https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170620-00010008-msportcom-moto

7号車トヨタTS050Hybridの小林可夢偉は、木曜日の予選でレコードラップを記録してポールポジションを獲得した。
決勝レースもクラッチトラブルを抱える前までは、盤石なるペースを発揮し、トップを走行していた。

小林がクラッチのトラブルを抱えたのは、レース開始から10時間を経過後に出動したセーフティカーの間だった。
チームメイトのマイク・コンウェイからドライバー交代した後、小林はセーフティカーが周回するトラックに出る
タイミングを信号横のピットレーン出口で伺っていた。

小林はコースインのタイミングを知らせてくれた“マーシャル“を見つけ、いざクラッチスタートをするも、チーム無線で
止められた。それが、後の7号車トヨタが被ったクラッチトラブルの引き金となった。

トヨタのテクニカルチーフであるパスカル・バセロンは、『Eurosport』に対し次のように語っている。

「それまでトップだった7号車は驚くべき問題を抱えていたのだ」

「セーフティカーでコースインのタイミングを見計らっている時、マーシャルらしき人物が7号車トヨタのスタートを促したのだ」

「しかし、ピットレーンの信号はまだ赤だったため、我々は慌てて彼がスタートしてしまうのをやめさせた。それを2-3回ほど
繰り返したと思う。これは全く予想だにしていなかった。そしてクラッチはオーバーヒートしてしまった」

レース後、クラッチトラブルを引き起こした元凶である”マーシャル”の正体が、LMP2クラスのドライバーであるビンセント・
キャピラリーであったことが明かされた。彼が所属するアルガルヴェ・プロ・レーシングのピットガレージは、小林が
セーフティカー中に停車していた場所にかなり近かったのである。

キャピラリーは自身のFacebookに次のように投稿している。

「土曜日のレース中、僕はヘルメットを被ってドライバー交代の時を待っていた」

「僕たちのガレージの数メートル前にトップのクルマ(7号車トヨタ)が止まっていた。僕はそれを励ましたかっただけなんだ。
なんの意図もなくて、ただ励ましたかっただけだった。その時の僕のジェスチャーはスチュワードから違反判定を受けて、
罰金を科された。今思えば僕の行動は不適切だった。後悔している」