♀葵 20代

彼女は所謂「出会い厨」であった。いや、風俗を通して真実の愛を探し続けるジャンキーであった。
そんなにブスではなかったと思うのだが、本人曰く風俗以外での出会いはほぼなかったようで、客の中から将来の伴侶を探していた。
彼女は恋愛体質で常に愛に飢えていた。今思えば幼くして両親を亡くし、面倒を見てくれた親戚や兄弟に負担はかけまいと高校にも行かず10代からこの世界で生きているとのことだった。
親が残した一軒家に1人で暮らし、記憶も曖昧な思い出たちに囲まれ精神を病んでいたのかもしれない。

彼女は少しでも優しくされたら好きになってしまう。外で会ってしまう。
所詮は風俗嬢、タダマンラッキー!な男は多い。結局遊ばれて捨てられる事も多かった。その度に傷つき、泣いていた。
それでも優しくされたら、甘い言葉を投げかけられたら、それが嘘だと薄々感づきながらも彼女は股を広げてしまうのだ。

次々と外で会うので当然のように稼ぎは少ない。
生活が苦しくなり他店に移籍したが、彼女もまたしばらくしてうちの店に出戻ったようだ。

先日、数年ぶりに連絡をとったら昼間のアルバイトを始めたそうだ。
まだ風俗との掛け持ち状態ではあるが私は彼女を応援したい。