早実の清宮幸太郎の夏が終わった。西東京大会の決勝が30日、神宮球場で行われ、早実は東海大菅生に2−6で敗れて、2年ぶりの甲子園出場の夢は、あと1勝のところで断たれた。清宮は1本ヒットは打ったが、期待された高校通算最多記録を更新する108本目は記録することができず、守りで手痛いミスを犯すなど精彩を欠いた。

試合後、清宮は、注目の進路についてプロなのか、早大進学なのか「考えていない」と明言を避けたが、ヤクルトのスカウトの責任者として古田敦也氏らを獲得した名スカウトの片岡宏雄氏に、清宮の3年間を総括する評価を聞いた。
 
「決勝では、緊張、力みがあったのか。8回裏、初球の高めのスライダーを大ファウルにしたが、本来ならば、本塁打に仕留めなければならない失投だった。6回裏のキャッチャーフライもそう。コントロールミスの逆球だった。

だが、高校生のバッティングとは、そういうもの。順調に来ていたが、順調でないといえばいいのか。一度も走者を置いた場面で打席に立たせてもらえなかった。東海大菅生のバッテリーの戦略がズバリとはまった。早実も打線の組み替えなどの対策を打っておくべきだったのだろう」
 
 片岡氏が指摘したのは8回一死走者ナシの場面。清宮は高めに入ってきた初球の126キロのスライダーを捉えたが、ライトポールの右に切れた。清宮は、続く外目のボールを引っ張ってライト前ヒット。これが高校生活最後の打席になった。

 清宮は、今大会6試合、18打数9安打で打率.500、4本塁打、2二塁打、1三塁打、10打点、9四死球の成績だった。4本の本塁打のうち2本は、逆方向の本塁打。そして三振はゼロだった。

「清宮は3年で成長した。最後の夏に三振ゼロ。ボールを振らなくなった。選球眼がよくなった。ボールの待ち方がよくなり、下半身が安定している証拠だと思う」
 
 片岡氏の目を引いたのは、準決勝の八王子戦で左中間にライナーで叩き込んだ高校通算最多タイ記録に並ぶ107号だった。

「彼のすべてのホームランを見たわけではないが、107本目のアーチは、彼の高校ベストアーチの1本じゃないか。インサイドを攻められたあとに、外角低めのプロでも難しいようなチェンジアップを打ち損じすることなく捉えて、しかも柵越えさせた。

おそらく狙っていたのだろうが、狙うと力んで開いたり、上半身が力むもの。だが清宮は、綺麗にためてゆったりと打った。1年の頃は、衝突の出会い頭のようなホームランが目立ったが、あの打ち方は木のバットで通用するバッティング。

スイングの質が3年になって飛躍的に良くなった。金属では、テイクバックが小さく衝突するようなバッティングで飛ぶが、木のバットではそういうわけにはいかない」
  
 高卒の野手は、プロに入ってから金属バット後遺症に悩む打者が多く、1軍に出てくるまでに時間がかかるが、片岡氏は、「清宮には、その不安はない」と見ている。

「1年生の頃は、松井秀喜、清原和博クラスには、程遠いと見ていた。松井の高校時代は、パワー、飛距離、バットスイングの速さは、もうプロの中でも上のレベルだったが、堅かった。

それに比べて清宮は、負けないパワーを持ち、しかも柔らかい。逆に、清原が持っていた手首の強さ、柔らかを清宮は持つ。松井、清原クラスだし、彼らのそれぞれのいいところを持った打者と言えばほめすぎか」

つづく

7/31(月) 12:00配信 THE page
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2017/07/31(月) 20:52:54.35
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