グラビアタレントの稲村亜美が、思わぬ騒動に巻き込まれた。3月10日に東京・神宮球場で行われた日本リトルシニア中学硬式野球協会関東連盟の開幕式で、始球式に登場。すると、参加202チームの中学生らが稲村に押し寄せて、もみくちゃにされるという事態になってしまった。

 その様子の動画がインターネット上に投稿されると、非難の声が多数上がった。中には「集団痴漢」と決めつけたものまであった。

 問題の映像を見てみると、球児たちは当初、稲村とは距離をとって立っていた。それがジリジリと近づき、最後は雪崩をうって稲村のもとへ殺到した。

 稲村は野球経験者で、プロ野球の始球式では“神ピッチング”を見せている。リトルシニアリーグの出身で、今回初めて始球式のオファーを受けたそうだ。

 12日、関東連盟が公式サイトでおわびし、「選手が整列していた場所を離れ、あのように稲村亜美さん目指して殺到した行為は、決してあってはならないこと」と掲載した。

 当の稲村は13日に所属事務所の公式サイトで「ご心配の声を有難くお受けする一方、事実と異なる情報も飛び交っており、困惑もしております」と心境を明かし、“痴漢騒動”については「ネットで一人歩きして書かれてるいような事(痴漢行為)は、ありませんでした」(原文ママ)。

 でも、なぜ中学生たちがこのような行動をとったのか。精神科医の香山リカさんは次のように分析する。

「『そうしたい』というよりは、『後れをとってはいけない』という感じで『我先に』となったのかもしれない。この件が当てはまるとは必ずしもいえませんが、心理学では、普通の人が集団心理で簡単に変わってしまう『ルシファー効果』が有名です。例えば、良識のある人なのに、皆がいじめをしていると同調してしまう。集団の中でどこの誰かがわからない状態となると、急に悪人に豹変してしまう側面が人間にはあるのです」

 年頃に特有の性欲が原因という見方は否定した。

「特に性欲を掻き立てる服装でもなかったわけで、遠くの人は姿は見えなかったでしょう。同調したいという意識が強くなって集団パニックのような状態に陥ったのかもしれません」

 ハプニングに巻き込まれた稲村だが、21日にナゴヤドームでの女子プロ野球開幕戦の始球式に登場予定だ。

(本誌・大塚淳史)

3/21(水) 7:00配信
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180320-00000005-sasahi-soci

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