IOC調査 25人のドーピング指摘

IOC=国際オリンピック委員会は、ロシアが国家ぐるみでドーピングとその隠蔽を行っていたとする去年7月のWADA=世界アンチドーピング機構の調査報告を受けて、どの選手がドーピングを行ったかや、組織的な隠蔽が国家主導によるものだったのかどうかを独自に調べるため、スイスの弁護士でIOCのオズワルド理事をトップとする規律委員会と、元スイスの大統領、シュミッド氏をトップとする調査委員会を立ち上げ、調査を開始しました。

このうち規律委員会は、WADAの調査チームによる最終報告書でドーピングをしていたと指摘されたソチオリンピックの28人のロシア選手が、実際に違反を行っていたかどうか徹底的に調べました。
具体的には、選手の検体の再検査や、検体のすり替えの方法が報告書に述べられているとおりに実施可能かどうか専門家に依頼して分析しました。
さらに、選手本人やWADAの調査チームのトップを務めたマクラーレン氏などへの聞き取り調査も行いました。

その結果、規律委員会は「ソチオリンピックでは、ドーピングを行っていたロシアの選手を守るため、国家ぐるみの組織だった隠蔽が行われていて、それが紛れもない事実だとわかる数々の証拠や証言がある」などとしてWADAの調査チームの報告を全面的に支持しました。

そして、これまでに25人の選手のドーピングを指摘し、今後、オリンピックに出場する資格はないと発表しています。

この中には、ソチオリンピックでロシア選手団の旗手を務め、ボブスレー男子で2つの金メダルを獲得したアレクサンドル・ズブコフ選手。

ボブスレー男子4人乗りで金メダルを獲得したアレクセイ・ネゴダイロ選手とドミトリー・トルネンコフ選手。

スキークロスカントリーの男子50キロフリーで金メダルを獲得し、40キロリレーでも銀メダルを獲得したロシアのアレクサンドル・レグコフ選手。

同じく50キロフリーなど3つの種目で銀メダルを獲得したマキシム・ヴィレグジャニン選手。

スケルトン男子で金メダルを獲得したアレクサンドル・トレチャコフ選手。

スケルトン女子で銅メダルを獲得したエレーナ・ニキチナ選手。

スピードスケートの女子500メートルで銀メダルを獲得したオリガ・ファトクーリナ選手。

バイアスロン女子24キロリレーで銀メダルを獲得したヤナ・ロマノワ選手とオリガ・ヴィルヒナ選手、オリガ・ザイツェワ選手の11人のメダリストが含まれています。