■番組が接触すると「私は知りません」
全身黒のシックないでたちで、ブランド品を愛用していたというこの男。中国国籍の秋山雅治こと郭亜川容疑者(52)です。
千葉県松戸市に住む郭容疑者は「名人グループ株式会社」の社長で、銀座ではウイスキーの販売店を経営。5年前に河口湖で「雲ノ上富士ホテル」をオープンしました。
「雲ノ上富士ホテル」に関する投稿 中国のSNSから
「愛情の力で富士山を独り占めする」
「朝起きて景色を見ると、心を揺さぶられる」
郭容疑者は、ホテルからの富士山の眺望を遮っていた他人の敷地の樹木23本を、無断で伐採するよう実行犯3人に指示した疑いが持たれています。
これはホテル側の犯行かどうか、被害者が直接会って確かめた時の映像です。
郭容疑者
「私は、なぜ謝る必要があるのかが分からない。私はただ、礼儀を尽くすために、あいさつに来ただけだ」
「(Q.相手の木を切っちゃいけないわけですよね?)いやいや、あなたが言っている件を、私は知らない。いかなる質問にも答えられない」
去年3月、番組が郭容疑者と接触した際には…。
郭容疑者を取材した音声のやりとり
「(Q.郭亜川さんですか?)ここのスタッフに言って」
「(Q.あなたが社長ではないのですか?)私は知りません。あとで、スタッフに聞いてください。彼らは社長をさがしているそうだ」
■元従業員の給与明細を見ると…
事件の関与については語ろうとしない郭容疑者。勝手に伐採したとされる2022年ごろ、もう一つ別の問題を起こしていました。新型コロナ助成金の不正受給です。
厚生労働省がホームページで公表したのは、「名人グループ株式会社」が休業を実施したことで支払われる雇用調整助成金約3800万円を、不正受給していた事実です。2021年1月から2022年11月まで「ホテルを休業した」と虚偽の申請をしていました。
当時、ホテルで働いていた従業員に話を聞くと…。
「雲ノ上富士ホテル」元従業員
「社長から給料もいただいて、コロナ禍の中で助成金を申請してくれたりとか。感謝を持って働きなさいみたいに言われました」
「(不正受給は)知らなかったですね。普通に出社してました」
2021年当時の出勤表が残っていました。コロナ禍でも週末には宿泊予約があり、宿泊者のいない平日も、多くの従業員が働いていたことが分かります。ホテルが混み合う年末にいたっては、スタッフ総出で出勤していました。
ただ、給与明細を見るとなぜか、実働時間は「ゼロ」。その代わりに「休業手当」が支払われていたことが分かります。
「雲ノ上富士ホテル」元従業員
「(会社は)自分が働いていた分を国からもらっていて、お客さんからいただいていたお金が会社に入るのが不思議だなと」
「お金困ってるみたいな。コロナ禍でお金困っていて、ホテル業もなかなか稼働率上がらない話を結構聞かされてて」