
【ニセコ】ニセコの物価は高くない―。国際的なスキーリゾートを擁する後志管内ニセコ町が異例の発信を続けている。リゾート目当てに海外富裕層が集まる周辺エリアの一部飲食店や小売店での高額事例が注目され、
「ニセコ=物価が高い」とのイメージが広がっているためだ。町はカレーライス1食を町内で作る費用を1月から毎月公表し、全国平均を下回り続けていることをアピール。地元ラジオ局と組むなどして発信を強化し、まちの実態を伝えていく構えだ。
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カニ入りラーメンが3500円以上、コンビニの高級シャンパンが約4万円、スーパーで1万円以上の霜降り和牛を販売―。同町や同管内倶知安町にまたがるニセコエリアを巡り、こうした情報が「ニセコバブル」として交流サイト(SNS)や
テレビなどで拡散。ニセコの物価は高いというイメージが定着しつつある。
だが地区や時期は限定的で、大半の地域の物価水準は道内の他地域と変わらない。片山健也町長は「東京で会う人に『ニセコは物価が高くて大変ですね』と言われる」と嘆く。
実際にマイナスの影響が見られ、町内のペンションでは「物価高が敬遠され、昨年夏は客足が3割減った」とされ、移住や定住の相談支援を行うニセコベースキャンプ(ニセコ町)の奥田啓太代表も「東京や福岡での相談会で
『物価が高いが生活できるのか』との質問が増えた」と語る。
そこで、ニセコの生活実態を的確に伝えようと町が目をつけたのが、民間信用調査会社・帝国データバンクの「カレーライス物価」だ。具材や水道光熱費などカレーライスの調理費から物価の変化を見るもので、
1月から町のホームページで「ニセコ町版」の公表を始めた。
最新の4月は、ニセコ町では375円だったのに対し、全国平均(見込み)は425円とニセコの方が50円安い。地元産の野菜が安く手に入るためで、1〜3月も全国を下回っている。町商工観光課は「ニセコ町の
生活物価は高くない」と言い切り、Aコープようていニセコ店も「商品価格は一般的なスーパーと変わらない」と説明する。
https://news.yahoo.co.jp/articles/9858024aa1176c005187239256a7107ba1fc53f4