イタリア1部ACミランからの退団を表明した日本代表FW本田圭佑(31)に新たな難題が浮上した。

現在は欧州クラブを中心に移籍先を選定しており、長期戦も覚悟している。そんななか、ロシアW杯アジア最終予選オーストラリア戦(8月31日、埼玉)に臨む日本代表のメンバー発表までに所属先クラブが決まらなければ、ハリルジャパンから落選する可能性が出てきた。 

 本田は1日に千葉県内で取材に応じた際、去就について「まずはビッグネームが動く。僕(にオファーが来るの)はビッグネームの次くらい。(そのときの)移籍先を全てテーブルに載せて選べれば」と話し「慌てず最後まで粘ってみようと考えています。後悔しないようにしたい」と、慎重な姿勢だった。 

 現在までに欧州やJ1クラブからいくつか“オファー”は届いているものの、本田が納得するような条件を提示したチームはないという。昨季はイタリアでほぼ出場機会がなく、日本代表でもスタメン落ち。選手としての評価は急落しており、再就職でも苦戦が続いている。 

 本田も長期戦を覚悟しているが、所属先がなければゲーム形式の練習ができない。大一番のオーストラリア戦に向けて試合勘に不安が生じかねず、これを解消するため、本田が実質的なオーナーを務めるオーストリア2部(来季3部)ホルンに“練習生”として加入するプランも浮上した。 

 だが、本田の試練はまだまだ続く。無所属のままならば、日本代表に選出されない可能性があるのだ。実際にバヒド・ハリルホジッチ監督(65)は2015年8月に、当時浪人中だった守護神のGK川島永嗣を日本代表に選出しなかった。その理由について指揮官は「残念ながら(所属)クラブを見つけられていない」と説明している。 

 オーストラリア戦に臨む代表メンバーは8月下旬に発表の予定だが、1997年にはMF前園真聖が、V川崎(現J2東京V)移籍に向けたクラブ間交渉が難航。契約満了で無所属になる日が迫っていた。すると、日本サッカー協会は「所属のない選手は代表に選ばない」と通告。幸いにも交渉は合意に達し代表チームに合流できたが、あわやの状態だった。 

 本田の場合はどうか。協会関係者は「例えば日本サッカー協会所属などという形で代表に選ぶことはルール上、可能だと思う。他国の代表でもそういう選手は結構いるから」と話したうえで「あくまで(選手を選考するハリルホジッチ)監督次第だけど」と話した。 

 欧州の移籍期限は原則8月31日。オファーをくれたクラブに対し、本田が結論を先延ばしにすれば、他の選手がその穴を埋めることになり、移籍先の選択肢は狭まりかねない。代表落ち回避のためにも、浪人は避けたいところだが、果たして妥協できるか。

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東京スポーツ 2017年06月26日 16時30分
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