UFC史上初の同時二階級制覇を達成し、ボクシングのスーパースター、フロイド・メイウェザー・ジュニアとの“ドリーム・マッチ”構想が実現に近づいているコナー・マクレガー(アイルランド)。この“アイルランドの英雄”が、米『フォーブス』誌の最新「アスリート高額所得番付」入りした。

 6月7日(水・現地時間)に発表された同番付で、マクレガーはサッカーのレアル・マドリードのウィング、ガレス・ベイル(イギリス)と24位タイ。
NBAのカーメロ・アンソニーやマンチェスター・ユナイテッドのズラタン・イブラヒモビッチ、NFLのアントニオ・ブラウン、ボクシングの“カネロ”・アルヴァレスらスター選手より上位になった。

『フォーブス』誌によれば、マクレガーもベイルも2016年に3400万ドル(37億円超)を稼いだという。マクレガーの年収の内、ファイトマネーが2700万ドル、残り700万ドルはスポンサーからえる収入などによる。

 2016年度はマクレガーにとって、過去最高に稼いだ1年となった。彼が出場したUFCの3大会すべてが、北米のPPV(ペイパービュー=有料視聴)契約で、100万件を超えており、マクレガーはインセンティブ(歩合)を得ているからだ。

 今年、噂されているメイウェザー戦が実現すれば、昨年以上の高収入となるのは間違いない。ちなみに2015年度は1800万ドルの年収で85位だった。

 現在28歳のマクレガーは、UFC参戦前はアイルランド政府から生活保護手当を受けるほど厳しい生活を送っていた時期もあった。だがUFC参戦後、ほとんどの試合をKOで勝ち続け、フェザー級で10年間無敗の“絶対王者”ジョゼ・アルドも秒殺KOして同王座に就いた。その後はライト級に階級を上げて、日本のDREAMや米ベラトールでも活躍したエディ・アルヴァレスをKOしライト級王座を奪取、UFC史上初の“同時二階級制覇”をやってのけたのだ。まさに“アメリカン・ドリーム”をつかんだ男と言っていいだろう。

 しかし、マクレガーは単に試合で強いだけでなく、記者会見やSNSでも相手に毒舌をふるって挑発したり、アルドとの会見ではアルドのチャンピオンベルトをかっさらってあわや乱闘寸前になったり、予告KOをして実際に実行してのけたりと、つねに話題を振りまき、格闘技ファンのみならず、一般世間の関心をも集めてきた。

 マクレガーがこうした手法を学んだのは、彼が尊敬するボクシング・レジェンド、モハメド・アリからだ。

 アリは試合前に相手を徹底的にけなし、自分はハンサムだ、美しいと自慢し、「蝶のように舞い、蜂のように刺す」という言葉に代表されるようなキャッチフレーズをまるで歌うように口にし、予告KOもして世界中の注目を集め、ボクシングを大金が動くビッグ・ビジネスにしたのである。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170608-00000009-gbr-fight