
国が政策を決める過程で、国民から広く意見を募る「パブリックコメント」。
ふだんは数件から数十件というケースが多い中、ここ最近、ひとつの政策に1万件を超える意見が寄せられる異例の事態が相次いでいる。
政府は、一部の人たちが大量の投稿を行っていると分析。行政事務を妨げ、制度自体をゆるがしかねないと強い懸念を示している。
一体、誰が何のために大量投稿を行っているのか。
取材班はSNS上で繰り返し投稿を呼びかけていた複数の投稿者に話を聞くことができた。
Q. 同一の案件について、1人で複数のパブリックコメントを投稿することはあるか?
はい、同一の案件について複数回投稿したことがあります。
その理由は、投稿数を増やせば行政機関やメディアが振り向き、問題を認識してもらえると考えたから。
大量のパブリックコメントが投稿されることで行政機関側が騒ぎ出し、「パブコメ」という仕組みが世間に広まるきっかけになると期待したから。
件数が増えることで、参加する楽しさや背中を押される感覚が生まれるからです。
投稿呼びかけるグループの中心人物
「(パブリックコメントを)政策決定に反映していただければ良いと思うのですが、どんな内容の意見文でも、どんなにたくさんの意見文でも、結論ありきで強行されているのではないか?という疑念はあります。それではパブリックコメントを募集する意義とは何か?『とりあえず意見は聞きましたけど、反対意見はなかったですよ』そんなアリバイ作りに利用されないためにも、意見文を届けることは重要であると考えます」
「(政府に)不利な投稿は『危険性を指摘する投稿』ということで制限される懸念があります。広く意見を募集するという姿勢と違うのではないでしょうか?今行政はこんなことをしようとしていて、それについて意見文を募集していると拡散する活動は『広く意見を求める』というパブリックコメントの趣旨と合致する活動と考えています。『数』に訴えるやり方に嫌悪感や危機感を持たれる方もおられると思いますが、『数』に頼るのが悪意ある人々と決まっている訳ではありません」
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250419/k10014781621000.html
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250419/K10014781621_2504181048_0418110254_02_08.jpg