修学旅行の報告 一日目

学校に集合してすぐにバスに乗り込む
本来ウキウキする場面であろうが
乗り物酔いが常である自分にとっては地獄の始まりである
これに二時間も乗るのかと考えただけで気持ちが悪い
酔い止め薬を服用した上で飴とガムを携えて寝ることにした

バス二時間のあとは新幹線である
新幹線のホームは想像以上に狭く、黒い服の中学生がひしめき合って暑苦しかった
新幹線はバスより酔わなかったが
酔い止め代わりのガムを友達に七割食べられるというちょっとした悲劇が起きた
帰りの分はどこかで調達するしかあるまい

新幹線から降りたときの感想を一言で言うと「臭い……」
都会の空気はこんなに澱んでいるものかと衝撃を受けた
高いビルがいっぱい建っていることは承知していたが
においは覚悟できていなかった

新幹線の次はまたバスである
ガイドさんが案内をしてくれるスタイルだ
「ガイドさんは彼氏いるんですかー?」……定番(?)の質問をぶつけたのはヤン君である
ヤン君の顔面の傷は目立たなくなっていた

修学旅行らしく真面目な観光名所を回ってクラス毎にガイドさんから説明を受けた
黒髪が謎の相槌を打ってガイドさんを困らせているのが遠くに見えた
ヤン君はひたすらガイドさんに絡んで困らせているが
ガイドさんはこういう手合いには慣れているようである

ホテルに到着した我々を待っていたのは、オートロックの洗礼である
初めてオートロックキーを目にして扱いがわからず閉め出される者が続出し
消灯22時の予定が22時30分まで「どうしよう」「やべぇ!」が響きつづける事態となった
自分は性格が悪いので閉め出されたヤツらの慌てふためく姿を見物しにウロウロしていた

一日目の報告終わり