■3月19日 土俵の熱戦に水を差すかのように、春場所も貴乃花親方(元横綱)の“挑発”ともとれる行動が続いている。
場所前、日馬富士傷害事件に関し日本相撲協会の対応に問題があったとして内閣府に告発状を提出した。

当然、場所中は役員室に詰め気まずい空気の中でも信念を貫いて勤務時間を全うする覚悟ができている、と思っていた。

しかし、4日目までは欠勤。5日目に初出勤したが、2分40秒で退室し7日目に至っては25秒で帰ってしまった。
初場所後の理事候補選で落選したが、まだ役員待遇として約150万円の給料が出ている。浮世離れの最たるもので「日本一楽な高給取り」と言われても仕方ない。

春場所では午前8時半から前相撲が始まっている。警備の親方や若者頭、世話人ら下積みの人たちは「今日も無事に興行を」と早朝から打ち出し後まで働き詰めだ。
99・9%の協会員が各部署で場所を支えているのに、「貴ノ岩の相撲が心配」という不思議な理由で常勤しない貴乃花親方は異分子にしか見えず、下の人たちに示しがつかない。

かと思えば中日18日は午前中に役員室に現れ昼過ぎにはいなくなったという。まさに神出鬼没の勤務。協会の対応次第では逆に付け込んでいく作戦の一つなのか。
しかし、場所後に新理事会がスタートし親方は役員待遇も解かれて“素浪人”になる。孤立は深まるばかりだろう。

八角理事長(元横綱北勝海)とのこじれた関係はどうなるのか。互いにののしり合った米国、北朝鮮の首脳会議開催の可能性が急浮上したように結局はテーブルにつかないと物事は解決しない。
両者が腹を割って話し合えるよう何とか接点を見いだすしか方法はないだろう。 (今村忠)

2018.3.19 05:00
http://www.sanspo.com/etc/news/20180319/amk18031905000001-n1.html