続・嫁がウザ可愛いくて死ぬ
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久しぶり過ぎて書き方か忘れてしまったけど、とりあえず色々書いていこうと思う。温かく見守ってくれると嬉しい。 何年か前にびっぷらで「嫁がウザ可愛いくて死ぬ」というスレを立てた者です。あの当時はたくさんの人からの反響があって、まとめにも載せてもらってほんとに感謝しかないです。今ここでお礼を言わせてください。ありがとうございます。 未だにYouTubeのまとめ動画にコメントがあったり(批判的なコメントももちろんあるけど)もっと見ていたかったという方に向けてあれからの事を書いていきます。俺(旦那)目線で。それを踏まえて楽しんでもらえればと思います。 コメントありがとうございます。アンカ指してコメント返すのどうやるんだっけw まぁとりあえず進めていきます。 あの時は専業主婦だった嫁も働きに行くようになった。家のことが疎かになるなら仕事を辞めることという条件付きだったけど、家事と仕事を両立させて頑張っていた。 俺が身体を壊して何ヶ月か休職した時は仕事を掛け持ちして働いていた。文句一つ言わずに。仕事に行けなくなった自分を責めたりもしたけど、そんな時も生きてくれてるだけでいいと言う嫁に心底救われた。 そんな日々を過ごしながら体調もだいぶよくなり仕事にも復帰した。翌年には仕事も軌道に乗り、家も買って犬も飼い、絵に描いたような幸せが訪れた様に思えた。あの日が来るまでは……。 とりあえず今日はここまでで、また明日続き書きます。 乙
youtubeで見て続き探してた
楽しみにみたいと思います >>13
続き探してたとか…!嬉しすぎますありがとうございます。あの時みたいに楽しませられるほっこりスレになるか自信ないけどよかったら見てください。
>>14
乙ありです! 今更なんだけど、このままここに書いていって大丈夫かな? >>17
前回を知らなくても普通に読み物としては…まぁ、多分楽しめるんじゃないかなぁ?知ってたら知ってたで「お、続編?よ!待ってました!」って人と「私このスレ嫌いなのよね…」って人と色々いると思うしそこは自分ではわからんw とりあえずトリップ付けておきます。これ付いてるのが自分です。 >>20
>>6に書いた通りです。それを踏まえて読んで欲しい…すまない。色々思うことあると思うけどそういうものだと思って読んでもらえたら……ありがたいです。 ……何から伝えればいいのか、わからないまま時は流れて……。いやマジでスレ立てたはいいけど何から話せばいいか分からんくなってきたこれ需要ある? >>24
ありがとう。じゃあ、手始めに犬を飼い始めた話でも書いていく。まぁこの話に面白さはひとつもないんだけど一つのエピソードとして読んでくれ。 俺は家を買ったら犬を飼うのが子どもの頃からの夢だった。それを嫁に話したら「え〜、新築でいきなり犬飼うのやだなぁ。嫁ちゃん犬苦手だし、家ハチャメチャにされちゃわない?やだなぁ。」ってあまりいい感じではなかった。 それでもどうしても諦めきれなくて、ペットショップのサイトで毎日仔犬を探してた。そしてある日とうとう俺が探し求めていた仔犬が隣街のペットショップにいるとわかった。昼寝していた嫁を無理やり叩き起して半ば強制的に車に拉致するかたちでペットショップへと向かった。 嫁は最初何がなんだかわからない様子だったけど、車の中で「この子を今から迎えに行くからな?」と写真を見せて説明していくうちにだんだんと不機嫌になっていった。「嫁ちゃんこの犬やだ。臭そう。」「絶対いや!嫁ちゃんは見ない!」普段怒らない嫁が珍しくカンカンになって怒っていたけど俺は無視して車を走らせた。 ペットショップについてからも嫁は腕組みをしてそっぽを向いていた。ガラス張りで仕切られた部屋の中にはたくさんの仔犬達がいて、俺が見ていた仔犬は下の段のところにチワワと一緒に入れられていてそのチワワにちょっかいをかけられていた。(このチワワのウザさうちの嫁に似てるな…)そんなことを思いながら嫁をどう説得するか考えてたんだ。 「ほら、見てみな?可愛いよ。」『フン…臭そう…デカいし…こんなの片手で抱っこできないしお世話する時大変そう。片手で抱けるやつならまだしもさぁ…その…隣のチワワとか…?片手で抱けるやつなら嫁ちゃんだってお世話できるかもしれないけどさぁ?ダックスフンドはデカいし臭そうだから絶対やだ!飼うなら好きにしてでも絶対嫁ちゃんお世話しないからね!フン!』チワワならいいのかよwって思いながらこのチワワもなんか可愛いしケースから出して抱っこさせてもらうことにした。 >>29
すみませんw 割と欲しいものは手に入れるタイプなものでw ケースから出てきたチワワを見て嫁は驚いた様子で『…えっ…?さっきの犬じゃなくていいの…』とさっきまでの怒った感じではなく、少し嬉しそうに聞いてきた。「うん、こっちの方が可愛いかなぁと思ってさ。」「抱っこしてみる?」『(…コクン)』嫁は恐る恐る手を出してそっと抱っこしていた。『ふふ…ふわふわ〜///// 可愛い〜。』『ねぇ見てこの子嫁ちゃんのこと好きみたい。ほら。』さっきまで怒ってたの誰だよw ってくらい嫁の態度が一変した。 「この子、連れて帰ろうか?」『うん、いいよ!そのかわり嫁ちゃんが名前付けたい。もう考えてあるんだ〜。』「いいよw」『名前はイヌちゃん!イヌちゃんは今日からうちの子になるんだよ〜一緒におうちに帰ろうねぇ。』それから手続きをして子犬を持ち帰る紙の箱に入れるまでずっと嫁が抱っこしていた。 一旦このまでで。また後で書けたら続き書いていきます。 嫁の変わり身の早さwww
でも1も探し求めてた割にはすんなり嫁が言った犬に行くあたりお互いキチンと思いあってんのな >>36
それなw やっぱり嫁がお世話することの方が多いだろうからここは嫁を優先するべきかとw
>>37
暇つぶしに使ってくださいw
>>38
可愛いコメントありがとうございます。ハッピーエンドになるのかバットエンドになるのか……どうか最後まで見届けてください。 >>41
ありがとうw お待たせしました。では続き書いていきます。 そんなこんなで新しい家族(犬)も増えて更に賑やかやな我が家になった。
仔犬のうちはトイレを覚えるまで色んなところで粗相するし、ご飯はふやかして食べさせないといけないしでなかなか手がかかる。
あんなに犬を飼うことに反対していた嫁も、ネットで調べたりして躾やお世話にと一生懸命だった。 俺も家を買って犬も飼えて、大袈裟だけど夢が叶った気分だった。嫁は嫁でやりたい仕事が見つかり、転職をして、また1から研修を受けたりして大変そうだったけど、弱音も吐かず夜遅くまで働いていた。
その時は俺も夕飯を作って嫁の帰りを待ったり、出来る限りサポートをした。 無事に研修期間も終わり、勤務時間もパートタイムに落ち着き、慣れないながらも日々の家事と仕事をこなしていた。
月日は流れて嫁にも後輩ができ、教える立場になってますます仕事も忙しくなっていった。
休みの日は寝てることが増えて出かけることも少なくなった。
そして、嫁が転職してから2年目が過ぎようとしたある日のこと、仕事から帰って来た嫁が突然病院へ行きたいと言ってきた。 みてるよー
前の嫁ちゃんから一転、真面目トーンで続きが気になる… >>48
見てくれてありがとうございます
そうなんですよ…ここから一気にシリアスな話になっていくので、しばらくウザ可愛エピソードは出てきませんがどうぞお付き合いください。 前のコメントにも書いたようにここからはちょっと……悲しいお話になっていきます。
なんでこんな浮かれたタイトルにしてしまったんだろうと少し後悔。全然ウザ可愛くねぇじゃんかよ!!と思う方、前の嫁ちゃんのイメージを崩したくない方はここからは読まないことをオススメします。
ここでみなさんにお伝えしたかったことは、変わらないウザ可愛いエピソードもそうなのですが、「人生いつ何が起こるかわならないから今を生きて!」ということです。
反応があればレスはしていきますが更新は夜のいつもの時間くらいに固定していこうと思います。
お楽しみに! >>52
スレタイ通り……ゴクリ…
>>53 こういうレスあるとめっちゃ嬉しいw 人いてもいなくても書いていきます。
……続きを、と思ったのですが、なんかいきなり重い話するのもなんだし、覚えている範囲でウザかわ(といえるかどうかわかりませんが)エピソードを……
久しぶりだならなんか緊張してきたw うちの嫁は風呂が嫌いなんだんだけど、外から帰って来て汗をかいていたとしてもすぐシャワーを浴びずに何故か我慢するんだ。
「痒い〜痒いよぉ〜」
『ほら、汗流しておいで、もっと痒くなっちゃうよ?』
「でも〜……(ボリボリ)」
『早く浴びて来なさい!』
しぶしぶ立ち上がって
「…っるせぇなぁ……お前は俺のなんなんだよ!?」
『一応旦那だわww ほらいから早く浴びて来いよww』
「クソがよぉ〜…」
ちょっと肩を落としながら歩いて行った。
シャワー浴びたら鼻歌うたって出てきてたから気持ち良かったんだろうなw
とにかく入るまでに時間かかる。 前からそうなんだけど、何してるんだろう?っていう行動が多々あって、俺がキッチンの換気扇の下でタバコ吸ってる時に近くの壁に背中をつけて後ろで手を組んでもたれながらジーッとこっちを見てるから「ん?どーした?」 って聞くいたら
「好きな人のこと見ちゃダメなの?」
って、フン!ってしてどっか行ったww
もうこういうのは多すぎるからスルーしてる。 自分は変なことしたり言ったりするわりには俺が何か言ったりすると割と塩対応なことがあって
辛いラーメン食べてた時に
『これ辛っ!かれーなこれ!!』
って言いながらチラッと嫁の方見ても全然反応なくて
何回もしつこく
『いや〜これは辛いっ!嫁さんは食べられないよこれは。辛いわぁ〜!』って言ったらボソッと
「何辛?」って聞いてきた。
『うーん、今まで食べたキムチラーメンの中で一番辛いかなぁ?』
「ふ〜ん?どんくらい?」
『めちゃくちゃ』
「インドだったら?」
『手でたべてる』
「www 熱いじゃん!ww 意味わからんわw」
いや意味わからんこといつも言ってるくせに何言ってんんだよw 嫁は今までゲームなんてしなかったんだけど、急にSwitchを欲しがって、ぷよぷよテトリスってのにハマってた。
「嫁ちゃんサンタさんにぷよテトお願いしようかなって思ってるんだ。お手紙書こうかな〜/////」
『サンタさん腎盂炎で入院してるってさ。』
「えっ……?クリスマスまでに治るよね?」
『それが治らないみたい。手術しなくちゃいけないし。』
「え〜じゃあどうするの?そんなな繁忙期に仕事休んじゃって〜。」
『子ども達のことより自分の身体大切にしてくださいってお医者様に言われたみたいでね。』
「じゃあ嫁ちゃんは手術する前にプレゼントもらおうかなぁ?」
『だーめだめ。12月いっぱいは忙しいって。』
「え〜」 〜数分後〜
「あのさぁ、嫁ちゃんクリスマスにぷよテト欲しいからサンタさんにお手紙書いたら出しておいてね?」
「生徒会の選挙の時も、立候補者のいい所を言うやつあるじゃん?なんだっけ……推薦演説?だっけ。そんな感じてさぁ〜うちの嫁ちゃんは可愛いです〜ってサンタさんによろしく言っておいてね?」
『……』 読み返したら誤字多いw
読みにくかったらごめんなさい。 >>66
wwww
ありがとう!ありがとう!
のんびりいきます。
いや久しぶりだから変に構えてしまってたけど、書きたい時に書きたいこと書きます← >>69
いやぁ、こういうコメントあるとほんとモチベあがりますww ありがとうございます。 前もリアタイで読んでた!
でもバッドエンドなんかね?
だとしたらめちゃくちゃ悲しいんだが
てなわけで更新はよ >>71
どっちかな〜どっちかな〜
>>72
うおおおおお!!!ほんとですか??
ありがとうございます!
スレ完走出来たのはあの時いて下さったみなさんのおかげです。
ほんとにほんとにありがとうございます。 そんなすぐすぐ見てもらってると思わなくて今日はもうこれで終わろうとしていたんですけどどうしよう……。
今回は前みたいに書き溜めしてなくて(まぁ前回も序盤の方は書き溜めてなかったけど)、その時その時で思い浮かんだ言葉で書いてるのでうまく書けるかわかりませんが、せっかくなので少し続き書いてみます。 >>75
そのまんまやんけw
これも嬉しい言葉ですね。ありがとうございます。 突然嫁が病院に行きたいと言った時、嫌な予感がした。
普通の風邪とかなら自分で行くはず……。
『どうした?』
「……嫁ちゃん最近なんか右胸がおかしくて……痒いし痛いの……。」
『どれ…?』
嫁が痛いと言った場所を触ってみた。
普通の胸の感触とは違う、言葉では表現できない感触だ。
『すぐ行こう!どこがいいかなぁ……。』
時間も時間だったし、すぐ診察してもらえそうなとこと言えば行きつけの内科くらいしか思い浮かばなかった。
とにかく急いで病院へ向かった。 病院について受付に診察券を出して
『今日はどうされましたか?』と聞かれた時に
胸にしこりみたいなものがあって痛いのだけどここで診察してもらうことはできるかと尋ねると
奥からいつも親切にしてくれる看護師さんが慌てて出てきた。
その看護師さんは、うんうんと親身になって嫁の話を聞いてくれてた。
一通り話が終わったのか嫁が看護師さんに会釈をすると俺の方を向いて首を横に振った。
看護師さんの話では、うちで診察できないこともないけど産科に行った方がいいと思うとのことで、近所の産婦人科へ向かった。 産婦人科は大きくて待合室もとても広く、至る所にベンチが置いてあった。
評判のいい病院なのか、夕方の時間にもかかわらず結構混んでいてベンチは空いておらず、ギッズスペースにも小さな子どもが数人いて賑やかだった。
問診票みたいなものを書かされて受付へだすと、またさっきと同じようなことを聞かれた。
ここでもやっぱり、診察できないこともないけど乳腺科の方がいいと思いますと言われ
紹介状を書いてもらい翌日にその乳腺科へ行くことになった。 子供ってかわいい?
うるさいしいうこと聞かないし周りに迷惑かけても悪いと思わないし親も大概非常識だしゴミだし 昨日は来れなくてすみません。今日後で書けたら…更新します。今回の話書くまで結構勇気いるというか、どうしようかちょっと迷ってるw 懐かしいと思って調べたらもう8年も前のスレだったのか... うわぁ〜ありがとうありがとう〜!
>>93
自分もちょっとゾッとしました← でも結構最近までまとめに載せてもらっててありがたいなぁ〜と思いました。そして調子に乗って戻ってきましたw お待たせしました。続き書いて行きます。あードキドキする…!www 産婦人科へ行った翌日、俺はあいにく仕事だったため嫁1人で病院へ行くことになった。「朝イチで行ってきなよ。お金いつものとこに置いてあるからね。」心配になって職場からLINEをするとすぐに返信がきた。『見た。今泣いてたとこ。』「ナビに入れてあるからエンジンかけたらすぐ行けるでね。」
このLINEからだいぶ経った9時半頃に
『(´;ω;`)』と顔文字だけの返信があった。
「行けた?」
『まだ家にいた』
『怖い』
「早く行きなさい」
『怖い』9:30
『怖い』9:52
『まだいる』9:53
「行きな」10:23
『来た』10:43
「えらかったね」10:51
『まだ待たされてる』11:17
『いってきた』12:31
『精密検査うけてって』12:34
このLINEを見てすぐに嫁に電話をかけた。 電話の内容はこうだった
しこりは結構大きくなってるということ
去年の10月に受けた人間ドックでは異常はなかったのにこの大きさはちょっとおかしい
ここでも検査できないことはないけど、人間ドックを受けた病院の方が今までの記録もあるしそっちで検査を受けた方がいい
そしてまた紹介状を書いてもらい、その病院の診察の予約を取ってもらった。
予約が取れたのは1週間後。
この日もまた俺は仕事だったため、嫁が一人に行くことになった。 1週間後
予約した病院は総合病院でいつも大勢の患者で混みあっている。
その日も予約したにもかかわらず長い時間待たされたようで
『まだ呼ばれない』
とLINEが来ていた。
仕事ですぐにスマホを見れなかったけど、不安なのか何件かLINEが入っていた。
『前の病院がしこりを左胸と間違えて伝えててなんだかなーって感じ』
『前に針刺してた時は異常なかったみたいだわ。これは異常ないわ。』
この話は嫁が独身の時に遡るんだけど、嫁は昔、乳腺線維腺腫いう良性のしこりができて手術したことがある。
その件もあって数年経ったら検査を受けるように医者から言われていて、その検査をしたのが5年前。その時は異常はなかった。
5年前に異常はなかったんだし、去年受けた人間ドックの結果も異常がなかったからきっと今回のも大丈夫だろう。
そう思ったのも束の間
次のLINEを見て目を疑った。 『やっと終わった……』
『がんかもしれないからマンモ撮るって』
『あとは部分麻酔で針刺して検査するみたい』
その20分後
『マンモ見てもやっぱり悪いみたい』
嘘だろ……何かの間違いじゃないのか
「なんでだろうね」
「こんなに急にでかくなるの?」
『わからない』
淡々とLINEは続いた。 『お母さんに一応話したら一つの病院ではわからんから、やっぱり他の病院でも見てもらった方がいいって』
『7月は検査の結果聞きに行ったりいろいろあるから、(仕事は)月と水だけ行ってあとはお休みもらうわ』
「結果はいつわかるの?」
『細胞の結果は1週間後』
『だと思う』
『なんとなくリンパの方にも来てるっぽい。痛い』
『こんなことってある?』
活字だけだとどんなテンションで書き込んでるかはわからないけど、きっとこの時は一人で不安だっただろうと思う。
この後すぐくらいに電話をかけたら、まだ電話出来ないとのことで
夕方にかけ直した時はもう家に帰っていたけど、疲れて寝ていたみたいでなかなかはなせないでいた。 ごめんなさい、今日はここまでで終わります。毎日更新できないかもしれませんが、ゆっくりお付き合いください。では。 >>103
>>104
俺も去年のこと振り返ってたら泣きそうだった。
>>105
と、思うやん? こんばんは。
昨日の続きを少しだけ書いていきます。 『とりあえず検査の結果が出るまではわからんから。俺がついてるからね。』
「ずっと泣いてる」
『大丈夫』
「でも、ドラマで見るみたいなやつだった」
「うにょうにょした」
「今日針刺したからお風呂ダメみたい」
『針刺されてうにょうにょってこと?』
「違う」 「マンモグラフィー見たんだけど時のかげ?」
「がんっぽいなーって」
『取れば大丈夫』
「なんかドラマであるやん。白いかげわかりますか?みたいな」
「これ転移してそう」
『結果聞きに行く日、明けだから一緒に行くからね。』
「10時20分から」
「その日は電車で行く」
「今日は雨だったから車にしたけど」
「すっごいぶっとい針だったんだよ」
「ストローくらいの」
『注射嫌いなのに可哀想に。まずは気分転換に30日は楽しもうね。』
この、30日というのはナイターを観戦することになっていた。
少しでも気が紛れたらいいな、そんな気持ちだった。 そういえば、嫁が病院に行きたいって言う前に、虫が知らせたのか両方の親を連れて野球観戦に行ったんだよ。その時にすごく楽しそうにしてたから、また連れてってやりたいなと思っていた。 この日の試合は残念ながら阪神のサラヨナラ負けで終わった。
帰りに繁華街まで出て、いつも行く焼き鳥屋で残念会をした。
勝ってたら酒ももっと美味く感じたんだろうけど、それでも嫁と外で一緒に飲む酒は美味かった。
嫁も喜んでなんでも美味そうにくってた。 この頃は俺も仕事が立て混んでいて家を空けることが多く、よくLINEでやり取りしていた。
一人で病院に行った日に嫁からこんなLINEが来た。
「検査とかでこれからお金かかるねごめんね」
『そのためにお金はあるからいーのさ。嫁さんの身体が一番大事だからご飯はしっかり食べんとね。気分転換も必要だからね。』
このLINEに対して
「ちんぽってこと?」
「お腹いっぱい食べた」
と返ってきた。
突然のちんぽにこちらも負けまいと
『金たまあげる』
と返したら
「それはいい」
と断られた。
このやり取りだけが未だに謎だ。 検査の結果が出る日の前日は
「明日は美味しい物食べてからすみっコちゃんのぬいぐるみ買う」
とLINEが来た。
『頑張ったらね』
「頑張るよ」
「お願いね」
「絶対お願い!」
「明日楽しみになってきた」
結果を聞くだけに頑張るもクソもないけど、これで少しでも気持ちが楽になるなら安いもんだと思った。 検査結果を聞きに行く当日
また夜勤明けだった俺は嫁と病院で待ち合わせた。
俺の方が先に着いて、入り口近くで待っていると正面から嫁が小走りで手を振って駆け寄って来た。
「お待たせ〜早かったね」
まるでデートの待ち合わせのような感じで、普段と何も変わらなかった。
この日も相変わらずたくさんの患者で混雑していた。
待合のソファーに座って順番を待つ。
受付をしてからだいぶ経った頃にやっと嫁の番号が表示された。 診察室に入り、嫁が先生の前にある椅子に腰をかけると、先生が神妙な面持ちで話はじめた。
俺は立ったまま話を聞いていた。
ここ数年、人間ドックを受けていて何の異常も見られなかった嫁の身体の中で成長していたもの。
……その正体は、乳がんだった。 「検査の結果、残念ながら乳がんでした」
先生にはっきりそう言われて、やっぱりそうか…と思った。
先生が乳がんについて一通り説明した後に
「もしかしたら脇のリンパにも転移しているかもしれません」と言った。
嫁は不安そうに
『これって…治るんですか?助かるんですか?』
と聞いていた。
先生は真っ直ぐ嫁の顔を見て
「私達は完治を目指すだけです」
と強く言った。
また詳しい検査をして、どのタイプのがんかわかったそのがんに合わせた治療や投薬を始めるとのことで、その薬がよく効くとも言っていた。 お待たせしました〜。(待ってる人いるのかなw)ちょこちょこ続き書いていきます。 この病院で治療してもいいように思えたけど、手術件数の多い名医がいる病院へ移るという、いわゆるセカンドオピニオンを申し出た。
先生は少し残念そうではあったけど、紹介状の手続きをすると言ってくれた。
すぐ用意しても今日の夕方になるとのことで、取りに来るのはまた後日になるから受け取りに来る部屋を案内しますと言われ、一旦診察室から出て待つことになった。 診察室を出ると気づいたら俺は泣いていた。
なんで嫁なんだよ……。何も悪いことしてねぇのに。がんになってもいいような奴なんて他にいくらでもいるだろうに……なんで……。
悔しくて悔しくて涙が次から次へと頬を伝った。
待合の隅に置かれた椅子に腰をかけた時に、俺が泣いているのに気づいた嫁が驚いて声をかけてきた。
「えっ…なんで泣いてるの?」
もう何も言えなくて、ただ首を横に振っただけでそのまま泣き続けた。 しばらくして看護師さんがやってきた。
スっと嫁が立ち上がってそのまま2人は先に歩き出した。
俺も少し感覚を空けて2人の後をついて行くような感じで歩いた。
すると突然、看護師さんが振り返った。
俺が泣いているのを見てそのまま嫁と二人で歩いていった。
嫁が看護師さんになにやら謝っているのが聞こえた。
告知されたばきりなのに取り乱すこともなく、案内された部屋でもキチンと受け答えをしていた。
諸々が終わって会計を済ませて病院を出た。
嫁と手を繋いでそのまま黙って駅に向かって歩いた。
『一緒に乗り越えような』
この時はこれを言うのが精一杯だった。
この時、告知されてから初めて嫁が涙を流した。
『泣くのは今日だけだよ。頑張る気持ちがないとダメだから……』
まるで自分にも言い聞かせるように嫁にこう言った。
嫁はすぐに気持ちを切り替えて
「お昼何食べようか?」
と明るく聞いてきた
『なんでもいいよ』
その瞬間、信号が青に変わった。
手を繋いだまま、また黙って歩き出した。
2人の明日へと向かって歩く、そんなようにも思えた。 転院初日
この日もまた夜勤明けだったため、嫁と病院で待ち合わせて診察に付き添った。
紹介状のおかげか受付はスムーズに済んだ。
その後はしばらく待たされてから嫁の番がやってきた。
嫁の担当医は女医さんだった。
初診で担当した人がずっと診ることになるらしい。
ここでも、前の病院と同じように
がんについて何か調べたかなどを聞かれた。
胸のしこりは乳がんで、もしかしたら脇にも転移してるかもしれないことを伝えると
今からエコーを取って脇にも針を刺してリンパにがんがあるかどうかを調べる検査をすると言われた。 おはようございます。続き楽しみにしてくださっている方ありがとうございます。のんびりな更新で申し訳ないですが、今日もちょこちょこ書いていきます。 エコーをする時はカーテンで仕切られて中は見ることができなかったけど、先生と嫁の会話だけは聞こえてきた。
最初に聞こえてきたのは先生の
『5センチは…ありますね……』
という言葉だった。
嫁はこんなに大きくなるものなのかとか、そんなようなことを聞いていたと思う。
先生曰く、去年のマンモの画像だと、がんがあるかどうかはわかりにくいとのことだった。
不安で色々聞く嫁に、落ち着かせるように
『まだこのがんがどんな性格かわからないんだけど、もしかしたらゆっくり進む悪さをしない薬が効く大人しいタイプのがんかもしれないし、もしかしたら悪さをするタイプのがんかもしれないし……』 こんなにがんが大きくなって助かった人はいるのか、と嫁が先生に尋ねると
『あのね、他の臓器に転移してるかどうかがポイントになってくるんだけど…転移していなかったらステージ3、がんは完治します。転移してたらステージ4でがんは治らないの。ずっとがんと付き合っていくっていう感じかなぁ。』
完治するかしないか、ふたつにひとつ……。それはまさに神のみぞ知るといったところだろうか。
続いて脇にも針を刺して検査をした。 検査が終わってこれからのことを色々説明された
『やっぱり脇にもしこりありますね。がんが大きくなってるのでまずは抗がん剤の治療が先になります。半年かけて治療したあと手術をします。』
『あとは、今日やったよりもう少し詳しいエコーを撮るのとPFTという全身を検査するCTみたいなものをやります。その結果では転移してるかどうかはわかりますが、どんながんかはまだわかりません。でも、抗がん剤の治療は進めることはできます。』
「全部……出来るだけ早くお願いします」
『わかりました。それでは検査の予約お取りしますね。』
『ではまず、明日の15時にエコー、今週の金曜日にPETの予約を取りました。来週の火曜日には結果が出るので旦那さんとお越しください。』 >>139
ですね……。人間ドック受けててもこれですからね。結局はセルフチェックでがんが見つかったという方の方が多いみたいです。
ちゃんと『乳がん検診』というものを受けていたらこうはならなかったんだろうかと悔やまれます。 >>140
www こらww でも言いたくなりますよね。ホント。ガーンですよ。全くその通り。でもこれ他のがん患者の人には言わない方がいいですよw 失礼しました!
今日はたくさん読めるのかなぁ…ワクワク なかなか来れなくて申し訳ないです。今日ちょこちょこ書いていけたらいいなぁ。 もういいから結論だけ書いてよ
どうせ嫁ちゃんが書いてるんだろ
もし本物だとしたら 変なとこで止まったままでごめんなさい!ちょっと体調が悪かったのと用事があってなかなか書く時間と気力がなくて…。待ってくださっていた方、続きが気になる方、コメントありがとうございます。どんなコメントも支えになっていますありがとうございます。のんびり待っていただけるとありがたいです。 色々言われて不安そうな表情を浮かべる嫁に、先生も心配になったのか採血と心電図をする前に看護師さんと話をする時間を取ると言われた。
そして俺たちは面談室に通された。 看護師さんは既に先生から話を聞いていたようで、嫁に優しく今の気持ちを聞き出そうとしていた。
嫁は泣きながら、去年の人間ドックでは異常がなかったこと、こんなに大きくなるまで気づかなかったこと、ステージ4は亡くなった芸能人と同じじゃないか…ということを話していた
嫁の悔しい気持ちに共感をしてくれてはいたが、まだステージ4と言われたわけではないからその話は一旦置いておこうと、どうにか落ち着かせようと言ったその言葉が嫁には引っかかったようでそこからせきをきったように感情をぶつけ出した。 ステージ4でも助かるのかという嫁の問に対して看護師さんは、がんと上手く付き合っていく薬で延命すると濁し濁し説明をしていた。
そして、まだ転移したと決まったわけではないからと嫁をなだめた。
それでも嫁の負の感情は収まることはなかった。
『普通がんって言わたら不安になるのが人間だと思うんですよ。だって……話聞くよとかいっても……』
込み上げてくる涙を必死に我慢しながら続けた。
「しょせん……健康じゃんって。がんじゃないじゃんって……。私の気持ちは私にしかわからないっ!!!このカウンセリングもいらないです!」 嫁の目からはポロポロと涙がこぼれていた。
膝の上に置かれた嫁の手をぎゅっと握った。
看護師さんは謝って、また何かあれば声をかけて欲しいとだけ言って少し悲しそうな顔をしていた。
嫁は不貞腐れたまま頭を下げていた。
俺は看護師さんにお礼を言って手を繋いだまま談話室を出た。 やっとここまで来ました。とても時間かかってしまってすみません。嫁ちゃんの検査の結果は……!?……これから2人はどうなるのでしょうか…?次のお話でわかります。 こんばんは。お待たせしてすみません。コメントもありがとうございます。スレ保守にもなって本当にありがたいです。 看護師さんとのカウンセリングの後、採血と心電図の検査、次の日により詳しいエコー検査、また別の日にPET検査をした。
このPET検査とうのが、がんを検査する方法の一つ(陽電子放射断層撮影という意味)で、
早期発見のため、特殊な検査薬でがん細胞に目印を付けるというのがPET検査の特徴らしい。 PET検査は、がん細胞がブドウ糖を取り込むという性質を利用して、体内にブドウ糖を注射し、しばらくしてからPETで撮影をする。ブドウ糖が多く集まるところにがん細胞があるとわかる、とまぁこんな感じでがんを発見することができるんだ。 ブドウ糖の注射を打ってから、しばらく安静にする時間(1時間くらい?)があって、それから撮影になるから検査全体で結構な時間を要する。
もちろん付き添いは中には入れないから外で時間を潰した。
検査が終わってからは頑張ったご褒美に嫁の大好物の回転寿司を食いに行った。 検査の結果が分かるまでの数日は普段通りに過ごしていたと思う。
検査結果の前日、犬の散歩中に突然嫁が検査の結果がわかったら職場に挨拶に行きたいと言い出した。
『明日結果が分かったらすぐ抗がん剤の治療が始まるんじゃなかったっけ?』
「え…嘘だ……。そうだとしても嫁ちゃんはまだ抗がん剤したくないよ?」
『ダメだよ早くしなきゃ。明日結果が出てすぐ治療できるなら俺はした方がいいと思う。お母さんも同じ気持ちだと思うよ。それからでも職場は行けるでしょ?』
「やだやだ!絶対にやだ!!!嫁ちゃんは普通の身体で行きたいの!!抗がん剤はしたくないの!!!普通の身体のままで行きたい!!普通の身体のままで皆に最後に会いたいの!!うわぁぁん!!」
嫁はその場に地団駄を踏んで大声で泣き叫んだ。
まるで小さな子どものようにしばらく泣いて、その後は2人とも無言で家に帰った。 検査結果当日、嫁は熟睡していないように見えた。
犬の散歩道にあるお地蔵さんに手を合わせていた時も『明日は大丈夫』と声を掛けたけど、不安な気持ちは拭いきれないだろう。
行きの電車の中で少しでも緊張がほぐれるように、坊主頭を触らせてやろうとしたけど嫌がられた。
病院についてからは待合室で座っている時も落ち着かないのか珍しく貧乏譲りをしていた。
嫁の手を握って順番が来るのを待つ。
……ついに嫁の番が回ってきた。 診察室に入ると、名前を聞かれてから
お荷物そちらに置いてくださいねと先生が言った後すぐに
『ではまず気になっていると思うので結果からいいますね』
と続けた。 『検査の結果、臓器への転移はありませんでした。』
この言葉を聞いた瞬間、2人共声をあげて泣いた。
「よかった〜…よかったぁ……。」
嫁は心底ほっとした様子だった。
先生も頷きながら少し涙ぐんでいた。
『臓器の転移は無かったけど、一歩手前のステージ3のCにはなります。これから辛い治療になるとは思いますが、がんばりましょうね。』
と、先生に言われると
「はい!頑張ります!」
と力強く嫁は返事した。 今日はここまでで〜。ここからは闘病生活のお話になっていきます。のんびりお付き合いください。質問などあれば答えられる範囲(ネタバレにならない程度)でお答えしていきたいと思います。 おっ更新されてる!
ひとまず良かった〜〜って感じですね
次も楽しみにしてます >>170
お待たせしました〜。そうですね。ひとまず良かった〜という感じです。ここからは嫁ちゃんが病気と向き合って行く姿を見てやってください。ありがとうございます。 >>171
ヨシヨシ( ,,´・ω・)ノ"(´っω・`。) 嫁ちゃん保守ありがとうございます。今夜あたり更新できたら……も思っています。お待たせしてごめんなさい! PET検査の画像を見ながら先生の話は続いた。
『脇だけじゃなく、他2箇所リンパへの転移が見られましたが、これは放射線治療できるものです』
『やっぱり右胸にはがんがありました。エコーで見た通り5センチの大きなものです。』
先生曰く、もっと前からあったものだと思うとのことだった。
前の病院にマンモトームのプレパラートを送るようお願いしていたそうなのだが、今日発送されたとかで、嫁のがんの詳細がわかるのが結局後日となった。
とりあえず、すぐに抗がん剤の治療が始まることはなくなって嫁はホッとしていた。 先生の話も終わりお礼を言って診察室を出てから、
『うぇい』と言って拳を嫁に突き出した。
嫁も拳を当てて「いぇい」と返してきた。
『嬉しくても笑っちゃだめだよ。ここは苦しんでる人が沢山いるんだから』
と言うと、嫁は静かに
「うん」
と頷いた。
『なんか安心したら腹減ったなぁ??』
「美味しいラーメンが食べたい!」
そんなことを言いながら駅まで歩いた。
ホームで電車を待っている時に嫁を抱きしめて
『これから、一緒に頑張ろうな!』
と言った。
「うん!頑張る!」
と元気いっぱいに嫁は答えた。
「せっかく今月お休み取ってくれたのにごめんね…」
『いいよ!俺、毎日いるから、何するか考えようぜ!』
「なんか元気出てきたね!」
『がんだけどな笑』
帰り道は笑顔が耐えなかった。 いつも保守ありがとうございます。なかなか更新が進まずお待たせして申し訳ないです。楽しみにしてくださっている方がいらっしゃることもとても嬉しく思います。不定期ではありますが、ゆっくり…ゆっくり最後までお話に付き合っていただけると嬉しいです。 あなたのペースでよきかと〜
待ってますが負担にならぬよに! >>192
お気遣い感謝します。
>>193
飽きますよねw ごめんなさい! 詳しい結果が出るまでは、嫁の職場へ挨拶に行ったり、映画を見に行ったり脱毛した時の為の帽子を買ったり、美容院へ髪をバッサリ切りに行ったりとなんだかんだ毎日忙しく過ごしていた。
嫁が脱毛した時に、人からの視線を嫁に集中させないように俺も坊主頭にした。
嫁の母からは「そんなのとまでしなくていいのに〜」と言われたけど、この坊主頭にするという行為は俺にとって一緒に戦っていく決意表明みたいなものだった。 そしていよいよ詳しい結果「がんの顔つき」がわかる日が来た。
おそらく今日から抗がん剤の治療が始まるだろうということで、日記をつけることを提案してみた。
なるべく病状とかその時の気持ちなんかも把握しておきたいという気持ちがあったからだ。
病院の前に日記帳を買いに行った。
『今日は買い物行ったら何買うの〜?』
「えーっとね、ノートとすみっコちゃんと、おやつ!」
『笑笑 おやつ、食べられるかなぁ?』
「食べてもいいんだよ!頑張った人は」
「あ、気持ち悪くならないかってこと?」
『そう』
「大丈夫だよ、きっと。だって食べたいもん!」
『笑笑 そうだね笑』
今日から抗がん剤の治療が始まるとは思えないくらいのんきなことを言う嫁と買い物を済ませ病院へ向かった。 病院に着いて受付を済ませてから嫁に喉は乾いてないか聞くと「今はいらない…」と返事が帰ってきた。
こないだの検査の結果を聞いた時程ではないけど、少し緊張しているようだった。
いつも外に出るとすぐ喉乾いた〜ジュース買って〜というのに、今日は全くねだってこない。
「お茶大丈夫?」と再度確認すると
ストロー付きのが飲みたいけど自販機には売ってないからとのことだってので、売店まで買いに走った。 「あれ?ストローのじゃない……。」
嫁がコンビニの袋を覗き込みながら不満げに呟いた。
『?ストロー?あるよ?』
「そーじゃなくて笑 パックのストローのお茶が飲みたかった…!」
『いーの、これで。飲めるでしょ。』
「じゃあさ。これからは、フタができるストローが付いたやつがいるね!」
『なにそれ。そんなのあるの?』
「うん!あるの!」
『いーりーまーせん。ほら、飲みな。』
「ケチ……。ハゲ…。」
そう言いながら、お茶を一口飲んだ。
そんなことをしていたら、待合にも徐々に人が増えきた。 嫁は落ち着かない様子で両手を握って額に擦り付けてなにやら拝んでいた。
『今日は大丈夫だよ』
と声をかけてもずっと拝み続けていた。
中待合に入ると、こないだカウンセリングをしてくれた看護師さんが向こうの方からやってくるのが見えた。
「あっ!あの人だ。声かけた方がいいかな…?」
『そうだね。こないだはすみませんでしたって声かけてみる?』
そう言うと嫁は看護師さんの顔を見ながら軽く会釈をした。
そしたら向こうも嫁に気づいて「あっ!」と声をあげてから、優しく笑い会釈をしてくれた。
「こないだはすみませんでした。」
『いいのよ、いいのよ〜!全部私にぶつけてくれて!』
笑いながら手を降ってナースステーションの方へ歩いて行った。
「ちゃんとごめんなさい言えた。」
『ん、えらかったね。』
「あの人も嬉しかったかなぁ?」
『そうだねぇ。全部吐き出してもらうのがあの人達の仕事だからね。』
それからしばらく経った頃、嫁の番がきた。 中に入ると先生が笑顔で迎えてくれた。
『こんにちは〜。どうぞそちらへお荷物置いてくださいね〜。あっ、髪切りました?さっぱりと〜!』
『さて、嫁さんのデータ届きました。がんの顔つきですが……』
そう言いながら、ゆっくりとパソコンの画面をクリックする。
ついにがんの顔つきが分かる。
『がんの顔つきは……1〜3まである中の2。真ん中ね。』
「真ん中……」
『そう。よくあるタイプ。』
『進行度は……<の下に=があったから、やや速い?かな。』
『嫁さんのがんの種類は……ルミナルAとBの間。この辺…かな?』
と、紙に書いて丁寧に教えてくれた。 『なので、ホルモン治療もできます。それで……こないだお話した治験の治療が受けられなくなっちゃったんだけど……ごめんなさい。』
実は前回の診察の時に治験を受けてみないかと薦められていて、その時、治験の知識が全くと言っていい程なく、嫁は人様のお役に立てるなら是非…!と言っていたのだが、治験を受けるまでにまた検査をして治療が1ヶ月先延ばしになること、1ヶ月待っても必ずしも治験を受けられるとは限らない、受けられたとしても新薬を投与されるグループに入れるとは限らないということ、まず、1ヶ月治療が先延ばしになることに俺と嫁の両親が大反対していたので、ちょうど良かったと言えば良かった。 「実は治験のお話、お断りするつもりでしたので、大丈夫です。」
嫁がそう言うと、先生は少しホッとしたようだった。
『そうでしたか。では、これから抗がん剤の治療を進めて行きますが……いつからにしますか?』
「今日からとかでも大丈夫ですか…?」
『大丈夫ですよ!早い方がいいもんね。では今からお薬の準備とかがあるので、少しお待ちいただくことになりますが。』 『これからの抗がん剤のスケジュールですが、まずACという抗がん剤を3ヶ月。3週間に1回点滴します。その後に、パクリタキセルという抗がん剤を3ヶ月、毎週。来れる?これが無理ならドセタキセルという抗がん剤になるんだけど。こっちは3週間に1回。』
「毎週で大丈夫です。」
『大丈夫?で、抗がん剤の副作用なんだけど、まず最初にする方ね。必ず髪の毛は抜けちゃう……。あとは嘔吐と、白血球が下がってお熱が出ちゃうかもしれないの。でも、今はとっても良いお薬が出てるから、嘔吐もそれほどないと思うし、お熱が出ても薬を飲めば大丈夫だから。もし、不安なことがあればすぐに病院に電話してね。』
ゆっくり丁寧に確認するように話てくれた。 抗がん剤の治療を受ける前に薬の量を決める為、体重と身長を計り、看護師さんからの説明や話を聞いた。
『今から抗がん剤の治療を受ける前に、吐き気止めを飲んでもらわないといけないから、お水を買って少し待っててね。今から治療室まで案内するから。』 言われた通り水を買って待っていると、『さぁ、行きましょうか』と看護師さんがきた。
案内されている途中でも、嫁が安心するような言葉をたくさんかけてくれた。
『何かあったらなんでも話してね!頑張ってね!』
そう言いながら笑顔で手を振り、治療室を出て行った。
嫁も手を振り笑顔で見送った。
受付の看護師さんに『こちらは初めてですか?』と声をかけられた。
嫁は真っ直ぐ看護師さんを見て
「初めてです。これからよろしくお願いします!」と元気よく返事をした。
嫁も頑張ると決めたんだ…何があっても支えよう。そう心に誓った。 いつも保守ありがとうございます。なかなか更新できなくてごめんなさい……。実はまだ治療が続いていて、先週の金曜日にやっとキリがついたのですが、まだ副作用が酷く日にち薬で回復しているところです。 では、続きを書いていきます。
受付にファイルを出すと、
『これから治療を受けられる際に、ベッドとリクライニング付きの椅子、どちらにされますか?』
と看護師さんに聞かれた。
周りを見渡すと、通路を挟んでカーテンで仕切られたベッドの列と、低い壁で仕切られた椅子の個室とで分けられていた。
すぐ近くのベッドには年配の男性が横になっていて、ちょうど治療を受けている最中だった。
嫁が黙って考え込んでいると、
『同じ治療されている方は椅子で受けられる方が多いですよ。』
と教えてくれた。
「じゃあ…椅子で笑」
そう答えると、受付からすぐ近くの、大きな窓から太陽の光が差し込む明るいところに案内された。
白い大きな歯医者さんにあるようなリクライニングの椅子。
その前に小さなテーブルが備え付けてあり、テレビも置いてある。いたれりつくせりの環境だ。 ここに来るまでは、薄暗い病室でベッドに横になってじっと点滴が終わるのを想像していたものだから正直驚いた。
付き添いの人用のパイプ椅子もあり、ドアのない解放された満喫の個室のような居心地は悪くなさそうだ。
席に座るとまた別の看護師さんがやって来て、今から薬の準備をするので少し時間がかかること、治療が始まると外へは出られないこと、付き添いの人の出入りは自由で、飲食も可能。テレビを見るにはイヤホンがいることなどを説明してくれた。
「おやついいって!」
『んーでもまだどうなるかわからないからとりあえず飲み物だけにしとこう。イヤホンも買ってこようか?』
「えー……チョコがよかったぁ。イヤホンはいいや。」
『じゃあ、ちょっと行ってくるよ。』 買い物から戻って、買ってきたリンゴジュースを飲みながら話をしていると、看護師さんがやってきて『今日はどちらの腕とか決まっていないのですが、どちらが採りやすいとかありますか?』と聞いてきた。
嫁の腕は血管が出にくいようで、いつも看護師さんを苦戦させているらしく
「すみません、両方採りにくいみたいで……ちょっと見てもらってもいいですか?こないだもパンパンめっちゃ叩かれたんですけど……。」と、両腕を差し出していた。
『あー、そうですねぇ……。じゃあ、少し温めましょうか?』
と、腕にあったかいホッカイロのような物を乗せられた。
『そろそろ、よさそうですかね?では、準備しますね。』
「怖いねぇ…」
嫁は注射が大の苦手だ。 『そうですよね。怖いですよね。』
嫁の気持ちに寄り添いながら点滴の説明を始めた。
『まず、最初に吐き気止めの点滴を15分流します。その次にこの赤い点滴5分。その次にこちらの点滴を30分。最後に生理食塩水で血管のお薬を流して終わりです。』
『2番目と3番目のお薬が抗がん剤で、赤い点滴の時にまれに痛みや腫れが起こることがあるのですが、この間ずっと私がついてますので大丈夫ですからね。』
ゆっくり丁寧にわかりやすく説明してくれていたので嫁の不安も和らいだようだった。
点滴の針は手首の近くのところに刺されていた。
それはどうしてなのか嫁が聞くと、長い間、ずっとピンと腕を伸ばしていないといけないから、なるべく楽な姿勢で出来る場所を探してるとのことだった。
なるほど。と納得して、いよいよ点滴の瞬間がやってきた。
左手で今日買った小さいぬいぐるみを握りしめながら目をつぶり、針を刺す痛みに耐える嫁。
嫁がそーっと目を開けると、針は刺し終わった後で、腕にテープを貼ってくれていた。
「はぁ〜……」思わず安堵のため息が漏れる。
『お疲れ様でした。頑張りましたね。すみっコぐらしも応援してくれていましたもんね。』
と看護師さんに言われ、ふと、嫁の左手を見ると原型がわからないくらいに握り潰されたすみっコちゃんがいた。
『私、あまり詳しくないんですが……』
と申し訳なさそうに看護師さんが言うので、
「ペンギンです。こんにちは。」
とお辞儀をさせて挨拶をするように嫁が動かせて見せていた。
俺も看護師さんも笑って和やかな雰囲気になった。 『吐き気止めの点滴の時に気分が悪くなる方がいらっしゃるみたいなので何かあれば声かけてくださいね。』
「あ……そう言われてみればなんか……」
『あっ……まだ……お薬入ってないですね〜笑』
「笑笑」
『頭にも点滴刺してもらえ!笑』
そんな冗談も言いながら、看護師さんもいなくなり、嫁と二人きりになった時に
『ここにいるとさ、自分だけが不幸じゃないって思えるね。』
と嫁に言うと、
「そうだね」
と、窓の外を見ながら静かに嫁が言った。 同級か子宮ガンで余命半年って言われてのを2年生きて
この8月に亡くなったと聞かされた自分にはタイムリー。よく頑張ったと思う。
そんな自分もガンではないけど、何かあれば死ぬ病気だけどね。
一歩間違えば、8月に死んでたかも。 >>220
ありがとうございます。無事で良かったと思ってくれる人が一人でもいてくれることが嬉しいです。 >>221
同級生がお亡くなりになったとのこと、心中お察しします。いつ何が起こるかわからないですよね。自分達もそんな年齢なんだと実感しました。
何かあれば死ぬ病気というのも爆弾を抱えているようですよね。今、生きてこうしてここにコメントしてくださったこと自分も嬉しく思います。良かった……。ありがとうございます。 保守ありがとうございます。
抗がん剤の服用が終わって1週間経ち、嫁も少しづつ元気に動けるようになってきました。
昨日洗った掛け布団のシーツがまだ掛けていなくて
「あ〜シーツかけるのめんどくさいなぁ……」
とソファーに寝転びながら言う嫁。
『シーツかかってなくても寝れるでしょ』
「ん〜でもシーツかかってる方がサラサラで気持ちいいから…あっ!!そういえば今日旦那くんのお布団干したんだった!!ずっと干してあるわ!」
『え!?笑』
慌てて外を見に行くとすっかり冷たくなった布団が干してあった。
『ご注文の冷やし布団はこちらですか?笑笑笑笑』って言いながら嫁に布団をかけたらキャッキャッとはしゃいで
「なーんで嫁ちゃんにかけるんだよ!!お前がこれで寝るんだろ!」
冷やし布団の押し付け合いw 仕方ないからそのままシーツを一緒にかけることにしたんだけど
『ん?この紐なに?布団と結ぶの?』
「糸を繋げることも結び……人を繋げることも結び……あんた?今、夢を見とるな?」
突然、君の名は。ごっこをする嫁。
ふざけまくってなかなか進まないw
さぁ!できたと思ったら布団が中でクロスしてるし……。
「なんでやねん!笑笑笑笑」
『いやこっちのセリフだし!笑 ちゃんとやれよ!』
「あんな、うち今までこれ2人分を1人でやっててんやんかぁ。せやからあんた1人でやってみ。頭つこて。」
謎の関西弁……。
こっちが1人で悪戦苦闘してると
「犬ちゃんも中に入り。ほれ、中に入り。一生出てこれへんで。ここ入ったら一生出てこれへんで。ここ。ファスナー閉めたらなもう一生ママとパパに会えへんで。ゆーたら不時着よ。」
お座りして嫁の言うこと聞く犬と入れ入れやかましい嫁。
手伝えやwww 『ほら、もう一つやるぞ!この布団は紐掛けるとこついてないの?』
「……ついてるやん。」
『どこ?』
「角っちょについてるやん、三角みたいに。」
『あ〜あったあった!そっち側やれよw』
「そっちが布団ぐいって引っ張るさかいこっちがスルンてなってできひんやんかぁ。あんなぁうちなぁ……」
ゴチャゴチャうるせぇwww
『真ん中の結ぶとこある?』
「あるやん。探してみ。」
『え?え?』
「あるやん。こ!こ!こ!れ!……な?わかる?こ!れ!」
『やかましいわw』
「犬ちゃんはよ入り!こん中入り!」
しっぽフリフリする犬。
『はーやくファスナー閉めろよw そっちだぞ!』
「あんなうち急かされるの嫌いやねんか」
『はよw』
「半分までしたであとやって!もう知らん!」
そのままソファーにダイブしてなんかまだブツブツ言ってた。
『はい!出来上がり!』って布団ふわって敷布団にかけたら嫁に当たったらしく
「痛っ!いったぁ!なにするん?いったぁ。もうあかんわ、いったぁ。」
布団で痛いてどーゆーこと?w て思いながらそのまま無視しといた。
こんな感じで毎日過ごしてます。 また時間がある時に去年の闘病の様子も書いていきたいと思います。
それでは。 酷い聞き方して申し訳なかったと反省しております
嫁ちゃんが無事で良かった
生きていてくれてありがとう >>231
そう言ってもらえて嬉しいです。ありがとうございます。 >>234
大丈夫ですよ〜!いつも書いていますが、どんなコメントもありがたいです。こちらこそ思うように書き進めることが出来なくて申し訳ない気持ちでした。
「無事で良かった生きていてくれてありがとう」
そう思ってくださることが自分達夫婦にとって一番嬉しいことです。ありがとうございます。 ずっと来れなくてごめんなさい。続き書かないとと思いながらなかなか書けず……。もう簡潔に書いてこのスレ落とそうかなとも考えています。話落ち着いたらTwitterにでも書いていこうかなぁ。 抗がん剤の点滴をしてから約1週間が経った頃、幸い嫁は副作用も軽く済んでおり、普段通りの生活が送れていた。
嫁が受けている抗がん剤、AC療法(アドリアマイシン+エンドキサン)の主な副作用は
脱毛95%
吐き気・嘔吐35%
白血球減少・発熱75%
心毒性2%
一般的な抗がん剤の副作用のイメージは、やはり脱毛だろう。
そして、吐き気・嘔吐。
あとは、意外と知られていない味覚障害と便秘。
ここら辺の副作用はやはり必ずなるものとして、ある程度の覚悟はできていた。
が、今は良い薬があり、吐き気と嘔吐の副作用に効く吐き気止めのおかげで、嫁の場合、少しムカムカする程度の気持ち悪さが2.3日続いただけで、前述の通り普段通り過ごせていた。
たまに激しい下痢になることもありぐったりすることもあったけれど他の人と比べると軽い方だったと思う。 副作用による脱毛が始まるのが、抗がん剤を投与してから14日目頃らしく、いくらボブからショートにしたとはいえ、自分の髪の毛が大量に抜けていく様を見るのはさすがの嫁も耐えられないと思い、バリカンで断髪式をすることにした。
最初はいつにするかなかなか踏ん切りがつかない感じだったけど、いざ坊主頭にしたらスッキリして吹っ切れたように見えた。
それから徐々に抜け落ちていく嫁の髪の毛を見る度に、抗がん剤の恐ろしさとやっぱり嫁はがんなんだという現実を思い知らされた。 抜けた髪の毛を呆然とただ見つめていたり、髪の毛を気にしている時はなるべく気を逸らすように、俺が掃除をしたりその姿も可愛いと褒めるようにしていた。
どんな姿になろうと嫁は嫁だし、こうして今生きてくれているだけでありがたくて、一日一日一緒に過ごせることが幸せだった。
今まで当たり前のように過ごしていた日々が当たり前ではなくなった。
告知されてからは嫁の傍に一緒についててやりたくてしばらく仕事も休んでほとんどの家事は俺がやっていた。 料理もするようになった。
今まで全くやったことがないとまでは言わないけど、毎日献立を考えて仕事から帰ってきて夕飯を作るということは決して容易いことではなかった。
切り方炒め方、全てにおいて手際が悪く、なにより味覚障害のある嫁の口に合うもの作るのは大変だった。
「嫁ちゃん毎日やってたんだよ〜ちょっとすごいなぁって思ったでしょ〜w」
嫁は笑ってからかってきたけど、この言葉は俺の胸にグサッと突き刺さった。
(今まで俺は……なんであんなに偉そうにしていたんだろう)
(仕事で疲れたからって一日寝て買い物も嫁一人に行かせて……)
(仕事してるからって…仕事してたら偉いのかよ。)
俺はとんたバカヤロウだ。 それでも嫁はあの時の俺を責めたり怒ったりすることはなく、今やっていることをとても感謝してくれた。
「嫁ちゃんがんになってよかったなぁ〜」
『ん?なんだよ?俺は変わってやりたいよ……。』
「だってさぁ、旦那くんお料理してくれるようになったし、お母さんも家に来てくれるし、毎日楽しい!」
「旦那くんでもお母さんでもお父さんでもお姉ちゃんでもなく、嫁ちゃんでよかった。」
「嫁ちゃんがなったことにはきっと意味があるから。嫁ちゃんじゃなきゃみんな耐えられないと思うよ。」
そう言って嫁は笑った。
告知をされてから嫁が泣くことは無かった。
弱音も吐かず、ただ一日を生きる
その姿に俺も頑張らなくてはという気にさせられた。 ACという月1の抗がん剤が終了した後は、パクリタキセルという抗がん剤に変わった。
この抗がん剤は週1で通院することになり、通院の日は仕事を休んで付き添うことにした。
前の抗がん剤と違い、投与時間も2時間と長いため俺は本を、嫁はおやつを持って通院していた。
通院とはいえ、毎週のこの時間を俺は気に入っていた。嫁もそうだったと思う。
注射嫌いの嫁にとって針を刺す瞬間はやはり憂鬱なようだったけど、病院の前日は「明日のおやつ何にしようかなぁ〜」と、まるで遠足に行くような感じでおやつを選んで楽しみにしていた。 嫁が通っていた病院の看護師さんはみんな優しく全員が声をかけてくれるので嫁もリラックスして楽しくお喋りをしながら過ごしていた。
嫁は脱毛してからウィッグはつけておらず、帽子を被ったりバンダナを頭に巻いていた。
女性では珍しい方かもしれないけど、ここではそれを否定されることもなく嫁のバンダナを褒めてくれていたし、嫁自身も髪の毛がないことを恥じることもなく「このバンダナお気に入りなんです〜」と無邪気に話に花を咲かせていた。 こうして、たくさんの人の優しさに支えられて
週1の抗がん剤も無事に終了し手術前の検査までこぎつけた。 俺のカーチャンもバンダナ派だぜ
便秘って副作用なんだな知らなかった すっかりご無沙汰していてすみません。なんか書き込みなかった…。こちらはみんな元気にしています。
抗がん剤の服用が終わって1ヶ月以上経ちますが、だいぶ薬も抜けて来て以前のように動けるようになってきました。
俺が仕事で遅い日は、一人で自転車に乗って買い物へ行って夕飯を作って待っていてくれます。 年明けに、術後一年の検査があるようで、その検査で異常がなねれば経過観察に入ります。
みなさま応援ありがとうございました。 >>255
お母様もバンダナ派だったんですね。そうのんですよ。自分もドラマやなんかで見たイメージでしかなくて、吐いたり髪の毛抜ける〜くらいしか知らなかったのですが、いろんな副作用があるみたいですね。個人差もあるようなのでお母様は便秘の症状は出てなかったのかもしれません。 お疲れ様でした
スレタイがオチではなかったようで何よりです
いつまでもステキな夫婦でいてくださいね ウチの嫁も身悶えするくらい可愛い
体重が10年で1.8倍になった今でも可愛い
でも、そろそろ人間ドックに入れて健康状態を確認しないと・・・ヤバいかも 嫁ちゃん頑張れ
わんこと>>1ちゃんと楽しい日々が待ってるぞ ご無沙汰しています。保守や励ましのコメントありがとうございます。嫁ががんになってから2回目の年越しです。去年は手術が控えていましたが、今年は治療も終わり元気に年を越せて嬉しいです。
今朝、犬の散歩に行った時に嫁に
「今年お世話になった人に俺言うね。」と、トントンと肩を叩かれて
「ありがとう!」とニコッと笑ってお礼を言われましたw
「1くんは誰かにお礼言ったりしないのかなぁ?チラッ」
と、催促されたのでドンッと強めに肩を叩いて(嫁よろけてたw)
「おぅっ!ありがとなっ!」
と言うと、「ふふっ」と嬉しそうに笑ってました。 このスレを立てた時に、終わりをどこまで書くか悩んだのですが、一応キリのいいところで手術するまでで完結ということにしたいと思います。
それでは、最後少し続き書いていきます。 術前の検査の結果は心電図も肺機能の方も血液検査も全部異常なしだった。
超音波の方も、前回は厚みもあって胸いっぱいで、機械で測れないくらいだったしこりの厚みも無くなって機械で測れる範囲までに収まっているとのことだった。
そして何より驚いたのがPET検査の結果で、
前回は胸全体にがんがあったのな今回は全部なくなっていたのだ。
パソコンで前回検査した画像を見ると胸全体にサーモグラフィーのように色がついているが、今回の画像にはそれが全くない。 がんが画像ではなくなっていてもまだ今は手術しなくてもいいですよということはできないらしく、予定通り全摘とリンパ節切除の手術は行うと言われた。
嫁もそのつもりだったようで、わかりましたと返事をしていた。
俺たちは手術することを『生きるための選択』と言っていた。
胸がなくなっても命さえあれば……。
嫁さえ生きていてくれれば。
助けたい。助かってほしい。生きて欲しい。
その一心でここまでやってきた。
がんが小さくなってほとんど消えていたと聞いて、今までの治療で嫁が頑張ってきたことは無駄ではなかったんだと嬉しく思った。 そして入院当日
朝食は、抗がん剤の治療中によく作っていた嫁のお気に入りのピザトーストを焼いてやった。
どんなに食欲がない時も美味しそうに食べていた元気が出るごはんだ。
家を出る前に入院グッズの確認をしてから、嫁は犬を抱っこして耳元でなにやら内緒話をしていた。
いつものように車に乗り込み、病院へと向かった。
しばらく離れ離れの生活。
結婚してからこんなに離れて暮らすのははじめてだった。 病院に着くと、入院受付には何人か待っていた。
もうこの頃には新型コロナウィルスが流行りはじめていて、受付では渡航歴を聞かれ、体温も計らされた。
でもまだ面会ができないほどではなかった。
入院手続きが済んで病室へ行ってからは、看護師さんが入れ替わり立ち代り入ってきて、フロアの説明やら、血液検査、手術の説明、麻酔の説明、術後のリハビリの説明、手術する箇所の確認や印をつけるなど、やることがいっぱいでなかなか忙しかった。 麻酔の説明を聞いてから嫁は、
そのまま起きて来なかった人はいるのかということが気になったらしく、しつこく先生に聞いて先生を困らせていた。
麻酔をしてる最中は人工呼吸器をつけるらしく、
その時に口を開くので稀に顎が外れる方もいると先生が言うと
「顎……外れたらどうなりますか、はめてもらえますか……」
と、すごく怯えてずっと顎の心配をしていた。
後でわざわざ主治医の先生が
『顎、大丈夫ですからね。明日はよろしくお願いします。』
と挨拶に来てくれて、嫁も少し安心したようだった。 そしていよいよ手術当日。
手術は朝一の手術だった。
手術前日の夜22時以降から翌日の朝まで絶食なんだけど、
嫁はこの話をされた時に、手術が怖いとか術後の痛みとかよりも、ごはんが食べられないことを心配していた。
これには先生も笑っていた。 いよいよ手術の時間がやってきた。
担当する看護師さんが呼びに来てくれて、手術室までは歩いて行く。
なんとなくドラマとかで見たイメージだと、ストレッチャーで運ばれて行くのかと思っていたから嫁も俺も少しビックリした。
付き添いの人も手術室の前までは一緒に行っていいとのことだったので、着いて行くことにした。
手術室の前まで来ると、他にも手術を受ける人とその家族の人達がいた。
『付き添いの方はここまでになります。』
看護師さんにそう言われると嫁は振り返って俺に抱きついてきた。
周りにいた手術を受ける人達が「あらぁ〜」といった感じで、微笑ましくこちらを見ていた。
『頑張ってな。大丈夫だからな。』
しばらく抱きついたまま黙って、それからスっと離れて笑顔でピースして手術へ向かって行った。
その後ろ姿をしばらく見送っていた。 手術が始まってすぐくらいに嫁の両親も病院へ到着した。
3人揃って病室で手術が終わるのを待った。
待っている間の時間はとてつもなく長く感じた。
いろんな話をする中で、嫁のお母さんが俺にしみじみとお礼を言ってくれた。
「1くん…本当にありがとうね。1くんには感謝しかないわ。今まで苦労かけたね。」
『家族として当たり前のことをしてるだけですから』
今までのことを思い返すと、嫁ががんと告知されてから、辛いとかしんといとかは思ったことなかったな。
毎日を一生懸命生きる嫁を支えることに必死で、今まで過ごしてきた元気だった日々よりも濃くて楽しい日々だったと思えた。 予定通り4時間の手術が終わり、主治医の先生に呼ばれ手術の報告を聞いた。
手術は予定通りの時間で終わったこと
がんは全て取り除けたこと
嫁の両親には今までの治療の経過なども話していた。
その後しばらくして嫁がベッドで運ばれて病室へ戻ってきた。
口には酸素マスクがついていた。
『よく頑張ったな』
と声をかけると、嫁は苦しそうに小さく頷いた。
起きてはいるけど、まだ意識は朦朧としていてハッキリ喋れない状態だ。
痛々しい姿を見たら泣けてきて、嫁の両親に
『ちょっとお世話になった看護師さんに挨拶してきます!』
と言い、病室を出てから一人で泣いた。
そして嫁にまた改めてラインをした。
『本当によく頑張ったね。頑張ってくれてありがとうね。』
そして、直接よめ すみません、最後誤字ありましたがw これで一応スレとしては終わります。
皆さん、長い間ご支援ありがとうございました!
もう既にまとめに載せていただいて嬉しいです。
2021年は皆さまにとっても良い年になりますように! 電車で読んで泣いてる
1とその家族にとっても来年も良い年でありますよう 今はだいぶ体力も回復して元気に過ごしています。
髪の毛もたくさん生えて伸びてきました。
去年の今頃の写真を見ると2人ともつるっパゲで懐かしいw
ここでクリスマスのエピソードを。
イヴの日は仕事でいつものように早くに起きてシャワーを浴びて洗面所で支度をしていると、かすかにシャンシャンシャンシャンと鈴の音が聞こえてきた。
トゥルルルトゥルルル♪
軽快なイントロ
……この曲は…
あわてんぼうのサンタクロースだw
犬を抱っこしたまま曲に合わせてボックスを踏む嫁。それに付き合わされる犬の眠そうな顔w
ズンチャッズンチャッ……
ボックス踏みながらリビングの方へ消えてった。
朝からなんなんだよw とか思いながらリビングへ行くとまだあわてんぼうのサンタクロースが流れていて、
まだシャッターも開けてない電気もつけていないキッチンの薄灯りを頼りにリビングでジャジャーン!と紙袋を見せられた。
『えっ!?えっ?これどーしたの??』
「クリスマスプレシェントでぇーす!」
『普通は今日の夜から明日の朝にかけてじゃないの?w』
「あわてんぼうのサンタクロースだから今日来ちゃいました〜みたいな感じで!」
またジャジャーン!とポーズをとってから、ズンチャッズンチャッと曲に合わせてリビング中を行進しはじめた。
プレゼントをあけると定期入れが入っていた。
『ボロボロだったから同じやつ買ってきてくたの?ありがとうね。』
ズンチャッズンチャッ……
満足そうに踊り歩いていた。 >>283
リアルタイムでみてもらえてよかった!いつも保守ありがとう! >>288
リアルタイムで見てもらえて嬉しい!ありがとう!がんがったよ! >>293
泣かないでw 寒いから暖かくしてくださいね。
ありがとうございます。優しさに泣いた……。
>>293さんにも良いこといっぱいありますように! 本当に良かった
で?このスレを立てたのは誰なのかな?w >>299
年末に無粋な事言うんじゃないよ!たのしめ! >>299
最後まで読んでくれてありがとうー!
ジャジャーン!嫁ちゃんでしたぁ!!w
途中、体調が悪い日が続いててなかなか更新できなくてごめんなさいでした。
楽しみに待っていてくれる人いるし自分も書けないしで焦ったけどw なんとか最後まで書けてよかったー。 >>300
w w w ありがとう〜!
299さんにはすみっコぐらしのシールあげるね!w >>302
知ってたwwwwww
本当に夫かもしれないと思った時もあったけど
布団で確信したwwwwww
最後まで書いてくれてありがとう!
すみっコぐらしのシール確かに受け取ったよ 新年明けてからだいぶ経ちますがみなさんおかわりありませんか?一旦〆た後になんですが、もし続き気になる方がいらっしゃいましたらTwitterのアカウント作ったのでフォローを……///// >>309
>もし続き気になる方がいらっしゃいましたらTwitter
気になるけどTwitterじゃなきゃだめなの?
Twitterやってないからこれでサヨナラですね
言葉が合っているかわかりませんが楽しくいつも読ませていただきました
ありがとうございました >>313
Twitterじゃなきゃダメってことないですが、スレで書くと間空いちゃった時にスレ落ちちゃうかなーとかソワソワしなくていいかなと思ったんですが、スレで書いた方がいいならまた書いていこうかな? 気になっていたが初めてこのスレ読んだ
自分、いつも嫁に偉そうにして怒り散らして困らせてるけど、今年からは優しくしようと考えさせられたよ
>>1と嫁ちゃんがいつまでも元気で幸せに過せる様に願ってます!! 続きと言っても治療の話だから、一旦キリのいい手術のとこで終わりにしてしまったんだけど、続きというかなんか気になる人いたらって軽い気持ちで書いたのとちょっとバズってみたいっていうやましい気持ちがあったことをここにお詫び申し上げますw >>315
おはよーw 気にしてくれてありがとう!
315さん、いつもお仕事お疲れ様です。家族のために頑張ってくれてありがとう。「嫁がウザ可愛いくて死ぬ」の方も見てくれるとわかると思うけど、うちの旦那くんもそういうとこあったから(怒り散らしはしないけどw)なんか、当たり前の毎日に甘えて?るとこってあるよね。人間誰しも。でも、今年から優しくしようと思ってもらえたならこのスレ立ててよかったよ!最後まで読んでくれてありがとうね。 >>313
こちらこそ楽しく読んでくれてありがとう!
313さんに幸あれ! >>319
うんっ!同じ名前〜!何ツイートしてくかちょっと模索中。やっぱりみんなは1の時みたいなウザ可愛エピソード(自分で言うのも恥ずかしいけど)が好きなんかな〜。 前スレは旦那くん目線で書いたからうまく書けたんだけど、自分発信となるとどうしても照れが出てしまって上手く書けないんだよなぁ。でも、こんなご時世だからちょっとでもみんながほっこりしてくれたり元気になってくれたらなと思って!!!だからよろしくね! 一応、今日フォローしてくれた人だけフォロバします! よくわからないけど1か月放置しても落ちないようになったみたいだよ
俺もTwitter見られないからできればここに書いてほしい >>323
そうなんだね!それなら大丈夫かなぁ?
そっかそっかおっけー!それじゃ続きここに書いていくね。書く時は旦那くん目線でってことと、もし「おい早く書けよ」とか、誹謗中傷的なこと書かれたらその時点で話が途中だろうがみんなが書いてって泣いてお願いしようがやめるからそれだけはご了承ください。 >>325
あれっ?見つけられない?w なんか何人かしてくれてたからアカウント書かなくてもわかるもんなんかと思ってたごめんね? 嫁がウザ可愛いくて死ぬで検索かけてもダメかね?続編立ててから気づいたけど、可愛くてじゃなくて可愛いくてになってるからねw >>327
あーごめーん!!ここまで宣伝しておいてなんだけど、アカウント名(@の)書くのは少々気が引けるというか恥ずかしいというか大丈夫なんだろうか?と思ってな。書いてフォローされなかった時がさ……って書かなかったの!w 夕飯食べてから睡眠薬盛られた?ってくらいに急に眠くなって今まで寝てたからお返事遅くなってごめんね。 >>311
>>312
このコメント読んでなかったごめん!ww 探せたかな??もうフォローしてくれた人かな?
てか、結構見てくれてる人いたんだなw ありがとうね! フォローされてたw ありがとう〜。続きはもう少しお待ちください〜。 なんか向こう盛り上がってるけどこっちにも書いてねー! >>336
貼ってくれた人ありがとう〜!
>>336
おっけー!まかしとけぃ! 嫁ちゃんが来るまで待機
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/+ 人 ∧∧
ヾ人>' _')> ) (゚Д゚ )
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