日系の英国人作家カズオ・イシグロ氏(62)が今年のノーベル文学賞受賞者に決定してから一夜明けた6日、受賞には至らなかった日本の作家・村上春樹氏(68)について、文芸評論家の川村湊氏は「村上さんの受賞は遠のいたと思います。少なくとも7、8年後でしょう」と分析した。

 昨年の著書「村上春樹はノーベル賞をとれるのか?」でイシグロ氏受賞の可能性を明記していた川村氏は「驚きはないですね」と感想を述べながら「村上さんも受賞を争ったと思いますけど、スウェーデン・アカデミーは昨年、ボブ・ディランを選んで一部で批判されたので、今回は文学の王道たるイシグロさんを選ぼうと思ったのではないでしょうか。世界的には村上さんはエンターテインメント作家と見られています」と選考経過を読む。

 ノーベル文学賞は、国籍や言語によって「持ち回り」の周期があるとされる。川村氏は「続くことは過去に一度もありません。今回、23年ぶりの日本出身作家ですから、日本人作家は当分ないでしょう」とみている。アジア人としても、直近の受賞は2012年の中国・莫言氏。その前は00年の高行健氏(中国)。昨年のディランは米国人として23年ぶりの受賞だった。

 イシグロ氏は、ロンドンの出版社で2度目の会見に臨んだ。親友でもある村上氏の名前を挙げて「他の偉大な作家が受賞していないのは少し罪悪感を覚える」と複雑な胸中を吐露しながら「ディラン、私となったので、次は春樹さんに取ってほしい」と期待を口にした。

 三浦春馬(俳優。イシグロ氏原作のドラマ「わたしを離さないで」に出演)「独自の世界観の中で命の煌(きら)めき、希望を持つことのかけがえのなさを学ばせていただいたことを懐かしく、そしてあらためて光栄に感じます。これからも作品たちが、世界中の人々に愛され続けることを願っています」

10/7(土) 7:03配信 
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