0242名も無き被検体774号+ (ワッチョイWW 25fe-L2gL)
2019/07/01(月) 18:12:11.24ID:QVYxrz530沙織も織田たちを置いて立ち上がり逃げ出した
しかし、時間は既に18時
外も薄暗くなっており、病院内は真っ暗に近い状態になっていた
吉野の姿はもう見えず、少しでも光の見える方へがむしゃらに走った
その時
…ガシャーン
沙織は廊下に放置してあった車椅子に脚を引っ掛け、転んでしまい、気を失った
どれくらいの時間が経っただろうか
気がつくと、沙織は真っ暗な闇の中に居た
「なにも思い出せない…」
ズキっ
仰向けで寝ていた状態から身体を起こすと、お尻が少し傷んだ
「私、何してたんだっけ…」
手探りで床を触ってみると、ゴワゴワした手触りの何かの上に居た。そして、少しざらついている
とりあえず、暗いので携帯を探してみる
それはポケットの中に入っていた
急いでライトを付けてみて声を上げた
「ひぇっ…」
そこは病室だった
沙織が寝ていたのは、古びたボロボロのベッドだ
そう認識した途端、肝試しで廃病院に来ていたこと、恐ろしい思いをした事を思い出した
「みんな…いないの?…」
あの化け物に聞こえないように、仲間には聞こえるように、小さい声で呼んでみたが返事は無い
「ふぁ…なんで……ぐっ…」
沙織は声を出来るだけ抑えて泣いた
怖くて動くこともできない
携帯のバッテリーもあと半分しか無い
体育座りをして出来るだけ小さくなって泣いた
何も聞こえない、静かな部屋が恐ろしかった