NHKは7日までに、2015年に元社員による巨額の着服事件が発覚した子会社「NHKアイテック」(東京都渋谷区)について、同じ技術系子会社の「NHKメディアテクノロジー」(同)と合併させる方向で調整に入った。複数のNHK幹部が明らかにした。

 NHKの上田良一会長は同日の定例記者会見で、アイテックについて「メディアテクノロジーも含め、現状の業務体制や組織にこだわらずゼロべースで検討する」とした上で、「2社の事業統合も含め、具体的な検討を始めた」と述べた。これに関連し、NHKの複数の幹部は2社が合併に向けた協議に入ると明らかにした上で、「合併で経営効率化を図るとともに、不祥事防止への意識改革も徹底する」と語った。

 アイテックは放送・通信設備の保守などを行う総合技術会社。NHKは15年12月、社員2人(当時)が実体のない会社に架空発注を繰り返し、計約2億円を着服していた疑いがあると発表した。高市早苗前総務相は今年7月、アイテックを含めた子会社のあり方の抜本的見直しに触れ、「8月中に具体案を示してほしい」とNHK側に求めていた。【犬飼直幸、屋代尚則】

9/8(金) 6:40配信
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