北朝鮮戦の観衆は2万806人、味の素スタジアムの収容率は約42%

日本代表は9日、E-1選手権初戦の北朝鮮戦で終了間際にMF井手口陽介(ガンバ大阪)が劇的な決勝ゴールを決めて1-0と辛勝した。味の素スタジアムで行われた一戦は、観客2万806人と発表されたが、ハリルジャパン体制では過去最低の数字となっている。Jリーグが発足した1993年以降、日本で行われた代表戦において今回の観客数はワースト何位になるのか見ていきたい。

 日本にとって大会初戦の北朝鮮は、気温7度、土曜日の19時15分に東京の味の素スタジアムでキックオフ。序盤こそ日本がボールを保持して主導権を握ったかに思われたが、徐々に北朝鮮が盛り返し、日本は何度もピンチを招いた。
この日A代表デビューを飾ったGK中村航輔(柏レイソル)がビッグセーブを何度も見せてピンチを凌ぎ、後半アディショナルタイム3分に井手口がミドルシュートを叩き込んで1-0勝利。国内組で臨んだFIFAランク55位の日本は、同114位の北朝鮮に最後まで苦しめられた。

 東アジアの覇権を争う大会の初戦ながら、観客動員は今一つ伸びず、公表された観客数は2万806人。会場となった味の素スタジアムは、Jリーグ公式サイトによれば収容可能人数4万8999人となっており、収容率は単純計算で約42%にとどまっている。

 今大会は海外組への拘束力が生まれる国際Aマッチデーの開催ではなく、国内組のみで臨んだという点を差し引いても、北朝鮮戦の観客数が低調だった感は否めない。実際、ハリルホジッチ体制となった2015年3月以降、ホームゲーム計19試合においてワースト記録となってしまった。
では、Jリーグが発足した1993年以降の代表ホームゲームにおいて、今回の観客数はワースト何位になるのだろうか。

最多は6万7354人を収容したあの試合

 1993年以降、代表チームがホーム扱いで行った試合は計192試合。各スタジアムの収容可能人数に違いはあり、同条件とは言えないものの、1試合平均観客数は4万5212人を誇る。

 6万人超えは計27試合あり、上位13試合はいずれも横浜国際総合競技場(収容可能人数:7万2327人)となった。93年以降のホーム戦最多は、フィリップ・トルシエが率いるなか1999年6月6日に行われたキリンカップサッカー・ペルー戦(0-0)で、6万7354人を記録。GK楢崎正剛、DF秋田豊、森岡隆三、服部年宏、MF名波宏、伊東輝悦、相馬直樹、藤田俊哉、中田英寿、FW柳沢敦、呂比須ワグナーが先発している。

 35試合と最も多く会場として使われた埼玉スタジアム2002だが(横浜国際は2位の27試合)、収容可能人数が6万3700人ということもあり最高は14位。アルベルト・ザッケローニ体制で2012年6月3日に行われたブラジル・ワールドカップ最終予選初戦オマーン戦(3-0)で6万3551人となっている。

 一方、ワースト記録に目を移すと、広島で行われた1994年のアジア競技大会が下位4試合を占めている。最下位はブラジル人のファルカン監督が指揮を執るなか、1994年10月9日に尾道のびんご運動公園陸上競技場で行ったミャンマー戦(5-0)で、1万人を切る7172人だった。