【球界ここだけの話】

 6570キロ。ここ1カ月でプロ注目のスラッガー、清宮幸太郎内野手(3年)ら早実ナインが
移動した距離だ。5月13、14日に熊本で行われた招待試合を皮切りに週末は春季関東大会の茨城、
招待試合の沖縄、愛知と全国各地を転戦してきた。

 清宮は4日に愛知・小牧市民球場で行われた招待試合、享栄戦の最終打席では節目の高校通算
100本塁打を達成した。平日は授業を受け、合間には中間試験を受けるハードスケジュール。
それでも遠征先では、ダブルヘッダー後に宿舎の屋上で素振りを行うなど、努力を惜しまない。

 4月15日の東京大会準々決勝の駒大高戦(神宮第2)から1カ月半で21本塁打と驚異的なペースで
アーチを量産中。清宮フィーバーが社会現象となりつつある。関東大会の初戦となった5月21日の
花咲徳栄戦では、ひたちなか市民球場に約1万2000人が集まった。2015年夏の茨城大会
準々決勝で記録した8600人を上回る大入り。茨城県高野連の関係者が「前代未聞。今後、
こんなに人が来ることはないでしょう」と振り返るほどの盛況だった。

 関係者が球場に寝泊まりし、駐車場は午前2時45分に開にオープン。超満員のスタンドが、
清宮の本塁打に酔いしれた。

 史上2人目の100号にあと「4」と迫って迎えた3、4日の愛知での招待試合。入場が
無料だったこともあり、3日の会場だった刈谷球場には前日の正午すぎから入場を待つ列ができた。

 清宮は約1万2000人が見守る中、2試合で3本塁打をマークして王手をかけた。場所を
小牧市民球場に移して行われた翌4日の第1試合はノーアーチに終わったが、第2試合の最終打席。
地元の野球少年の「あと一本」コールがこだまする中、右中間場外へのソロ本塁打。絵に描いたような
展開で締めくくった。

 山本大貴(兵庫・神港学園)が持つ史上最多とされる同107本まであと「7」。NHKが
ニュース番組で取り上げるなど、注目度は増すばかりだ。7月8日に開幕する夏の西東京大会を前に
今月16、17日には香川での招待試合が行われる。列島を縦断する“清宮フィーバー”。最後の夏は、
どんなドラマが待っているのだろう。(中田愛沙美)

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170608-00000540-sanspo-base
http://www.sanspo.com/baseball/images/20170608/hig17060813000001-p1.jpg