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巨人の石井一夫球団社長は2日、カブスからFAとなったまま所属先が決まっていない上原浩治(42)について、「巨人でやる話があるという前提で言えば、春っぽい明るい話。もし実現するならファンの方に喜んでもらえると思う。具体的なオファー? 聞いていないと言っておきましょう」と言及。獲得に前向きな姿勢を見せた。

 本人はあくまでメジャーでのプレーを第一希望として、「マイナーだったらやめます。(復帰も)今のところは考えてない。日本というのは」と語っていたが、2月28日に自身のブログで「日本からの誘いがあれば、そこにいくことを考えています」と前言を撤回し、日本球界復帰を示唆していた。

 巨人時代の上原は、代理人交渉やメジャー挑戦を巡って何度も球団と衝突した。現場や球団内にいまだに強いアレルギーがあるにもかかわらず、獲得に踏み切るというなら、それ以上に救援陣が不安なのだ。

昨季の救援防御率はリーグ3位の3・42。先発も含めれば3・31で同2位だから、リリーフ陣が弱いことになる。八回マシソン、九回カミネロの前、つまり「七回の男」不在に苦しんだ。7月以降、それまでの防御率が0・71だった西村が「七回」に配置転換されたものの、34試合で0勝2敗、4・58と期待に応えられなかった。

 候補だった西村と池田はキャンプ中に故障で離脱した。高橋由伸監督(42)は今季の勝ちパターンのリリーフ陣について「今のところ、マシソンとカミネロの2人だけ」と話すのみ。他球団のスコアラーも「勝利の方程式は最低でも3人から。枚数が足りませんよね。巨人のキャンプを見ていて後ろの投手が弱いと感じました」と指摘している。

 開幕まで1カ月を切った3月に入っても指揮官が「後ろが2人しかいない」と漏らしている時点で緊急事態なのだ。

「一軍の試合がちょうど1年ぶりになる元セーブ王の沢村が今週末に一軍復帰する。賛成する人間ばかりでない上原をあえて球団が復帰させようとするのも、リリーフ陣が脆弱に映るから。ただ来月43歳になる上原が、キャンプを経ずに加入したところで『七回の男』が務まるのか。懐疑的な声もありますが……」(球界関係者)

 上原でも沢村でもいい。誰か「七回」を投げてくれ――。球団社長は「明るい話」と言うが、実は明るくないチームの窮状とリンクしているのである。

2018年3月4日
日刊ゲンダイ
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/sports/224408/1