
中国で社会問題化している約3500万人の「余剰男子」について、国内の有名大学教授が解決策として国際結婚を提唱したところ、ソーシャルメディアで大炎上していると香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストがこのほど報じた。余剰男子問題は2014年まで数十年にわたった一人っ子政策のツケとされ、2020年の国勢調査では男性が女性を3490万人上回ることが分かっている。
中国湖北省武漢市の華中師範大学農村研究所が今年初めに発表した報告書によると、過去10年間で農村部に住む若年層の男性が配偶者を見つけることの難易度は増しているとし、「花嫁価格」の高騰と伝統的な結婚に対する認識の低下が主な理由であると分析した。
そんな中、厦門(アモイ)大学経済学部のディン・チャンファ(Ding Changfa)准教授が国際結婚の促進と外国人花嫁の「輸入」を推奨し、ロシアやカンボジア、ベトナム、パキスタン人女性らとの結婚を検討すべきだと示唆した。
「中国の農村部には約3490万人もの『売れ残り男子』が、住宅や車に加え総額50万~60万元(約1074万円~1288万円)もの結婚資金を準備しなければならないという社会的圧力に直面している」と指摘。
さらにディン氏は、「中国全土の農村部における昨年の1人当たりの平均可処分所得が2万元(約43万円)程度だったことから、問題を解決するには海外から相当数の若い女性を呼び寄せる必要がある」と強調した。
同紙によると、この提案がSNSを中心に猛反発を招いている。
多くの女性は、外国人花嫁の「輸入」はまるで人身売買だと主張し、言語の壁が家族間の対立につながる可能性を懸念する声も上がっている。