トランプ大統領が、20世紀最大の謎と呼ばれる1963年のケネディ米大統領暗殺事件について、CIAが非公開とした機密文書も含め公開していく意向を示して大きな話題になっている。

 史上初の日米間テレビ宇宙中継の受信実験中に起き、大統領が頭部を吹き飛ばされる衝撃映像が何度も放映されたため、日本人にも大きな衝撃を巻き起こした歴史的事件。これまで関連資料の多くが機密だったため、政府の公式見解に反論する書籍や映画がちまたにあふれかえり、「陰謀論」の言葉が広まるきっかけにもなった。

 こうした経緯について、映画批評家の前田有一氏が解説する。

「映画の世界では、この事件はエンタメ、社会派、ドキュメンタリーなど、あらゆるジャンルで扱われてきました。たとえばクリント・イーストウッド演じる、ケネディを救えなかった警護官がリベンジに挑むアクション『ザ・シークレット・サービス』など、娯楽映画の設定として使われたケースもあります。しかし王道は、やはり暗殺の真相に迫る『陰謀論・解明もの』でしょう」

 史実では、事件はリー・ハーベイ・オズワルドの単独犯行とされたものの、オズワルド自身が警察署内で地元のナイトクラブオーナー、ジャック・ルビーにより銃殺。ルビーもまもなく世を去ったため、釈然としない幕切れとなった。

■容疑者はマフィア、CIA、ジョンソン大統領……

「多くの陰謀論映画に共通するのが複数犯行説。陰謀ドラマ仕立ての『ダラスの熱い日』(73年)では、事件後の数年間に18人もの証人と関係者が死亡したと暴露。

全員がこの期間に自然死する確率はほぼゼロだそうで、背後にうごめく巨大組織を示唆しています」(前田氏)

 政府の証拠隠滅を指摘する声も根強く、陰謀論者の間ではマフィアやCIA、後任のジョンソン大統領ら“容疑者”は枚挙にいとまがない。

「有名なのは、泥沼化するベトナム戦争から撤退しようとしたケネディを軍産複合体が始末したという説。解明もの映画の決定版というべきオリバー・ストーン監督の『JFK』でもこの説を採用しています。資料の発掘により近年では否定されつつあるようですが、こうした映画が“定番”として採用したため、今も多くの人が真実と認識しているのでは」(前田氏)

 確かに映画の影響は大きい。CIAの反対を押し切り、トランプ大統領は資料の全面公開で陰謀論を一掃できるか。
http://www.excite.co.jp/News/entertainment_g/20171103/Gendai_424688.html?_p=2

カストロ暗殺あの手この手 CIA、公開文書で判明
 【ワシントン共同】病原菌を仕込んだダイビングスーツや爆薬を詰めた貝殻―。CIAがキューバの故カストロ前国家評議会議長を暗殺するために奇想天外な手段を検討していたことが27日、機密解除された米政府の報告書で分かった。
 CIAがカストロ氏の暗殺を企てたことは知られていたが、今回解禁された報告書ではその手口が詳細に記されている。
 75年作成の報告書によると、CIAに支援された亡命キューバ人武装部隊がカストロ政権転覆を試みて失敗した61年のピッグズ湾事件で、著名弁護士ドノバン氏を通じ、皮膚病などを引き起こす細菌をまぶしたダイビングスーツを贈呈する計画があった。
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2017102801001297.html