大相撲名古屋場所4日目(12日、愛知県体育館)、V39を目指す横綱白鵬(32=宮城野)が幕内貴景勝(20=貴乃花)を寄り切って初日から4連勝。
通算1040勝目を挙げて、元大関魁皇(現浅香山親方)が打ち立てた最多勝利記録まであと7勝となった。

一方で、この日の取組で見せた挑発的な行動が角界内で波紋を広げることに。
審判部からは横綱にふさわしくない相撲として“物言い”がつけられた。

白鵬が初顔の貴景勝を一蹴して全勝を守った。
立ち合いの直後は激しい張り手の応酬。

その後は互いに動きを止めて相手と見合う格好となった。
ここで白鵬は意外な行動に出る。

ぶつかり稽古のように両手を広げながら「来い!」と言って相手を挑発。
本場所の土俵では前代未聞の光景に館内が騒然となるなか、白鵬は飛び込んできた貴景勝をガッチリ組み止めて寄り切った。

取組後は「間がありましたから。攻めるより受けようと切り替えた。あとはつかんで出るだけ。余裕があるから勝つ」と貫禄を漂わせたが…。
取組中に白鵬が見せた挑発的な行動の反響は大きかった。

審判部副部長の山科親方(63=元小結大錦)は「胸を出して『来い!』というのはね。あれはやりすぎだろう。横綱としてどうなのか。
一つ間違えて相手に持っていかれたらどうするんだ」とぴしゃり。横綱としての振る舞いに“物言い”をつけたのだ。

本場所の土俵は一対一の真剣勝負。
初顔の平幕が相手とはいえ、勝負に対しては常に全力を尽くすことが横綱の務めだ。

まして、本場所の取組中に相手を見下ろすような行動を取ることなどあり得ない。
万が一にでも負けるようなことがあれば、綱の権威が一気に失墜しかねない。

一昨年の九州場所に、当時は関脇だった格下の幕内栃煌山(30=春日野)を相手に猫だましを食らわせて批判を受けたことにも重なって見える。
しかも白鵬は優勝38回、通算勝利1040勝の大横綱だけに、余計に波紋を呼ぶことになった。

ただ、今回の取組に限れば白鵬だけに非があるわけではないようだ。
山科親方は貴景勝に対しても「もっと向かっていかなきゃ。相手は横綱。見ている間に手とか出さないと。挑戦者なんだから」と注文をつけることも忘れなかった。

他の横綱陣を見渡せば、この日から鶴竜(31=井筒)が途中休場。
すでに日馬富士(33=伊勢ヶ浜)と稀勢の里は2敗となり、賜杯レースで早くも白鵬が独走態勢を築きつつある。
今後は誰からも文句を言われない“大横綱相撲”でV39と最多勝利記録をダブル達成したいところだ。

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