暴力根絶を訴える貴乃花親方(45)の足元で起きた十両貴公俊(20)の付け人暴行流血事件。
19日、貴乃花親方は相撲協会の臨時会合に出席し、「申し訳ありませんでした」という謝罪とともに事情を説明。休場が決まった貴公俊や貴乃花親方らへの聞き取り調査も同日に行われ、29日の理事会で関係者への処分が検討される。

報道陣に対応した貴乃花親方は「暴力はあるまじき行為。相撲以前の問題です。とても深刻」と神妙な面持ちで話した。
貴公俊は18日の取組で土俵下の控えに入るのが遅れ、境川審判部長代理に叱責された。付け人の指示が遅れたことが原因といわれるが、だからといって腹いせに顔面を殴るなど言語道断だ。

これに、ほとほとまいっているのが貴乃花親方だろう。角界の暴力体質をやり玉に挙げながら、弟子が付け人に暴力では説得力ゼロ。結局、自分も弟子を指導できていないじゃないか――と批判にさらされている。
ただでさえ、日馬富士暴行事件での一連の対応や、内閣府への告発状などで、一門やシンパの親方衆が離反。2票しか集められなかった2月の理事候補選が、孤立を物語っている。

ある親方が言う。

「元シンパの親方の中には、『アイツはクソ野郎だ。こちらの話を何も聞きやしない』なんて言う者もいる。貴乃花部屋の弟子からも、『できるものなら部屋を移籍したい』という声が上がっているくらい。
貴乃花一門という名称もなくなるんじゃないかと言われています」

相撲協会には現在、出羽海、二所ノ関、高砂、時津風、伊勢ケ浜、貴乃花と6つの一門があるが、実体は不明瞭。
協会の資料には「いくつかの部屋が集まって、慶弔の利害を共にして互いに協力しあう組合と同じ」とある。要は派閥のようなものだと思えば、理解しやすい。

「一門は理事会などで正式に認知されるものではない。『本当は貴乃花一門なんてない』という重鎮もいるほど。貴乃花一門はかつて、貴乃花グループと呼ばれていた。
それが2014年、北の湖前理事長の『そろそろあそこも一門でいいだろう』という鶴の一声で呼び方が変わった経緯がある。

もともと、貴乃花一門は個々の部屋同士の関係性が薄い寄り合い所帯のようなものだし、一門の実権はすでに先の理事候補選に当選した阿武松親方が握っている。
『阿武松一門』を名乗るのも時間の問題でしょう」(前出の親方)

3/21(水) 9:26配信 ゲンダイ
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