サッカー評論家としてはすっかり信用のなくなったセルジオだけど
異邦人として日本のスポーツを見る時はいいことも言ってくれている


◆2011年9月10日 NHK「ニュース深読み〜スポーツ選手の夢と現実」より

そもそも企業っていうものは、そこでスポーツをやるための場じゃない。
だから不況になればあっさり最初にスポーツ部門を切り捨てる。

ヨーロッパは企業ではなく地域が公費でスポーツを支えてる。
ドイツのレバークーゼンは人口16万人だが、13種目のスポーツが楽しめる
総合スポーツクラブがあり、すべて地域が維持している。

収入源は一万人の会員が支払う年会費(ひとり年2万円)と地域の
プロスポーツチームの収益。
ここから34人の五輪メダリストが出ていて、その人たちが引退後指導者となり
地元の人間を高いレベルでコーチしている。市民はクラブのリハビリ施設を
自由に使えるため地域の医療費も大きく減り、地元企業も収益を寄付している。


日本で地域クラブが定着しない理由は、ひとつは地域自治体が金を出さないこと。
そして中学や高校に入学した段階で子供が辞めてしまうこと。

日本では10代の選手が参加する大きな大会の出場資格は、「学校単位」に
限られてしまっている。だから地域クラブでいい選手が育っても、中学になると
学校の部活に「移籍」しなくてはいけなくなる。コーチがいい選手を育てていても、
中学に入ったところでその指導がプツンと切れてしまう。