10/26(木) 16:41配信
100坪3階建て豪邸…清宮幸太郎に“坊ちゃん育ち”の不

 26日に行われるドラフト会議。その前日となった25日、清宮は学校を通して「人生で最初で最後の日なので、明日という日を心待ちにしています」とコメントを出した。

 本人もさぞ緊張しているだろうが、それもそのはず。これまでは波風とは無縁の順風満帆な半生を送ってきた。

 父は早大ラグビー部で選手、監督として全国大学選手権を制し、現在はトップリーグ・ヤマハ発動機ジュビロを率いて初優勝を果たした清宮克幸監督。母も慶大ゴルフ部主将と、高学歴で成功者の両親の元に生まれた。

 家は都心部にある3階建ての豪邸で、敷地面積は約100坪。地下には打撃練習ができるおよそ20畳の施設もある。幼少期からさまざまなスポーツはもちろん、ピアノも習い、中学校の英語部で磨いた語学力は、日常会話をこなせるレベルだ。

 まさに「金持ちのお坊ちゃん」。野球でもエリート街道を突き進んできた。U18のカナダ遠征時は母にねだってナイキのシューズを買ってもらったというが、一家にとっては何てことのないエピソードだろう。

 しかし、だからこそ生き馬の目を抜くプロの世界に耐えられるのか。

 敏腕で鳴らした元ヤクルトのスカウト、片岡宏雄氏は「あまり育ちのことは言いたくはないが……」と、こう言う。

「確かに育ちのいい子がプロで活躍したというケースは少ないですね。例えば、田園調布のお金持ちの息子で名選手になれた者がいたかといえば、記憶にない。長嶋一茂、野村克則(現ヤクルト・バッテリーコーチ)は、プロでは結果を出せなかった。そうした意味でも、プロは才能や努力はもちろん、厳しい環境で育ったという下地も重要です。もちろん、昔と今では違うでしょうけど……」

 同じく名スカウトとしてあまたのタイトルホルダーを発掘した故・木庭教氏も、かつて本紙の連載で「私は42年間のスカウト生活で選手を判断する際に技術と同時に家庭環境を大事にした。言葉は悪いが実家が貧乏なら心の中で『これはいい』と思ったものだ。ハングリーさがあるからだ」と話していた。

 清宮は温室育ちの純粋培養。早実ではキャプテンを務め、仲間にも恵まれた。それがプロでは初めての寮生活に加え、年が離れた先輩たちとも付き合うことになる。

 巨人をはじめ、4球団でコーチ経験のある高橋善正氏は「プロ野球選手はメンタルが非常に重要です」と、こう話す。

「多くの選手は清宮を興味津々で観察するでしょうね。プロはみんなが仲良しこよしとは限らない。中には面白くないとばかりに、きつく当たる選手も出てくるはず。経験したことがない寮生活に加え、人間関係でも大きな変化が出てくる。そうしたプレッシャーに清宮が勝てるかどうか。彼は人間性も抜群だという。メディアに対する受け答えを見ても、確かに優しそうな好青年との印象を受ける。家庭環境も恵まれているとなれば、なおさらです。ありあまる才能がありながら、重圧に負けて引退した選手はごまんといる」

 さらに高橋氏は言う。

「金属バットから木製バットに変われば、高校時代は柵越えしていた打球が外野フライになることもあるでしょう。対戦する投手もレベルも跳ね上がる。いわゆるカルチャーショックです。気持ちの強い選手はそこで『なにくそ』と、より熱心に練習し、研究にも力が入る。しかし、自信を失った選手は練習に身が入らなくなってしまう」

 清原、桑田、松坂(現ソフトバンク)といった高卒選手たちは、決して恵まれた家に育ったわけではない。技術だけでは飯が食えないのがプロの世界だ。

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