埼玉県八潮市の県道が陥没しトラックが転落した事故で、県は１１日、下水道管内に取り残されているトラックの運転席部分に向けて、
真上と上流側の２方向から穴を掘り進めることを明らかにした。
現場に流れ込む下水を減らすためのバイパス工事は当初の想定通り、５月中の完成を目指すとした。
１１日に開かれた災害対策本部会議で報告された。
事故ではトラックの男性運転手（７４）が安否不明となっており、県は本格的な捜索活動に向けた工事を続けている。
陥没現場の約３０メートル下流にある運転席部分に近づく方法として、県は真上の地上から穴を開ける工事を行うために、周囲の地盤改良を始めている。
この日の会議ではさらに、運転席部分の上流側から掘り進める工事も並行して進める考えを示した。
土砂の崩落を防ぐため、強度の高い「鋼管矢板」を地面に打ち込んでから工事を始めるとした。
現場に流れ込む下水を迂回（うかい）させるバイパス工事の詳細設計も発表した。
バイパス管は縦２メートル、横３メートルの四角い箱形で、長さは約６５メートル。
陥没現場上流のマンホール部分に接続し、陥没現場と運転席部分を迂回させ、下流部で下水道管に接続する。
昼夜の工事を続けており、スケジュールに大きな遅れはないという。
運転席部分に近づく方法について、大野知事は１１日、記者団に対し、「どういった形でキャビン（運転席部分）にアクセスするかを見極めたい」と述べるにとどめた。
また県は８日から、陥没現場を覆う形で防臭シートを設置したことも発表した。
下水道点検の対象や頻度の見直しなどを議論する国土交通省の有識者委員会は１１日、
全国の大規模な下水道管のうち、腐食しやすい箇所などを対象にした「特別重点調査」を行う方向性を大筋で了承した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/116f5a3a1ae9c389cb1db983993f65ac383ebbcd
