「(出場を知って)跳び上がるほどうれしかった」。
今年は創立120周年。「節目の年に初勝利してほしい」と期待する。

甲子園には約750人の野球部OB会のうち、約700人が訪れる予定。
アルプススタンドでは約800人の生徒がユニホームの左胸にあしらわれた「Z」の人文字をつくるという。
OB会長の淺井(あさい)博さん(72)は「アルプスを膳所カラーの白に染めます」。

同じく進学校で、昨夏に続く甲子園となる彦根東は、武具を赤で統一した彦根藩主井伊家の軍装
「井伊の赤備え」にちなみ、アルプスを赤色で埋める予定だ。
野球部OB会長の武田益利さん(76)は「応援グッズも約5千個調達したし、またアルプスを真っ赤に染めたい」と話す。

同じ彦根市にある近江とは1・2キロの距離。互いに3回勝てば県勢対決が実現する。
彦根東の高内希主将(3年)は「近江はライバル。甲子園の舞台で対決できたら最高です」。
両校の新聞部員は出場が決まった時に合同で号外を発行し、彦根駅前で配った。
近江の新聞部局の部長、丸山理音(りお)さん(2年)は「県の高校野球史の最前線にいられたことがうれしい」と喜ぶ。

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