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2017/07/27(木) 17:47:44.50ID:CAP_USER9筑波大学と株式会社ドームががっちりとスクラムを組む産学連携は、旧弊でがんじがらめになった大学スポーツの世界に、突破口を開くための“協働戦線”だ。
特大の驚きは7月27日に公式発表された、筑波大学による学内スポーツ改革の陣頭指揮を、ドームの安田秀一代表取締役が執るという事実。アメリカの大手スポーツ用品ブランド「アンダーアーマー」日本総代理店として知られるドームは、実はスポーツを通じた“世直し”を強力に推進しており、カリスマティックなその牽引車こそ安田なのだ。
筑波大学の永田恭介学長は、大好きだと言うサッカーの実例で、人事の重要性を説く。
「うちのサッカー部が2部に落ちたのは、風間さんを失ってからでした。そこから這い上がり、インカレで優勝できた。小井土さんのおかげです」
サッカー部は天皇杯でJクラブを3連破した。
筑波大学蹴球部が関東大学リーグ1部から史上初めて降格したのは、風間八宏(現名古屋グランパス監督)の川崎フロンターレへの転出という、優れた指導者の流出が一因だった。2015年は2部での戦いを強いられたが、2016年は返り咲いた1部でいきなり2位に食い込み、全日本大学サッカー選手権(インカレ)を制してみせる。風間からひとり挟んで監督に就任した小井土正亮の下で競争力を高め、今年は周知の通り、天皇杯でJリーグ勢を3連破して、大きな注目を集めている。
ドームが仕掛ける一点突破型のイノベーションは、筑波大学が先陣を切る大学スポーツの改革に限らない。スポーツを通じた地方創生を使命とする「いわきFC」もパイオニア的役割を担っている。
「筑波」と「いわき」の共通点は、天皇杯での躍進だけではない。スポーツを活用した大学と地方のイノベーション、つまりは社会的な革新を率先する2つのモデルでもある。
日本のサッカー選手のフィジカルスタンダードを高めていくという、本質を突き詰める挑戦でも認知度を上げる「いわき」が生み出そうとしているのは活気に満ち溢れた街である。それでは「筑波」が踏み出そうとする未来は、どう違うのだろうか?
学生たちの福祉をいかに充実させていくか。
筑波大学の永田学長が一例を挙げながら語ってくれたのは、教育環境のさらなる改善について。つまり学生たちの福祉をいかに充実させていくかだ。
「メンタルの問題って誰が陥ったとしても、おかしくないですよね。これが欧米ですと、気軽に専門家に相談できます。アメリカの大統領には、複数のサイコロジスト(心理学者/精神分析医)が付いているほどです。骨折したら、すぐに治療を受けるでしょ? 同じようなメンタルのケアが、やがて日本でも当たり前になる。当面は安全に、そして安心して取り組めるように整えていく大学スポーツの改革が、一般の学生の福祉もしっかりマネジメントできるようになる学内の意識改革にも繋がっていくだろうと、我々は期待しているわけです」
いまだに時代錯誤の旧弊がまかり通っているという話もあるだろう。安田氏の招聘で加速するドームとの協働は、まずは旧弊による歪みがある体育会運動部にメスを入れる。そこから大学全般を、やがては社会全体を、永田学長の言葉を借りれば「快適に」していこうという試みなのだ。
想像はこう膨らむ。根拠のない偏見や固定観念による歪みや軋みを教育機関から取り除いていけば、もっと暮らしやすく、生きやすい、豊かな世の中になっていくはずだと。
あらゆるリスクを管理して、大学スポーツの産業化を。
筑波大学が8月1日付けで新設する「アスレチックデパートメント設置準備室」のトップに、ドームの安田代表取締役を迎えるという今回の発表は、変革進展への期待を一気に高めるものだ。体育会でこれまで野放しにされてきた健康と会計リスク、さらには法的リスクを大学側が徹底管理し、コンプライアンスを十分に浸透させていくには、専門部局の新設だけでなくしがらみを断ち切れる剛腕が必要となる。
大学スポーツの産業化も、筑波大学は視野に入れている。その意味でもスポーツビジネスの掛け値なしのエキスパートであり、永田学長に言わせれば「餅は餅屋」の安田こそたしかに最適任者に違いない。