米TVの忍者番組、伊賀で撮影…全米で来年放映
2017年10月31日 17時34分
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忍者の演技を撮影するディスカバリーチャンネルの制作スタッフら(伊賀上野城で)

 世界170か国以上で放送する米国の衛星テレビ局「ディスカバリーチャンネル」(DC)の番組制作会社が、忍者を題材に全8回の1時間番組を制作するため、三重県伊賀市で24〜30日、ロケを行った。

 来年5月に全米で放映される上、日本を含む各国でもオンエアされる可能性があり、伊賀忍者を全世界にアピールするチャンスになりそうだ。

 1985年に放送開始したDCは、35言語に翻訳され、4億5000万世帯が視聴する世界最大のドキュメンタリーチャンネル。

 番組名は「ザ・ラスト・ニンジャ」で、米の制作会社「レネゲード83」と、日本側の「フジクリエイティブコーポレーション」(FCC)が共同制作する。
伊賀流忍者博物館の名誉館長で、甲賀流伴党21代目宗家の川上仁一さんがメインキャストを務め、兵役などで心に傷を負った米国人の男女9人が、忍者修行を通じて、自分自身を取り戻すまでを追うドキュメンタリーとなる。

 今春、FCCを通じて伊賀上野観光協会にロケの打診があり、協会側が受け入れを快諾。
カナダで、野生動物を捕獲して食べたり、手足を縛られて目隠しされた状態で小屋から脱出したりする「忍者修行」が撮影され、これをやり遂げた6人が来日。今月24〜28日、伊賀市猪田の猪田神社で川上さんの講義を受けた。

 キャストは既に帰国したが、制作スタッフ約15人は最終日の30日も、伊賀上野城で、イメージ映像の撮影を行った。伊賀忍者特殊軍団「阿修羅あしゅら」メンバーの忍者アクションを、カメラに収めていった。

 協会によると、過去にも海外メディアが伊賀忍者を取材したことはあるが、ほとんどはアクションを中心とした単発の番組で、忍者の精神面に焦点を当てたドキュメンタリー番組は初めてという。
川上さんは「忍者の実像を世界中の人に見てもらえる。精神面を重視した番組内容も楽しみ」と話していた。(山本哲生)