今日からオープン戦が始まる。今週末は多数の球団がキャンプを張る沖縄で計8試合が実施され、来週末から本格化、3月25日までに
計105試合が予定されている。しかし、「オープン戦開幕」と聞いて、違和感を感じる人も多いのではないだろうか。すでに、「〇〇、何イニ
ング無失点」、「××、何試合連続弾」など、試合が行われていることを示す報道が、スポーツニュースを賑わせている。


減少傾向にある「オープン戦」

実は、ここ20年で「オープン戦」の数はかなり減っている。20年前、1998年には、今年より22試合多い127試合が予定されていた。しかし、
このことはプロ野球界が、開幕に備えた試合での調整を行わなくなったことを意味するわけではない。むしろ、近年、各球団は実戦重視
の度合いを強めている。

「オープン戦」が減少したのは、日本野球機構(NPB)がとりしきるこの試合形態に代わり、各球団が自己判断で行う「練習試合」などが増
加したためである。例えば、先週、キャンプ地石垣島で台湾球団Lamigoモンキーズと「アジアゲートウェイシリーズ」2連戦を行った千葉
ロッテは、3月中に「オープン戦」16試合を行う予定だが、実際には、このLamigoとの試合を含め、シーズン前にこなす試合数は25。「アジ
アゲートウェイシリーズ」も、チケットを販売する有料試合でありながら、「オープン戦」にはカウントされない。

「オープン戦」ではない「練習試合」のメリットは、その自由度にある。対戦相手は各球団の都合のいいように選べる。近年は、キャンプ地
は沖縄に集約されているので、お互いの便利のいい球団どうしで試合を組むことが多い。興行試合ではないので、コンディションが悪い中、
無理して行わねばならないということにもならない。さらに、ライバル球団に新戦力など手の内を見せたくなければ、韓国の球団も沖縄で
キャンプを張っているので、そちらをパートナーに選ぶこともできる。ルール上の制約も少ないので、イニングの増減もできれば、一度ベン
チに下げた選手を再度起用することもできる。

この「練習試合」に入場料を取ることもあるが、現在のところ原則無料である。そもそもソフトバンクのような「超」のつく人気球団は別として、
平日の「練習試合」のスタンドは閑散としている。チケットを販売しても、そのための諸経費を考えるとペイできないというのが現実だろう。



https://news.yahoo.co.jp/byline/asasatoshi/20180224-00081952/