足で稼いで20年 外国人選手こぼれ話 広瀬真徳

「えっ、広島やソフトバンクはまだプレーオフで一度も戦ってないのか? リーグ優勝してもう何日経過したんだ。信じられない!」

 10月上旬、こう嘆いていたのが米在住のメジャー関係者だ。米国で「10月」といえば、野球ファンが最も熱狂する季節である。今季も公式戦が終了した10月1日の2日後からプレーオフがスタートした。公式戦直後のシ烈なトーナメントとあって、ファンの熱気は初戦から最高潮。ヤンキースがツインズを下した3日のワイルドカードゲーム(地区優勝を逃した勝率上位の2チームが地区シリーズ進出をかけて戦う一戦)以降、現在に至るまで連日盛り上がりを見せている。

 それに比べ日本球界はどうか。9月16日にソフトバンク、同18日に広島がリーグ優勝を決めて以降、ポストシーズンに向けての盛り上がりは下降線をたどるばかり。10月14日になってようやくCSファーストステージが開幕したものの、この時点ですでにソフトバンクと広島の優勝からはおよそ1か月が経過している。さらに両軍ともいまだにプレーオフ初戦を迎えていない。冷静に考えれば明らかに異様であり「間延び」だろう。

 こんな状況だからなのか、最近、外国人選手に日本のプレーオフについて質問すると、口々に批判的なコメントを漏らす。中でもメジャー経験のある某助っ人は先日、CS制の見直しを含め、現在の日本のプレーオフ制についてこう警鐘を鳴らしていた。

「メジャーは日本と同じく2リーグ制(ア・リーグとナ・リーグ)とはいえ、1リーグに3つの地区がある。その地区ごとの優勝チームとワイルドカードで勝ち上がったチームで真のリーグ優勝を決めるのだからプレーオフが必要だ。でも、日本は1リーグ内に1地区しかない。そのリーグで優勝したチームが真のチャンピオンである事実に疑いようがない。それなのに再びCSで日本一に向けてのリーグ代表を決めようとするのだからばかげている。日本の野球ファンがなぜこの制度に異議を唱えないのか全く理解できない。大半の外国人選手は今すぐCSをやめて、公式戦終了直後に日本シリーズで日本一を決めた方がいいと思っている。このままでは公式戦でのリーグ優勝の価値が下がる一方だからね」

 2004年にパ・リーグで産声を上げたCS。以来、消化試合を激減させるなど興行面では一定の“功績”を残してきたことは紛れもない事実だ。だが、助っ人が言うように客観的に見れば「おかしなシステム」であることは否めない。

 リーグ優勝から日本シリーズまでの期間を含め、CSには見えない弊害も多い。助っ人の気持ちを代弁するわけではないが、日本球界もそろそろ不可解なポストシーズンを再考する時期に来ているのかもしれない。

2017年10月18日 16時30分 東スポ
http://news.livedoor.com/lite/article_detail/13765367/