お笑いコンビ「ウーマンラッシュアワー」の村本大輔による“沖縄発言”の余波が続いている。中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報が、
村本の「(沖縄は日本が)中国から取った」といった仰天発言を取り上げたのだ。沖縄が中国の領土だった歴史的経緯はない。中国は事実誤認の“炎上発言”に便乗して、沖縄強奪の宣伝工作を強化するつもりなのか。

村本の問題発言は、元日未明からテレビ朝日系で生放送された討論番組「朝まで生テレビ!」で飛び出した。

憲法改正と日本の安全保障について、自民党の片山さつき政調会長代理や、立憲民主党の長妻昭代表代行、識者らが議論するなか、村本は「非武装中立」を掲げて、
「なぜ、中国や北朝鮮が日本を侵略するという発想になるのか」「(尖閣諸島は)取られてもいい」などと発言した。

さらに、出演者から「(中国が)沖縄を下さいと言ったら、あげるのか」と問われ、次のように答えたのだ。

「もともと中国から、取ったんでしょ」

この発言を受け、インターネット上は「まるで(中国の)習近平(国家主席)の主張だ」「小学生以下の知識」などと大炎上する騒ぎになった。

沖縄は15世紀の琉球王国時代から、中国の明や清などと貿易して栄え、明治政府のもと、琉球藩を経て沖縄県が設置された経緯がある。

村本も番組後、自身のツイッターで、《明と冊封関係を結んでおり、琉球が明の従属国となる》とのネットの記述を引き合いにして、「これを読んでの咄嗟(とっさ)の拡大解釈でした、反省」と釈明した。

ただ、中国側はこの騒動を見逃さなかった。

人民日報系の環球時報(2日、電子版)が、村本の発言を報じたほか、中国人のネットユーザーから「真実を言って、
小日本の国民にボイコットされない?」「よく言った、もともとは中国のもの」「日本の教育最高」といった投稿が相次いでいる。

 中国は尖閣諸島だけでなく、沖縄全体についても「(沖縄は)明・清両朝の時期には中国の藩属国」
「日本には琉球の主権は無い」といった記事や論文をメディアに掲載するなど、領土的野心を隠そうとしない。

隣国の情報戦に、日本はどう向き合うべきか。

中国情勢に精通する評論家の宮崎正弘氏は「(テレビ朝日が)村本のような素人を起用したことに問題がある。
メディアの姿勢が正されない限り、中国に利用され続ける。

中国は最近、『琉球回収』と豪語し、『沖縄は自分たちのものだ』とうそぶいている。日本人がこうした問題に鈍くなり、反論しないことも、中国が増長する一因だ。
一方的な主張をうのみにしないよう、メディアと教育を改める必要がある」と語っている。

夕刊フジ / 2018年1月5日 17時6分
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