女子ゴルフの元世界ランキング1位で、26日に所属事務所を通じて今季限りの引退を表明していた米女子ツアー9勝、国内通算15勝の宮里藍選手(31)が29日午後、東京都内のホテルで記者会見した。

 笑顔で記者会見会場に現れた宮里選手は冒頭に「昨年の夏ごろに今季限りでの引退を決意した。残りのシーズンがある。まだまだ頑張りたい」と説明した。現役から退く決断をした理由については「モチベーションの維持が難しくなったのが一番。自分が求めているゴルフができなくなってしまった。理想とする姿がそこにはなかった」と語った。それでも「これ以上ないゴルフ人生だった」と晴れやかな表情で語った。

 国内ツアー大会出場などのため、競技活動の軸足を置く米国から一時帰国中の宮里選手は、6月8〜11日のサントリーレディース(神戸市・六甲国際GC)に出場後に米国へ戻る予定。

 宮里選手は沖縄県出身で、長兄の聖志(きよし)(40)、次兄の優作(36)両選手もプロゴルファー。父の優(まさる)さん(71)の指導で4歳からゴルフを始め、宮城・東北高3年時の2003年には日本女子アマチュア選手権、日本ジュニア選手権で優勝した。

同年9月にあった国内ツアー大会の「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子」(宮城県利府町)を当時のツアー最年少の18歳101日で制し、その後プロに転向。国内ツアーでは04年に5勝、05年には6勝を挙げ、「藍ちゃん」の愛称で女子ゴルフの人気向上に貢献した。

 06年から米ツアーに本格参戦して09年7月のエビアン・マスターズで同ツアー初勝利。10年にはシーズン5勝を挙げ、男女を通じて日本人初の世界ランキング1位にも一時就いた。12年7月のアーカンソー選手権で、日本女子勢では岡本綾子の17勝に次ぐ、米ツアー通算9勝目を挙げた。

【熊田明裕】

毎日新聞 5/29(月) 13:10配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170529-00000046-mai-golf