過酷だった妊活生活
5年前に一回り下の妻と結婚した小杉泰貴さん(仮名・48歳・営業)。昨年、念願の第1子が生まれたものの、過酷だった妊活生活をこう振り返る。
「妻は強い出産願望がある一方で婦人科系の病気で妊娠しにくい体質でした。不妊治療を受け、妊娠しやすい日がわかると『協力して』と真剣な眼差し。もちろん、自分も子供は欲しかったので40代の体にはこたえると思いながらも、できる限り協力しました」
一方で結果が出ないことに焦る妻の行動は熱を帯びる。
「熱湯は精子に悪いから冬場でもぬるま湯でシャワーを浴びるよう言われたり、高額の亜鉛サプリを飲まされたり……。正直、さすがにしんどいと思うときはありました。『男なら一日3回は射精して!』と言われたのはプレッシャーでした」
「妻に恐怖心を抱いていた」
妊娠しやすい時期に出張が重なると「お互いの年齢もあるし機会をムダにしたくない」と同伴も辞さなかった。
「当時はDVとまでは思いませんでしたが、あの頃、妻に対して恐怖心を抱いていたのは事実。幸い妊活に成功したからよかったものの、あのまま続いていればどうなったのか。あまり考えたくはないですね」
愛や望みが一致していても、一歩間違えれば互いを傷つけてしまう危険性はあるようだ。
(以下略)