赤字球団が涌井に隠す“本音”

大リーグを断念し、涌井秀章(31)がロッテに帰る。1月30日に球団が発表した。2月1日から石垣島のキャンプに参加する予定だというが、
なかなか厳しい現実が待ち構えているようだ。

「現役時代からお世話になった井口監督を胴上げするために投げたいという気持ちが強くなりました」

ベテラン右腕らしい、力強いコメントも伝えられた。ロッテファンにとっても“才能流出”の防止は喜ばしいだろう。悪夢だった昨季のリベン
ジを果たすため、涌井を筆頭にチーム一丸となってキャンプイン――。こんな具合にまとめられるのなら、そう書くにやぶさかではない。

しかし実のところ、現状はどんな具合なのだろうか。さる球団関係者は「涌井は崖っぷちに立たされていますし、今季は茨の道ですよ」と
表情を曇らせる。

「大リーグに対するFA行使ですが、アメリカ側は『Wakui?  Who?』というリアクションだったそうです。パリーグ断トツ最下位のチームで
5勝11敗なのですから当然でしょう。それは最初から分かっていたことです。すごすごと帰ってくるのをロッテ側は予測していました。すぐ
に契約して石垣島のキャンプに向かわせましたが、普通ならフロントが強く涌井に期待している証左だと思うでしょう。でも、実情は異なる
のです」(球団関係者)

ポイントは2つだ。1つは球団の「赤字削減策」が徹底されるという動きと、もう1つは17年に最大の理解者にして庇護者だった伊東勤監督
(55)が退任したことだ。順番に見ていこう。

あまりに繊細なメンタル
先の関係者が、赤字の現状について明かす。

「ロッテのような菓子メーカーが親会社だと相当額の宣伝費を計上できます。野球チームも宣伝の一環で、赤字は“必要経費”だと尻拭
いしてきました。しかし2004年に赤字は40億円に膨れあがり、まずは積極経営で黒字を伸ばす方針転換を行いました。結果は成功で、
昨年は赤字を5億円まで縮小させています。そして今季は、いよいよ赤字ゼロが目標なのです。とはいえ集客やグッズの売れ行きだけに
任せるというのも心許ない。今季は高額年俸の選手が不甲斐ない成績だと、相当に風当たりが強くなるはずです。涌井は厳しいプレッシ
ャーにさらされることになります」(同・球団関係者)

昨季、涌井の推定年俸は2億5000万円。これで5勝しかしていないのだから、1勝5000万円という計算になる。よくもまあ、こんな成績で再
び迎え入れたなと感心してしまうが、今季も似たような成績となれば、さすがにフロントの堪忍袋の緒も切れるかもしれない。


では次に、伊東勤氏がロッテを去った悪影響について見てみよう。先の関係者が明かす。

「涌井は身長185センチ、体重85キロ。少なくとも一般社会では大男ですが、ハートは相当に繊細です。西武時代、当時の監督だった渡
辺久信さん(52)と、良好な人間関係を築くことができず、成績も不振に陥りました。その苦境を救ったのが、涌井が西武に入団した際に
監督だった伊東勤さんです。涌井がロッテでそこそこの成績を挙げられたのも、伊東監督に守ってもらっていたからに他なりません」(同
・球団関係者)


デイリー新潮
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180204-00537251-shincho-base