パウリーニョ加入について、弊紙ムンドデポルティーボのアナリスト、ロボ・カラスコは「リスクがある選手」と分析しているが、別のアナリストであるビクトル・ムニョスは、「システムに変更はない」とそれぞれの見解を述べている。

 カラスコはパウリーニョを評価するうえで、元FCバルセロナ所属のエドガー・ダーヴィッツに例えた。当時のチームに粘り強さを求めたフランク・ライカールト監督が、2003−2004シーズンの冬の移籍市場でユヴェントスから6カ月のローン移籍で獲得した選手である。

「中盤に多くのテクニシャンを抱えるバルサが、プレスやカバーのために運動量が豊富な選手を探していたのは理解できる。しかも、パウリーニョはボールの扱いにも不自由がないブラジル人選手だ。今回の獲得は、ライカールト時代のバルサにバランスをもたらしたダーヴィッツと同じようなアイデアだと思う。当時のライカールトも就任1年目だったが、バルベルデの場合は、まだシーズン開幕前という違いがある」

 パウリーニョ加入のメリットについて、カラスコは次のように考えている。「常にチームプレーに徹し、セルヒオ・ブスケツのサポートができる選手だ。空中戦の強さや2列目からの強烈なシュートもあるので、4試合か5試合に1ゴールは決めることができるだろう。チーム内のポジション争いが激化し、各選手の出場時間はさらに均等化されるはずだ」

 しかし、その順応性に対する疑問もあるという。「これまでに在籍したクラブやブラジル代表の戦い方を見ても、バルサのようなスタイルでプレーした経験はないため、パウリーニョの獲得は大きなリスクを伴うものだ。タイプの違う選手を挙げるとするならば、レアル・マドリードのイスコが良い例だろう。彼は試合中の走行距離は少ないが、観客を楽しませることができる。中国でプレーしていたパウリーニョは、高いレベルが求められる舞台に戻ってきた。自身の持ち味全てを発揮しなければいけない」

別のアナリスト、ビクトル・ムニョスはパウリーニョを高く評価している。「攻守において、良いディフェンシブハーフである。華やかなスター性こそないが、彼のブラジル代表でのパフォーマンスを見れば、バルサでは常にブスケツと並んでプレーする重要な選手になるかもしれない。相手エリア内でのプレーはブスケツ以上だろう。またブスケツのサポートもできる。完璧な選手だ」

 ムニョスは、パウリーニョの加入がシステムに影響を及ぼすことは無いと考えている。「バルサのシステム変更は考えられない。バルベルデにとっては、中盤で違ったバリエーションを持つために必要だった選手である」

 両アナリストは、4,000万ユーロ(約52億円)という移籍金については触れていない。これからネイマールの代わり・・・観客を魅了するような選手を獲得したとき、改めてこのパウリーニョの移籍金を評価すべきだと考えているようだ。

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