>>548
河合隼雄の臨床心理は、フロイト、ユング、
ついでにシュタイナーのやってた無意識に
焦点を当てた精神分析学由来であって、
それは1900年代のアメリカと日本、さらに
他の国で同時多発的に立ち上がった、医療に
特化した臨床心理とは体系が違う。

日本では森田正馬が有名だけど、医療(≠医学)
としての体系化は、アメリカのアーロン・ベック
が行い、日本でも戦後にアメリカの体系化に
合流した。いま警察が家族暴力問題を捜査するにも、
また国立精神神経医療センター等の研究機関が
研究し新しい対応方法を考えるのも、精神分析学
を祖としつつも、アーロン・ベック以降の医療と
しての臨床心理を軸にしているよ。

日本とアメリカ、またイタリアドイツ等で、
精神分析学とは別の体系として立ち上がった
臨床心理は、20世紀は豊富な戦傷患者の回復
訓練で事例を蓄積し、独自の体系化と脳科学の
仮説を積み上げていき確度を上げていった。
そして今では脳科学の仮説は脳外科の観察により
生化学と合流し裏付けを得ている。

ランボーの原作者のマレルも、べ戦傷者の事例を
山ほど調べた上で、帰米して問題を起こす人も居れば、
再訓練で冷静になった人もいることを知ってあの
筋書き(原作は射殺、映画は逮捕)になったらしいよ。