しかし社会的弱者に当てはまらないから同情を買うこともなく、
見過ごされることで逆説的に弱者となる「弱者男性」がいます

服部氏は、犯行を「6月から計画していた」と供述しており、また、
犯行に用いたナイフは「刃物は(ネット通販大手の)アマゾンで6月に買った」

この6月という時期は、地元の福岡市を出て、神戸市や名古屋市で
アパートも借りず転々とホテル暮らしを続けていた時期と重なります

福岡市で仕事を失い、仕事を求めて北上するも職は見つからず、
地元も離れたため根無し草のようになり、生きる根拠が薄らいでいったストーリー

元同僚の「勤務態度はとにかく真面目で良かった」という評価から見えてくるのは、
生来の犯罪者気質というわけでもない、普通の男性像です

だが男性だからこそ、定職につき経済力を得ること以外に生きる根拠を見いだせず、
孤独になっていった。服部氏はそういう「弱者男性」だったのではないでしょうか