「貴乃花親方と横綱白鵬の激突みたいに報じると、その瞬間、視聴率がアップするんです」(テレビ局スタッフ)

「相撲道」の貴乃花親方とモンゴル力士たちの頂点に立つ白鵬の土俵外での激突は、お茶の間の興味となっている。

「貴乃花親方は角界のプリンスと呼ばれた初代貴乃花が父で、祖父も関脇までいった。兄は元横綱若乃花だし、親子3代にわたっています。いわば相撲一家。相撲だけで生活してきたから、世間知らずでもある」(相撲記者)

かたや白鵬の父はモンゴルの元レスリング選手で、初の金メダルをとった人。白鵬は15歳で角界に入って、最初はぱっとしなかったが、宮城野親方に育てられた。

「貴乃花の育った藤島部屋と宮城野部屋とではぜんぜん違いますね。貴乃花は相撲というものはこうだよというセオリー通りにやってきた人ですから。ある意味、がんじがらめ。白鵬の師匠である宮城野さんは元幕内竹葉山。前親方は元十両。十両、幕内のところで相撲をとった人とは違うじゃないですか」(宮城野部屋の後援会関係者)

そのため、白鵬は下っぱの頃から他の部屋へ出稽古に行って、学んだという。

「いろんな部屋のいろんな力士と肌でぶつかって、感じて、技も投げ方も研究した。けがをしない方法も誰に教わることなく、研究してきた。そんな中から、批判をあびる立ち会いでのカチ上げも生まれた。でもあくまで技であり違反ではない」(同)

だが、貴乃花部屋の方針は違うという。

「貴乃花部屋は出げいこには基本行きません。親方が力士同士となれ合いになるのを防ぎたいと思っている。相撲界のいわゆる、“かわいがり”について親方は一定の理解は持っているが、暴力は反対です。今回の貴ノ岩が日馬富士に殴られたのも、モンゴル力士たちが、かわいがりを酒場でやったんじゃないか、という疑問も抱いている。ここまで互いにこじれてしまうと、簡単には誤解は解けないと思う」

ある親方はこういう。

「貴乃花親方も、北朝鮮じゃないんだから対話に応じてほしい。ただその根回しを相撲協会がきちんとしなきゃダメ。ファンあっての相撲を肝に銘じて、早く沈静化させるべき」

貴乃花部屋関係者もこうしみじみ言った。

「大相撲はモンゴル勢など外国人力士がいるから人気になっている。サッカーのワールドカップでもそうですけど、日本人力士が強い外国人力士と戦って破るというのは、ある意味、日本人を満足させるんです」

休場が続く貴ノ岩はこれからどうなるのか。

「部屋にこもって何も稽古しなかったらアスリートとしてダメになると思います。貴乃花親方も、貴ノ岩の将来を考えるなら、早く外に出して、稽古をさせないといけないと思います」(前出の関係者)

(本誌・上田耕司)

※週刊朝日オンライン限定記事

12/13(水) 18:19配信
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171213-00000059-sasahi-spo

写真
https://lpt.c.yimg.jp/amd/20171213-00000059-sasahi-000-view.jpg