「通年で平常編成となりリスナー定着化が図れる大きなメリットがある。そして、大きな課題である “新規リスナー獲得” のための新番組を、そのナイターオフゾーンに充てたい」。

TBSラジオの入江清彦社長は、今年度をもって「プロ野球中継」を終了することについて語った。ナイターに代わる新番組は鋭意準備中で、来年1月25日開催する広告会社説明会で明らかにすることを明かした。

一方、同局の吉野達也営業統括局長は「10月からスタートした新番組『AI共存ラジオ 好奇心家族』が好セールスで、手応えを感じている。ナイターにとって代わる新番組のセールスに期待は高い」と状況を語っていた。

なお、プロ野球中継は全国ネットだったことから、今回の終了によって今後、各地方局の対応が注目される。吉野営業統括局長は「フランチャイズのあるエリアの局と、そうでない局とでは、プロ野球中継に対する考え方は様々で、地方局とはその対応や新番組の編成などを現在詰めていかなければならない」とも話していた。

また、今年のレーティング結果を振り返って、入江社長は「TBSラジオとしても1.0%を割り込んだまま回復できず、またラジオ全局のSIUも低迷するなど厳しい状況は続いている。特に、ラジオの広告市場も下げ止まらない状況が続いている」としながらも「まだ少数ながら10代20代の若者が『radiko』によってラジオを新しいメディアとして愉しむという反応も増えていることも事実。『radiko』は難聴解消はもとより、エリアフリーに続きタイムフリー機能も拡充し、さらに今年秋に登場したスマートスピーカーにも対応している。一昔前から比べればリスナーにとっての格段に心地よいオーディオ環境が日常にもたらされる訳で、ようやくラジオがメディア間競争のスタートラインに並んだと言える」と期待を寄せていた。

その上で「来年は、ラジオの抱える最大かつ困難な課題である『新規リスナー獲得』のために、グロスのレーティング結果だけに拘らない戦略的なタイムテーブルで新しいラジオの需要を発掘したい」と意欲を見せていた。

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