代々木公園は「風致地区」現行の法令上では建設できない。

とはいえ、木村取締役が「まだ確定的なものは何もない」と言うように、プロジェクトは動き出したばかりで、現状ではハードルはいくつかある。代々木公園は建設物の建築や樹木の伐採などに一定の制限が加えられる「風致地区」に指定され、現行の法令上は建設することはできない。例え、民間だけで建設資金が集まったからといってできるものではなく、東京都や渋谷区と協議し、規制緩和などが必要となる。
 
 ただ近年は都市公園法が改正され、公園内にカフェや保育園が建設されるなど公園の活用法が見直されている。行政に働きかける上でも、まずは都民の憩いの場である公園にスタジアムを作るのがふさわしいのかどうか、世論の理解を得ることも不可欠。災害時には防災拠点となるなど、FC東京のためだけではなく、東京都民のためのスタジアムになることが求められる。
 
 まだまだ構想段階ではあることは確かだ。だが冒頭の大金社長の発言は、「クラブは本気だ」という何よりの証。日本を代表する首都クラブへ。壮大なストーリーが始まった。