続・嫁がウザ可愛いくて死ぬ
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『お母さんに一応話したら一つの病院ではわからんから、やっぱり他の病院でも見てもらった方がいいって』
『7月は検査の結果聞きに行ったりいろいろあるから、(仕事は)月と水だけ行ってあとはお休みもらうわ』
「結果はいつわかるの?」
『細胞の結果は1週間後』
『だと思う』
『なんとなくリンパの方にも来てるっぽい。痛い』
『こんなことってある?』
活字だけだとどんなテンションで書き込んでるかはわからないけど、きっとこの時は一人で不安だっただろうと思う。
この後すぐくらいに電話をかけたら、まだ電話出来ないとのことで
夕方にかけ直した時はもう家に帰っていたけど、疲れて寝ていたみたいでなかなかはなせないでいた。 ごめんなさい、今日はここまでで終わります。毎日更新できないかもしれませんが、ゆっくりお付き合いください。では。 >>103
>>104
俺も去年のこと振り返ってたら泣きそうだった。
>>105
と、思うやん? こんばんは。
昨日の続きを少しだけ書いていきます。 『とりあえず検査の結果が出るまではわからんから。俺がついてるからね。』
「ずっと泣いてる」
『大丈夫』
「でも、ドラマで見るみたいなやつだった」
「うにょうにょした」
「今日針刺したからお風呂ダメみたい」
『針刺されてうにょうにょってこと?』
「違う」 「マンモグラフィー見たんだけど時のかげ?」
「がんっぽいなーって」
『取れば大丈夫』
「なんかドラマであるやん。白いかげわかりますか?みたいな」
「これ転移してそう」
『結果聞きに行く日、明けだから一緒に行くからね。』
「10時20分から」
「その日は電車で行く」
「今日は雨だったから車にしたけど」
「すっごいぶっとい針だったんだよ」
「ストローくらいの」
『注射嫌いなのに可哀想に。まずは気分転換に30日は楽しもうね。』
この、30日というのはナイターを観戦することになっていた。
少しでも気が紛れたらいいな、そんな気持ちだった。 そういえば、嫁が病院に行きたいって言う前に、虫が知らせたのか両方の親を連れて野球観戦に行ったんだよ。その時にすごく楽しそうにしてたから、また連れてってやりたいなと思っていた。 この日の試合は残念ながら阪神のサラヨナラ負けで終わった。
帰りに繁華街まで出て、いつも行く焼き鳥屋で残念会をした。
勝ってたら酒ももっと美味く感じたんだろうけど、それでも嫁と外で一緒に飲む酒は美味かった。
嫁も喜んでなんでも美味そうにくってた。 この頃は俺も仕事が立て混んでいて家を空けることが多く、よくLINEでやり取りしていた。
一人で病院に行った日に嫁からこんなLINEが来た。
「検査とかでこれからお金かかるねごめんね」
『そのためにお金はあるからいーのさ。嫁さんの身体が一番大事だからご飯はしっかり食べんとね。気分転換も必要だからね。』
このLINEに対して
「ちんぽってこと?」
「お腹いっぱい食べた」
と返ってきた。
突然のちんぽにこちらも負けまいと
『金たまあげる』
と返したら
「それはいい」
と断られた。
このやり取りだけが未だに謎だ。 検査の結果が出る日の前日は
「明日は美味しい物食べてからすみっコちゃんのぬいぐるみ買う」
とLINEが来た。
『頑張ったらね』
「頑張るよ」
「お願いね」
「絶対お願い!」
「明日楽しみになってきた」
結果を聞くだけに頑張るもクソもないけど、これで少しでも気持ちが楽になるなら安いもんだと思った。 検査結果を聞きに行く当日
また夜勤明けだった俺は嫁と病院で待ち合わせた。
俺の方が先に着いて、入り口近くで待っていると正面から嫁が小走りで手を振って駆け寄って来た。
「お待たせ〜早かったね」
まるでデートの待ち合わせのような感じで、普段と何も変わらなかった。
この日も相変わらずたくさんの患者で混雑していた。
待合のソファーに座って順番を待つ。
受付をしてからだいぶ経った頃にやっと嫁の番号が表示された。 診察室に入り、嫁が先生の前にある椅子に腰をかけると、先生が神妙な面持ちで話はじめた。
俺は立ったまま話を聞いていた。
ここ数年、人間ドックを受けていて何の異常も見られなかった嫁の身体の中で成長していたもの。
……その正体は、乳がんだった。 「検査の結果、残念ながら乳がんでした」
先生にはっきりそう言われて、やっぱりそうか…と思った。
先生が乳がんについて一通り説明した後に
「もしかしたら脇のリンパにも転移しているかもしれません」と言った。
嫁は不安そうに
『これって…治るんですか?助かるんですか?』
と聞いていた。
先生は真っ直ぐ嫁の顔を見て
「私達は完治を目指すだけです」
と強く言った。
また詳しい検査をして、どのタイプのがんかわかったそのがんに合わせた治療や投薬を始めるとのことで、その薬がよく効くとも言っていた。 お待たせしました〜。(待ってる人いるのかなw)ちょこちょこ続き書いていきます。 この病院で治療してもいいように思えたけど、手術件数の多い名医がいる病院へ移るという、いわゆるセカンドオピニオンを申し出た。
先生は少し残念そうではあったけど、紹介状の手続きをすると言ってくれた。
すぐ用意しても今日の夕方になるとのことで、取りに来るのはまた後日になるから受け取りに来る部屋を案内しますと言われ、一旦診察室から出て待つことになった。 診察室を出ると気づいたら俺は泣いていた。
なんで嫁なんだよ……。何も悪いことしてねぇのに。がんになってもいいような奴なんて他にいくらでもいるだろうに……なんで……。
悔しくて悔しくて涙が次から次へと頬を伝った。
待合の隅に置かれた椅子に腰をかけた時に、俺が泣いているのに気づいた嫁が驚いて声をかけてきた。
「えっ…なんで泣いてるの?」
もう何も言えなくて、ただ首を横に振っただけでそのまま泣き続けた。 しばらくして看護師さんがやってきた。
スっと嫁が立ち上がってそのまま2人は先に歩き出した。
俺も少し感覚を空けて2人の後をついて行くような感じで歩いた。
すると突然、看護師さんが振り返った。
俺が泣いているのを見てそのまま嫁と二人で歩いていった。
嫁が看護師さんになにやら謝っているのが聞こえた。
告知されたばきりなのに取り乱すこともなく、案内された部屋でもキチンと受け答えをしていた。
諸々が終わって会計を済ませて病院を出た。
嫁と手を繋いでそのまま黙って駅に向かって歩いた。
『一緒に乗り越えような』
この時はこれを言うのが精一杯だった。
この時、告知されてから初めて嫁が涙を流した。
『泣くのは今日だけだよ。頑張る気持ちがないとダメだから……』
まるで自分にも言い聞かせるように嫁にこう言った。
嫁はすぐに気持ちを切り替えて
「お昼何食べようか?」
と明るく聞いてきた
『なんでもいいよ』
その瞬間、信号が青に変わった。
手を繋いだまま、また黙って歩き出した。
2人の明日へと向かって歩く、そんなようにも思えた。 転院初日
この日もまた夜勤明けだったため、嫁と病院で待ち合わせて診察に付き添った。
紹介状のおかげか受付はスムーズに済んだ。
その後はしばらく待たされてから嫁の番がやってきた。
嫁の担当医は女医さんだった。
初診で担当した人がずっと診ることになるらしい。
ここでも、前の病院と同じように
がんについて何か調べたかなどを聞かれた。
胸のしこりは乳がんで、もしかしたら脇にも転移してるかもしれないことを伝えると
今からエコーを取って脇にも針を刺してリンパにがんがあるかどうかを調べる検査をすると言われた。 おはようございます。続き楽しみにしてくださっている方ありがとうございます。のんびりな更新で申し訳ないですが、今日もちょこちょこ書いていきます。 エコーをする時はカーテンで仕切られて中は見ることができなかったけど、先生と嫁の会話だけは聞こえてきた。
最初に聞こえてきたのは先生の
『5センチは…ありますね……』
という言葉だった。
嫁はこんなに大きくなるものなのかとか、そんなようなことを聞いていたと思う。
先生曰く、去年のマンモの画像だと、がんがあるかどうかはわかりにくいとのことだった。
不安で色々聞く嫁に、落ち着かせるように
『まだこのがんがどんな性格かわからないんだけど、もしかしたらゆっくり進む悪さをしない薬が効く大人しいタイプのがんかもしれないし、もしかしたら悪さをするタイプのがんかもしれないし……』 こんなにがんが大きくなって助かった人はいるのか、と嫁が先生に尋ねると
『あのね、他の臓器に転移してるかどうかがポイントになってくるんだけど…転移していなかったらステージ3、がんは完治します。転移してたらステージ4でがんは治らないの。ずっとがんと付き合っていくっていう感じかなぁ。』
完治するかしないか、ふたつにひとつ……。それはまさに神のみぞ知るといったところだろうか。
続いて脇にも針を刺して検査をした。 検査が終わってこれからのことを色々説明された
『やっぱり脇にもしこりありますね。がんが大きくなってるのでまずは抗がん剤の治療が先になります。半年かけて治療したあと手術をします。』
『あとは、今日やったよりもう少し詳しいエコーを撮るのとPFTという全身を検査するCTみたいなものをやります。その結果では転移してるかどうかはわかりますが、どんながんかはまだわかりません。でも、抗がん剤の治療は進めることはできます。』
「全部……出来るだけ早くお願いします」
『わかりました。それでは検査の予約お取りしますね。』
『ではまず、明日の15時にエコー、今週の金曜日にPETの予約を取りました。来週の火曜日には結果が出るので旦那さんとお越しください。』 >>139
ですね……。人間ドック受けててもこれですからね。結局はセルフチェックでがんが見つかったという方の方が多いみたいです。
ちゃんと『乳がん検診』というものを受けていたらこうはならなかったんだろうかと悔やまれます。 >>140
www こらww でも言いたくなりますよね。ホント。ガーンですよ。全くその通り。でもこれ他のがん患者の人には言わない方がいいですよw 失礼しました!
今日はたくさん読めるのかなぁ…ワクワク なかなか来れなくて申し訳ないです。今日ちょこちょこ書いていけたらいいなぁ。 もういいから結論だけ書いてよ
どうせ嫁ちゃんが書いてるんだろ
もし本物だとしたら 変なとこで止まったままでごめんなさい!ちょっと体調が悪かったのと用事があってなかなか書く時間と気力がなくて…。待ってくださっていた方、続きが気になる方、コメントありがとうございます。どんなコメントも支えになっていますありがとうございます。のんびり待っていただけるとありがたいです。 色々言われて不安そうな表情を浮かべる嫁に、先生も心配になったのか採血と心電図をする前に看護師さんと話をする時間を取ると言われた。
そして俺たちは面談室に通された。 看護師さんは既に先生から話を聞いていたようで、嫁に優しく今の気持ちを聞き出そうとしていた。
嫁は泣きながら、去年の人間ドックでは異常がなかったこと、こんなに大きくなるまで気づかなかったこと、ステージ4は亡くなった芸能人と同じじゃないか…ということを話していた
嫁の悔しい気持ちに共感をしてくれてはいたが、まだステージ4と言われたわけではないからその話は一旦置いておこうと、どうにか落ち着かせようと言ったその言葉が嫁には引っかかったようでそこからせきをきったように感情をぶつけ出した。 ステージ4でも助かるのかという嫁の問に対して看護師さんは、がんと上手く付き合っていく薬で延命すると濁し濁し説明をしていた。
そして、まだ転移したと決まったわけではないからと嫁をなだめた。
それでも嫁の負の感情は収まることはなかった。
『普通がんって言わたら不安になるのが人間だと思うんですよ。だって……話聞くよとかいっても……』
込み上げてくる涙を必死に我慢しながら続けた。
「しょせん……健康じゃんって。がんじゃないじゃんって……。私の気持ちは私にしかわからないっ!!!このカウンセリングもいらないです!」 嫁の目からはポロポロと涙がこぼれていた。
膝の上に置かれた嫁の手をぎゅっと握った。
看護師さんは謝って、また何かあれば声をかけて欲しいとだけ言って少し悲しそうな顔をしていた。
嫁は不貞腐れたまま頭を下げていた。
俺は看護師さんにお礼を言って手を繋いだまま談話室を出た。 やっとここまで来ました。とても時間かかってしまってすみません。嫁ちゃんの検査の結果は……!?……これから2人はどうなるのでしょうか…?次のお話でわかります。 こんばんは。お待たせしてすみません。コメントもありがとうございます。スレ保守にもなって本当にありがたいです。 看護師さんとのカウンセリングの後、採血と心電図の検査、次の日により詳しいエコー検査、また別の日にPET検査をした。
このPET検査とうのが、がんを検査する方法の一つ(陽電子放射断層撮影という意味)で、
早期発見のため、特殊な検査薬でがん細胞に目印を付けるというのがPET検査の特徴らしい。 PET検査は、がん細胞がブドウ糖を取り込むという性質を利用して、体内にブドウ糖を注射し、しばらくしてからPETで撮影をする。ブドウ糖が多く集まるところにがん細胞があるとわかる、とまぁこんな感じでがんを発見することができるんだ。 ブドウ糖の注射を打ってから、しばらく安静にする時間(1時間くらい?)があって、それから撮影になるから検査全体で結構な時間を要する。
もちろん付き添いは中には入れないから外で時間を潰した。
検査が終わってからは頑張ったご褒美に嫁の大好物の回転寿司を食いに行った。 検査の結果が分かるまでの数日は普段通りに過ごしていたと思う。
検査結果の前日、犬の散歩中に突然嫁が検査の結果がわかったら職場に挨拶に行きたいと言い出した。
『明日結果が分かったらすぐ抗がん剤の治療が始まるんじゃなかったっけ?』
「え…嘘だ……。そうだとしても嫁ちゃんはまだ抗がん剤したくないよ?」
『ダメだよ早くしなきゃ。明日結果が出てすぐ治療できるなら俺はした方がいいと思う。お母さんも同じ気持ちだと思うよ。それからでも職場は行けるでしょ?』
「やだやだ!絶対にやだ!!!嫁ちゃんは普通の身体で行きたいの!!抗がん剤はしたくないの!!!普通の身体のままで行きたい!!普通の身体のままで皆に最後に会いたいの!!うわぁぁん!!」
嫁はその場に地団駄を踏んで大声で泣き叫んだ。
まるで小さな子どものようにしばらく泣いて、その後は2人とも無言で家に帰った。 検査結果当日、嫁は熟睡していないように見えた。
犬の散歩道にあるお地蔵さんに手を合わせていた時も『明日は大丈夫』と声を掛けたけど、不安な気持ちは拭いきれないだろう。
行きの電車の中で少しでも緊張がほぐれるように、坊主頭を触らせてやろうとしたけど嫌がられた。
病院についてからは待合室で座っている時も落ち着かないのか珍しく貧乏譲りをしていた。
嫁の手を握って順番が来るのを待つ。
……ついに嫁の番が回ってきた。 診察室に入ると、名前を聞かれてから
お荷物そちらに置いてくださいねと先生が言った後すぐに
『ではまず気になっていると思うので結果からいいますね』
と続けた。 『検査の結果、臓器への転移はありませんでした。』
この言葉を聞いた瞬間、2人共声をあげて泣いた。
「よかった〜…よかったぁ……。」
嫁は心底ほっとした様子だった。
先生も頷きながら少し涙ぐんでいた。
『臓器の転移は無かったけど、一歩手前のステージ3のCにはなります。これから辛い治療になるとは思いますが、がんばりましょうね。』
と、先生に言われると
「はい!頑張ります!」
と力強く嫁は返事した。 今日はここまでで〜。ここからは闘病生活のお話になっていきます。のんびりお付き合いください。質問などあれば答えられる範囲(ネタバレにならない程度)でお答えしていきたいと思います。 おっ更新されてる!
ひとまず良かった〜〜って感じですね
次も楽しみにしてます >>170
お待たせしました〜。そうですね。ひとまず良かった〜という感じです。ここからは嫁ちゃんが病気と向き合って行く姿を見てやってください。ありがとうございます。 >>171
ヨシヨシ( ,,´・ω・)ノ"(´っω・`。) 嫁ちゃん保守ありがとうございます。今夜あたり更新できたら……も思っています。お待たせしてごめんなさい! PET検査の画像を見ながら先生の話は続いた。
『脇だけじゃなく、他2箇所リンパへの転移が見られましたが、これは放射線治療できるものです』
『やっぱり右胸にはがんがありました。エコーで見た通り5センチの大きなものです。』
先生曰く、もっと前からあったものだと思うとのことだった。
前の病院にマンモトームのプレパラートを送るようお願いしていたそうなのだが、今日発送されたとかで、嫁のがんの詳細がわかるのが結局後日となった。
とりあえず、すぐに抗がん剤の治療が始まることはなくなって嫁はホッとしていた。 先生の話も終わりお礼を言って診察室を出てから、
『うぇい』と言って拳を嫁に突き出した。
嫁も拳を当てて「いぇい」と返してきた。
『嬉しくても笑っちゃだめだよ。ここは苦しんでる人が沢山いるんだから』
と言うと、嫁は静かに
「うん」
と頷いた。
『なんか安心したら腹減ったなぁ??』
「美味しいラーメンが食べたい!」
そんなことを言いながら駅まで歩いた。
ホームで電車を待っている時に嫁を抱きしめて
『これから、一緒に頑張ろうな!』
と言った。
「うん!頑張る!」
と元気いっぱいに嫁は答えた。
「せっかく今月お休み取ってくれたのにごめんね…」
『いいよ!俺、毎日いるから、何するか考えようぜ!』
「なんか元気出てきたね!」
『がんだけどな笑』
帰り道は笑顔が耐えなかった。 いつも保守ありがとうございます。なかなか更新が進まずお待たせして申し訳ないです。楽しみにしてくださっている方がいらっしゃることもとても嬉しく思います。不定期ではありますが、ゆっくり…ゆっくり最後までお話に付き合っていただけると嬉しいです。 あなたのペースでよきかと〜
待ってますが負担にならぬよに! >>192
お気遣い感謝します。
>>193
飽きますよねw ごめんなさい! 詳しい結果が出るまでは、嫁の職場へ挨拶に行ったり、映画を見に行ったり脱毛した時の為の帽子を買ったり、美容院へ髪をバッサリ切りに行ったりとなんだかんだ毎日忙しく過ごしていた。
嫁が脱毛した時に、人からの視線を嫁に集中させないように俺も坊主頭にした。
嫁の母からは「そんなのとまでしなくていいのに〜」と言われたけど、この坊主頭にするという行為は俺にとって一緒に戦っていく決意表明みたいなものだった。 そしていよいよ詳しい結果「がんの顔つき」がわかる日が来た。
おそらく今日から抗がん剤の治療が始まるだろうということで、日記をつけることを提案してみた。
なるべく病状とかその時の気持ちなんかも把握しておきたいという気持ちがあったからだ。
病院の前に日記帳を買いに行った。
『今日は買い物行ったら何買うの〜?』
「えーっとね、ノートとすみっコちゃんと、おやつ!」
『笑笑 おやつ、食べられるかなぁ?』
「食べてもいいんだよ!頑張った人は」
「あ、気持ち悪くならないかってこと?」
『そう』
「大丈夫だよ、きっと。だって食べたいもん!」
『笑笑 そうだね笑』
今日から抗がん剤の治療が始まるとは思えないくらいのんきなことを言う嫁と買い物を済ませ病院へ向かった。 病院に着いて受付を済ませてから嫁に喉は乾いてないか聞くと「今はいらない…」と返事が帰ってきた。
こないだの検査の結果を聞いた時程ではないけど、少し緊張しているようだった。
いつも外に出るとすぐ喉乾いた〜ジュース買って〜というのに、今日は全くねだってこない。
「お茶大丈夫?」と再度確認すると
ストロー付きのが飲みたいけど自販機には売ってないからとのことだってので、売店まで買いに走った。 「あれ?ストローのじゃない……。」
嫁がコンビニの袋を覗き込みながら不満げに呟いた。
『?ストロー?あるよ?』
「そーじゃなくて笑 パックのストローのお茶が飲みたかった…!」
『いーの、これで。飲めるでしょ。』
「じゃあさ。これからは、フタができるストローが付いたやつがいるね!」
『なにそれ。そんなのあるの?』
「うん!あるの!」
『いーりーまーせん。ほら、飲みな。』
「ケチ……。ハゲ…。」
そう言いながら、お茶を一口飲んだ。
そんなことをしていたら、待合にも徐々に人が増えきた。 嫁は落ち着かない様子で両手を握って額に擦り付けてなにやら拝んでいた。
『今日は大丈夫だよ』
と声をかけてもずっと拝み続けていた。
中待合に入ると、こないだカウンセリングをしてくれた看護師さんが向こうの方からやってくるのが見えた。
「あっ!あの人だ。声かけた方がいいかな…?」
『そうだね。こないだはすみませんでしたって声かけてみる?』
そう言うと嫁は看護師さんの顔を見ながら軽く会釈をした。
そしたら向こうも嫁に気づいて「あっ!」と声をあげてから、優しく笑い会釈をしてくれた。
「こないだはすみませんでした。」
『いいのよ、いいのよ〜!全部私にぶつけてくれて!』
笑いながら手を降ってナースステーションの方へ歩いて行った。
「ちゃんとごめんなさい言えた。」
『ん、えらかったね。』
「あの人も嬉しかったかなぁ?」
『そうだねぇ。全部吐き出してもらうのがあの人達の仕事だからね。』
それからしばらく経った頃、嫁の番がきた。 中に入ると先生が笑顔で迎えてくれた。
『こんにちは〜。どうぞそちらへお荷物置いてくださいね〜。あっ、髪切りました?さっぱりと〜!』
『さて、嫁さんのデータ届きました。がんの顔つきですが……』
そう言いながら、ゆっくりとパソコンの画面をクリックする。
ついにがんの顔つきが分かる。
『がんの顔つきは……1〜3まである中の2。真ん中ね。』
「真ん中……」
『そう。よくあるタイプ。』
『進行度は……<の下に=があったから、やや速い?かな。』
『嫁さんのがんの種類は……ルミナルAとBの間。この辺…かな?』
と、紙に書いて丁寧に教えてくれた。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています